【御前岩】誉RPとGYA-GYA(Day1)
クライミング日:2024年11月23日(土), 24日(日)
今回のクライミング
今シーズン初の平日カード(以下の記事参照)から中一日の土日。
本格的に寒くなる前にと、御前岩・エレファント北面で遊んだ2日間。しかし、風があって気温もこの時期としてはやや低めで、すでに結構寒かった…。
染み出しの状況
恒例の染み出しチェック。水・木と雨が降ったけど、前日の金曜は晴れ。
ようやく気温が下がった影響なのか、一気に乾いた!
ドラゴンロックはまだ少し濡れている部分があるが、どのルートも概ね問題なさそう。アレジオンはもう少しだろうか。
エレファント各面、キャッスルロックも多くのクライマーが取り付いていて、ようやくハイシーズンといった感じ。
Day1(Saturday)
朝から良い天気で、岩場は知り合いだらけ。
✅わがままボディ(7a), Re
たまにはいつもと違うアップを。3年前にRPして以来のルート。
記憶よりも難しくて、核心も悪いし、それまでもライン取りが悩ましい。
めっちゃ腕張ったー。
✅誉(8a+), 3go(計2d4go)
ルート解説
僕にリードと外岩のクライミングを教えてくれた、クライミングジム「カランバ」のオーナー、徳永信資さん初登。
一日中、陽が当たらないエレファント北面に引かれた、圧倒されるような見た目のロングルート。しかしその難しさは、終了点前の数mに凝縮されている。
ルートの取り付きへはFIXロープで上がる。ここはガバガバで、フリーでもいけるんだけど、とにかく岩が脆い。僕も一度、ガバ足が吹っ飛んで肝を冷やしたことがあるので、FIXロープ使った方が無難。
終了点を除き、全部で9クリップ(FIXロープの支点を1P目とカウント)。
7P目までが7bくらい。ここで一旦完全レストとなるので、ルート全体としての難易度にはそれほど大きく影響しないけど、この7bパートはホールドの種類と向きが多彩で、登っていて楽しい。
ワンフィンガーポケットからの4手くらいが7bパートの核心だろうか。
完全レスト後、最終クリップとなる9P目まではガバ主体。そしてようやく核心部。9P目クリップ後、核心前にガバで休めるが、ここは傾斜があるので長居しない方がいいかも。
核心は6手くらいのハードボルダー。掛かりは悪くないがホールドは細かく、オーバーハングした中でスタンスが限られ、終了点が近くて遠い。
トライ
2日前の帰り際に1便だけ出したものの、その時は核心部がビショ濡れですぐに下りたので、実質この日が初トライ。
結構苦労したが、なんとか1便目でトップアウト。
2便目は核心部でフォール。その後ムーヴを改善し、RPを狙える感じに。
3便目。7bパートはもはや11台に感じる。7P目にクリップ後、約6分間の大レスト。4分で完全にパンプが抜け、そこからさらに2分休む。風が冷たく、焼き石で手を温める。
9クリップ目までもスムーズ。30秒ほどシェイクして核心へ。
多くの人が右手で使うであろう、角みたいなカチは左手になった。この角カチを取るムーヴで足が完全に切れ、振られに耐える。その後のスタンスが悩ましく、僕は得意のハイステップを選択。
最後はガバの2・3手で、終了点にクリップ。
2便目までの探りでかなり疲れていたので、この便で登れなかったら今日の完登はなかっただろう。ノーミスの会心のトライだった。
グレード感
僕の核心ムーヴはリーチがないと厳しく、一般的なムーヴだともう少し難しくなりそう。
とはいえ、アスリーツ(7c+)やDAIJA(7c+)に比べると難しく感じた。ただ、2グレード差あるかと言われれば、僕のムーヴだと1グレード差くらいかなという感じ。
一般的なムーヴの場合、2グレード差になり得ることは想像できるけど、8a+としては登りやすいと思う。
❌グレイハウンド(7c), 1go(計2d2go)
先に誉をRPしたモトハシさんが番長(8b)をやっていたので、僕も参戦したかったけど、残念ながらすでにヨレヨレ。
代わりに、2年前にやってド敗退をかました、グレイハウンドをやってみた。
「今ならそれほど苦労しないのでは?」と期待していたのだが、完全にテンテンだった。それでも、一応ブランクパートなくトップアウトできたので、やはり成長はしているのだろう。
詳しいルート解説や、グレード感などは次回トライした際に。
Day2(Sunday)
昨日よりやや気温は低いが、相変わらず晴れ。風はそれほどでもなく、相対的にはこの日の方が暖かかった。
色々な言語が飛び交い、いつにも増してインターナショナル。
✅ハートブレイク(6c+), Re
