【巻機山】春の井戸尾根BCスキー:はじめてのドローン空撮

山行日:2025年4月19日(土)
今回のBCスキー
GW前の4月中旬。大量降雪に恵まれた今シーズンも、いよいよ終盤だ。
滑走日数は数えてないけど、近年は雪が少ない上にクライミングへ力を入れていたこともあり、こんなに滑るシーズンは久々だ。
そんな中、BCシーンで撮影の幅を広げたいなと思い、最近ドローン(DJI Mini 3)を購入した。近所の河川敷などで少し練習してみたが、最新のドローン技術は驚異的で、初心者の僕でも基本的な操作はすぐに覚えることができた。
ということで、早速山での撮影を行うことに。ドローンでの撮影に適しているのは、やはりオープンの大斜面だ。
山行前日の4月18日(金)、尾瀬・鳩待峠までの林道が開通する。至仏山は絶好の撮影スポットになりそうだが、開通直後はかなり混むだろう。
ということで、2020年春以来、4年ぶり2回目となる巻機山へ行くことに。
ハイクアップの様子
ゆきりん&サクライさんと合流し、登山口となる清水に7時45分ごろ到着。

例年であればこの時期は除雪が進み、桜坂駐車場まで車で入れるようだが、今年は雪が多いためか、まだ路肩の駐車スペースのみ。予想通り、すでに路駐の列が。全部で20台ちょっと?
近くに看板が立っていて、除雪は翌週の4/23(水)に予定されているそうだ。

シールを貼り、道路脇の雪壁を登り、8時過ぎに出発。曇りのち晴れの予報だったのだが、朝からすでに晴れている。
気温は上がりそうなので、歩いている時は曇っててくれていいんだけどな。笑

恐らく雪の下は道路だと思われる部分を歩いて行く。

橋の上の雪はまだなんとか繋がっていたが、恐らくあと数日の命だろう。

歩き始めてから30分ほどで桜坂駐車場に到着。トイレがあるが、ここまでの除雪がされていないためか、まだ閉鎖中だった。

桜は二分咲きくらい?GWはちょうど見頃になりそうだ。

桜坂駐車場からは、広くて平らに近い地形をしばらく登り、20分ほどで左側に見える井戸尾根に取り付く。
今年とは対照的に、雪が少なかった昨年の山行記録を見ていると、この辺りは割と早い時期からシートラを強いられたようだ。
今年はやはり雪が多いようで、土が出ている場所はなく、ずっと雪の上を歩くことができた。

次第に傾斜が増してくる。井戸の壁と呼ばれる場所だ。
写真では伝わりづらいけど、かなりの斜度。早めにシール登行を諦めて板を担ぐ。

大汗かきながら井戸の壁を登り切ると、一気に景色が開ける。上の写真で右側に見えるのがニセ巻機山。いかにも山頂に見えるが、巻機山のピークはその奥だ。
正面には米子沢。下調べで大体わかっていたが、下部はかなりデブリが多い。上部は楽しそうなんだけど、上だけ滑ってニセ巻機に登り返すのは大変そうだ。

向かって右側が柄沢山方面。今年の2月に行ったんだけど、我々以外に誰もいなくて終始ラッセル。全く山頂には届かなかった。笑
こちらも春の山だね。

またしばらくツリーの中を歩いて行くと、尾根が広くなってメローな大斜面が現れる。数日前に少し降雪があったようで、なんだか雪面が白い。これは嫌な予感が…。
ニセ巻機正面の斜面がよく見えるようになるが、思っていた以上にクラックが多い!これ滑れるところあるの?

傾斜が急になったところで再びシートラ。ドローン撮影には願ってもない天気なのだが、快晴無風でとにかく暑い!
水分摂取量が足りなかったのか、足が攣りそうだ。ツムラ漢方でなんとか誤魔化しながら登る。


途中で雪が切れている部分があり、夏道の木道が出ていた。
急なところを抜け、再びシールハイク。今年はかなりBCに行っているので、足はしっかり出来ていると思うんだけど、この日はペースが上がらない。サクライさんとゆきりんになんとか付いていく。


稜線まで上がると、本当の山頂(といってもフラットでどこがピークかわからないけど)が見えてくる。
傾斜が緩くなる。ニセ巻機山のピークまではあと少しだ。

そして何とか(ニセ巻機山に)登頂!疲れたー!
さて、時刻は13時前。僕が足を引っ張ってしまったこともあり、思ったより時間がかかった。
ここから山頂へ行くには、一度滑ってからまた登り返さなくてはならない。山頂からニセ巻機に戻る時もまた然り。そしてこの滑走がどちらかというとただの移動に近く、山頂を踏みに行くだけになってしまうのだ。
ということで、事前に山頂は行っても行かなくてもどちらでもいいかなと話していた。2人には僕のペースに付き合ってもらって申し訳ない思いもあったが、この日はニセ巻機から登ってきた井戸尾根を滑って帰ることに。
相変わらず風もなくドピーカン。休憩中もTシャツで過ごせる陽気。サクライさんが豆から挽いてくれたコーヒー飲んだりしつつ、ピクニック気分で1時間近くも(ニセ)巻機山頂でのんびりしていた。
ドローン空撮と滑走の様子
いよいよ今回のメイン目的?ドローンを飛ばす時がやってきた。

まだまだ操縦は素人だが、快晴無風の理想的な飛行条件だったこともあり、自分としては上々の画が撮れた(下の写真は撮影した動画からの切り出し)。



フル動画はこちら。
今回気づいた事として、ドローンは滑走ラインの偵察にも有用だということ。
特にこの日はクラックだらけで、雪が繋がっている滑走ラインはわずかだった。ドロップポイントから斜面全体が見渡せる場合はあまり問題ないかもしれないが、先が見えない場合、滑る前にドローンで斜面をチェックするという使い方もありかもしれない。
そしてドローン操作はラジコン感覚なので、飛ばすこと自体純粋に楽しい。今後の撮影にも積極的に使っていきたいと思う。
さて、2人の滑りをドローンで撮った後は自分の滑走。ドローン映像からクラックがかなり多いことは分かっていたので、ラインを見極めながら慎重に。
雪はギリギリストップではなかったが、数日前に降ったと思われる雪が沈み切っておらず、重たくてターンに力を使う。登りで疲れた足が悲鳴を上げていた。笑
長ーく滑って2人とリグループ。オープン斜面は滑るとあっという間で、ここからはツリーランだ。

最初は木の間隔がそれなりに広く、斜度も緩くて快適。しかし、井戸尾根は急斜面のタイトツリーラン。
おまけにこの時期はツリーホールが大きく、折れた木の枝が至るところに落ちていて、滑れるラインはかなり限定されている。修行系のショートターン道場だった。笑
巻機山の良いところは、アップダウンが非常に少ないということ。帰りは滑るだけといっても細かい起伏が多いと、スキーを履いたままカニ歩きしたり、なかなか疲れる。
この点で巻機山はシンプルな地形をしていて、あまり登り返しがない。桜坂駐車場から道路までも、帰りはゆる~く滑っていけるので楽ちんだった。
おまけ
山の上の桜はまだ蕾に近かったが、麓は結構咲いていた。桜と残雪の組み合わせは雪国ならでは。東京では見ることができない。

帰りの温泉は金城の里。この日同じく巻機山を滑った方と遭遇。我々とは違って米子沢を滑ったものの、綺麗に見えた上部の斜面はストップ雪、下部はデブリーランドだったとのこと。いずれにしても修行系だったのかな。笑
六日町のあさひ食堂で夕飯食べて帰宅。春の雪山スキーハイキングの楽しい一日だった。