クライミング日記

【瑞牆】オール・オア・ナッシングRP!

きい

クライミング日:2024年10月6日(日)

今回のクライミング

10月の第1週。いよいよ花崗岩のベストシーズンだが、秋雨前線の影響により、木曜からずっと雨。

土曜はかなり厳しそうな予報なのでレスト。日曜も午後から雨の可能性があるが、先週RPを逃したオール・オア・ナッシング(5.12d)を回収すべく、瑞牆へ向かう。

過去のオール・オア・ナッシングの記事

Day 1
【瑞牆】ナーンノ・セイカモ・ナッシング
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Day 2
【瑞牆・小川山】オール・オア・ナッシング(Day2)と睦月誕生(Day1)
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コロッセオへ

この日は都内近郊の方が天気が悪く、中央道の途中まで霧雨。かなり車の量も少ない。西に行くほど天気は良くなり、須玉ICを下りる頃には晴れてきた。

しかし、瑞牆付近の道路はビショビショ。昨日(というか朝まで?)はかなり降ったようだ。

アプローチ開始。不動沢駐車場もガラガラ。

めちゃくちゃ乾きが早い漁師の娘(5.11c)ですら濡れている。アプローチ中に見える岩で乾いていたのは、金のわらじ(5.12a)の下半分くらいだ。

しかし、コロッセオはこんな日でも我々の期待を裏切らない。NDDとトップガンはもちろん、トレビの泉を含む、同一スタートの4本もパッと見は大丈夫そうだ。

✅オール・オア・ナッシング(5.12d), 6go(計3d12go)

まずはヌン掛け&ムーヴ再確認。アップなしで大丈夫か心配だったが、思ったよりもあっさり抜けられた。

しかし、終了点クリップホールドを取りにいく時に右手で使う、外傾カチが濡れているではないか!ここは乾いている状態でさえ、繋げるとかなり大変そうなポイント。

仕方なく、代わりに使えそうなホールドを探す。すると、外傾カチのすぐ隣に、ガストンで持てるインカットカチを発見!ホールドにはならなそうな見た目なのだが、持ってみるとかなり掛かりがいい。外傾カチが乾いていたとしても、絶対このガストンの方がいい。

「災い転じて福となす」というやつだろうか。これなら終了点直前で落ちる心配はそれほどなさそうだ。

出来る気満々で、この日の2便目(計8便目)。核心ムーヴの、右手ガストンカチで左手ハイアンダーを取りにいくところでフォール。3便目も同じ。

ムーラン・ド・ラ・ギャレット(5.12c)の1本指ポケットへのデッドとは違い、確率ムーヴではないのだが、やはり強度が高い。恐らく微妙なポジショニングの違いで、できる時とできない時がある。左足の位置を微調整。やや楽になった。

4便目。ついに核心の左手ハイアンダーを止める!顔の前に次のヌンチャクがきて、嫌でも目に入るが、事前に決めていた通りこのクリップは飛ばす。しかし、その直後で足位置を間違ってフォール。

核心が止まった便で登れると思っていたので、ショックが大きい。上部のムーヴは自信があったので、この日はヌン掛け便を除き、フォールしたらそのまま下まで降りていた。

ムーヴが決まっている場合、途中でフォールした後、上まで毎回抜けるかどうかは常に悩ましい。ムーヴの精度はさらに高まる一方で、腕を使うからだ。しかし、結果的にオール・オア・ナッシングに関しては、もう少し上を練習しておけばよかった…。

さらに周囲が次第にガッスガスに。時折雨もパラついている。少々降っても濡れないルートではあるが、気持ちは落ち着かない。

あまり間隔を空けずに5便目。今度はまた核心の左手ハイアンダー取り落ち。ムーヴはほぼ探ってないので、ヨレてはいないと思うのだが、さすがにダメージはゼロではない。

正直、アップ後すぐにオール・オア・ナッシングを登り、神の手(5.13c)を触る想定までしていた。楽勝ムードから一転、思わぬ大ピンチだ。

こういう時こそ焦りは禁物。天気のことは一旦忘れ、ロングレストを決める。昼寝を挟むと疲れが抜け、頭もスッキリした気がする。予報に反して、空も明るくなってきた。

6便目。割と余裕をもって左手ハイアンダーを止める。次のクリップは見向きもせず飛ばす。4便目で足を間違えて落ちたパートも問題なし。

しかし、その後のムーヴでもたつく。5便目までのダメージもあると思うが、思っていたより繋げると全然キツイ。バラシだとスタで止めていたホールドを、デッドでなんとか押さえる。