またいつものアップ。明らかに体に張りはあるが、動きは良い感じ。
終了点前は、2日前に初めてやった左回りで。
❌GYA-GYA(8a), 4go
ルート解説
エレファント北面に引かれた、堀洋紀さん初登のルート。ランジ2発のカッコいいルートという話。
終了点を除き、全部で6クリップ。御前岩の中では短い部類で、ボルダリーな核心を持つ。
下部はやや被っているが、ホールドはガバカチを繋いでいく感じで難しくはない。
3,4ピンの間で第一ランジ。5P目にクリップし、ガバでのレスト後に第2ランジ。
6P目から終了点までも、ホールド間の距離が遠いが、ここはまぁ落ちないだろう。
ランジ2発というと、瑞牆のトップガンを思い出す。トップガンの場合、第一ランジが得意という人と、第二ランジが得意という人が恐らく半々くらいだろうか。
それに対し、GYA-GYAは圧倒的に第二ランジが難しい。また、第一ランジも含め、ランジ体勢へのセットも簡単ではない(トップガンの第一ランジ体勢セットほどではないけど)。
トライ
1便目。第一ランジは右手を出すか、左手を出すか悩ましい。
まずは右手を出してみるが、このムーヴだと落ちた時にやや体が回ってしまって怖い。左手を出してみたら、割とすんなり止まった。
第二ランジは、ランジ体勢へのセットがやや窮屈。このルートで唯一、背の高い人の方が不利なところかもしれない。
やや傾斜がある第一ランジに対して、第二ランジはほぼ垂直。しかし、驚くほど使えるホールドは限られている。取り先のホールドは一目瞭然だが、遥か彼方に感じる。
離陸することすら出来ず、仕方ないので一旦下りる。
この日、GYA-GYAには自分を含めて4人がトライしていた。内1人は10代、残り2人も20代中盤くらい。36歳の僕は、ボルダラーに比べて平均年齢が高いリードクライマーの中ではやや若い部類なんだけど、この日は断トツ最年長。笑
2便目。第二ランジで若者に教えてもらったムーヴを試すと、ランジどころかほぼスタでいけた。しかも一発で。
右足はフットジャム。左手カチをロックできるところまで引くと、取り先はかなり近くに見える。この状態で右手出すだけ。
あれ、これもしかしてすぐ出来ちゃう?
3便目。今週3本目の5.13を狙う。
第二ランジまでは繋がるが、全く体が上がらずフォール。その後、バラシで7,8回やってようやく止まった。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・!?」
4便目も第二ランジで惜しくもなくフォール。そしてついに抜けられなくなった。
完全に体が終わってしまったようだ。あと、午後から左手カチがヌメリ出したように感じる。
いずれにしても、この第二ランジ(ランジじゃないけど)はやはり簡単ではなさそうだ。2便目に一発で出来たのは、たぶんマグレだったんだろうな。
第二ランジで使う左手カチ?は、ホールディングがとても難しい。人差し指と親指は、少し出っ張った部分をピンチ気味に持ち、残り3本はオープンという感じ。
同じく堀さん初登、二子山のサバージュ(8a+)で出てくるポケットホールドを思い出した。フリクションにも大きく左右されそうだ。
とりあえず、フレッシュな状態で改めてトライしてみたい。
おまけ:イ・ミニョンくん、Maturity完登
先週末、ここ御前岩でお会いした、Soul Mate(9b)第二登の男(以下の記事参照)。
この週の土曜日にも登りに来ていて、先日なんとMaturity(9a+)も登ってしまったとのこと!
「まだ結構濡れてなかった!?」と聞くと、「ソールをパンツの裾で拭きながら登りました。笑」と照れながら話してくれた。
岩の状態や道具を言い訳にすることなく、己の強さでねじ伏せるクライマーというのは、ただただ美しくてカッコいい。
この日が日本滞在の最終日ということで、エンクラ(7aとかやってたので、イくんからすると本当にエンクラ!)でリラックスした時間を過ごしていた。
一旦韓国に帰り、その後すぐにスペインへ飛び、今度はSleeping Lion(9b+)をやるそうだ。Soul MateとMaturityの初登者である、安間サチさんも一緒とのこと。
イくん、本当におめでとう!スペインでも良い旅を!
ふりかえり
木曜も含め、御前岩で3日登った今週。成果が出たことはもちろん嬉しいけど、登れなかったルートも含め、とても良いクライミングができた。
エレファント北面には、まだ触ってみたいルート多数。すでに寒さとの戦いは始まっているが、もう少しこの太陽が恋しくなる場所で遊んでみようと思う。