終了点前ラストのヌンチャクにクリップし、何度かシェイク。ヌン掛け便で発見した右手ガストンカチから、左手でガバ取り。

出来た…。危なかった。

朝の時点では、この日の内に登れないなんて事は微塵も考えてなかったが、まさかの大苦戦。とにかく登れてホッとした。笑

登れた後のグレード感としては、トポ通りの5.12d。しかし、リーチがない人にとっては、もっと難しく感じそう。

ルート構成としては、隣のムーラン・ド・ラ・ギャレット(5.12c)にとてもよく似ている。ガバガバのアプローチの後、急に強度のある核心。その後、10手弱くらいは一定以上の難しさが続くショートエンデュランス。ホールドは細かくフィンガリー。

スタンスも繊細なムーランに比べると、オール・オア・ナッシングは足が良い分、さらに保持力が求められる感じ。

核心部で高くて窮屈なスタンスとなるムーランは、割と小柄な人の方が有利かもしれない。ホールドも細かいながらも色々とある。

一方、オール・オア・ナッシングはホールドが限定的で、なおかつ距離も遠い。明らかにリーチがある人の方が有利だ。

いずれにしても、細かいホールドを保持れるかが大きなキーとなる、真っ向勝負といった感じの2つのフェイスルート。ボロボロの指皮が良い勲章だ。

✅オスティカ・アンティカ(5.11a), Re

オール・オア・ナッシングをさくっと登って神の手という希望は絶たれ、時刻はすでに15時。

2シーズン前に登ったこのルートで、最後の筋トレ便。

雨で水が流れたのか、チョーク跡はほぼ皆無。

ガバガバのアプローチをこなし、実質2ピンといった感じのルート。なのに不思議とパンプする。細かいムーヴはもちろん覚えてなかったけど、なんとか登れた。

(参考情報)神の手へのアプローチについて

8月末のノロノロ台風10号の影響で発生したと思われる、コロッセオの土砂崩れ(以下の記事参照)。

あわせて読みたい
【瑞牆】LOL(Day1)とブラッド・ライン(Day3)
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NDD・トップガンの先のトラバースに影響が出ているが、一応渡れる状態(この日、仲間2人が神の手にトライしていた)。

ただし、いつ落ちてもおかしくない倒木が引っ掛かっているので、気をつけた方が良さそう。

ちなみにこの日、神の手は核心部が濡れていたとのこと。終了点の上に土があるので、どうしても流れ込んできてしまうらしい。

ふりかえり

今年で花崗岩3シーズン目なのだが、毎年コロッセオでは本当にたくさん遊ばせてもらっている。

前日の雨にも、当日の雨にも強く、この日もカサメリでまともに登れたのはコロッセオくらいだったんじゃないかな。

オール・オア・ナッシングが登れたことで、トレビの泉を含め、同一スタートの4ルートをコンプリート。

このエリアで唯一の宿題は神の手。花崗岩の高難度ルートにありがちな、フリクションに左右されるカンテラインだ。

またやりたい気持ちもあるが、僕の場合はNDD、ムーラン、オール・オア・ナッシングのように、カチ中心のフェイスが好み。しばらくコロッセオとはお別れになりそうだ。

そういえばレマンサル(5.12d)も宿題だったけど、あれは完全に苦手系で出来る気がしない(笑)。

来週はスポーツの日の三連休。週後半からは、ようやく秋晴れが続きそうだ。いよいよゴジラ岩・ちゃびんば(5.13b)!?

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きい
きい
登ったり滑ったりする人
1988年生まれ、愛媛県出身
東京の北西部に住み、週末は専らさらに北や西に出かける
仕事は電機メーカーのエンジニア
クライミング:2021年からリード&外岩を始めて本格的に
スキー:2017年からバックカントリーにハマる
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