【御前岩】Vertere, Seven Stitch, ベルリン

きい

クライミング日:2025年12月6日(土), 7日(日)

今回のクライミング

12月の第1週。寒がりなので、そろそろ城山とかに行きたいところだが、先月初めて触ったパチンコのワーキングをしに御前岩へ。

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Day1(Saturday)

❌パチンコゲーム, 1go(計2d3go)

ハートブレイクとかでガバを持ったところで、激カチのパチンコのアップになるとは思えない。

地面から触れる細かいホールドで、適当に指を温めてからトライ(いい加減、岩場でのアップ用フィンガーボード買わないとな…)。棚レストまでのアプローチで多少腕が張るので、これはこれで良い。

まずは棚レストから核心までの間をやってみるが、相変わらず難しく、バラシでもできない。色々と探っていると、急に右手人差し指の先に痛みが

自宅に帰ったあとに撮影

やってしまった…。もともと乾き手でパックリ割れしやすいので、なるべく保湿ケアは心がけている。そのおかげで、しばらく割れてなかったんだけど、ここ最近はほとんど雨も降らず、かなり乾燥していた。

強い人なら10本の指の内、1本くらいテーピングしてても問題なさそうだけど、かなり細かいホールドが延々と続くパチンコ。僕の実力だと、ただでさえ限界を超えているので、ワーキングも捗らないだろう。

という訳で、指皮にもう少し優しそうな、他のルートで遊ぶことに。今週末のパチンコは、15分で終了してしまった。

ちなみに、この土日はそれぞれ顔ぶれは違っていたが、両日とも3人くらいパチンコをやっていた。核心まではただのアプローチのように登ってる人もいるけど、それでも核心で落とされてしまう。

僕が登れる日は来るのだろうか…。

全然関係ないけど、最近は近距離でピースサインをしている写真から、指紋が盗まれるというケースがあるらしい。クライマーは手の写真をSNSにアップすることもあるので要注意だね(上の写真の指紋部分は加工済み)。

✅Vertere(7c), 3go

ルート解説

パチンコと同じく、エレファント北面に引かれたルート。ランジで有名なショートハードだ。僕にリードクライミングを教えてくれた、徳永さん初登。

ちなみにVertere(バテレ)は、奥多摩にあるクラフトビールの醸造所。

ランジを止めてからマッチしたところ

取り付きまではフィックスロープを上がる。フィックスロープの支点を1P目とし、終了点を除いて全4ピン。2P目はスタートから掛けられるので、ルート中では2クリップ。

ランジは距離があるものの、発射体勢は両手ガバカチで、少なくともそれなりに身長があれば足もガバ。取り先も小ガバで、とても気持ちよく飛べる。

上部は窮屈な体勢で、外傾したスローピーなホールドの処理。終了点まで気が抜けない。

トライ

以前、番長(8b)をやっていたモトハシさんのビレイをしているので、オンサイトの権利はないが、細かいところは全く覚えていない。

気分的にはオンサイトトライ。ランジポイントは明白。取り先の一番白いところを狙って飛んでみるが、めっちゃスローパー!距離は十分だったが、止めることができずにフォール。

いかにも「ここを狙ってください」的な白い部分ではなく、その左側が小ガバになっていた。取り先がわかれば大丈夫そうだ。

しかし、ランジを止めた後のパートが思ったよりも難しい。何度かテンション入れつつ、いい感じにムーヴは作れた。

2撃する気満々だったが、2便目はランジを止めたものの、左手をマッチするスペースを残せず、モタモタしている内にフォール。

すぐに下りて、そのままロープを結び直して3便目。今度は左手のスペースを残すため、もう少し右を狙う。狙い通りの位置を右手で掴み、マッチも完璧。上部も問題なかった。ほぼパンプすることなく終了点へ。

体感グレード

ランジはかなり身長差が出そう。しかし、平均以上の身長の男性だと、ランジ後の上部の方がやや難しいだろうか。

楽勝といえるパートはないが、持久要素はほとんどなく、特別悪い一手というのもない。体感としては7b+

御前岩の7cの中では、登りやすい方だと思う。

とはいえ、短い中に内容が詰まっていて、登っていて楽しいルート。

❌Seven Stitch on Pinky(7c), 1go

ルート解説

キャッスルロックに引かれた3本の内、真ん中のルート。海外を感じさせる35mのロングスケール。下降は70mロープでちょうどくらい。

しかし、その実態は終了点前2ピンのショートエンデュランス

壁は全体的に被っているが、立体的な形をしていて、いくつもの小ハングを乗り越えていく感じ。ハングを乗り越えると一旦傾斜が死ぬので、色々なところで休み放題。終盤まではホールドも基本的にガバだ。

最後の10~15手ほどは休みどころがなく、35m登ってきて、最後の1手で十分落ちられる。特別悪い一手というのはないが、サイドやアンダーが多く、省エネムーヴが作れないとバラせても繋がらない。小ハングの上は基本的にガバスタンスだが、そこにどうやって足を上げるかもポイント。

これだけの長さなので、ロープドラッグ対策も必要。中間部の1ピンがかなり奥の方に打たれているので、ここは特にスリングや長ヌン2本連結で伸ばすとかなり違う。

トライ

これも以前モトハシさんのビレイをしているが、ポイントとなる上部は下から見上げると遥か彼方。気分だけはオンサイトでトライ。

特に危なげなく、順調に高度を上げていく。小ハングの上にボルトが打たれているところが多いので、マスターだと次のピンが見えづらい。下の方は、右のいかづち(7c+)とややラインが近く、そちらのボルトが目に入るが、基本的には素直に直上していけばOK。ランナウト気味の部分もあって怖いが、まぁ落ちないかな。

ほぼパンプすることなく、終了点前の1クリップを残すのみに。しかし、チョーク跡を追いかけていったところ、左のメルシーヨンキュー(8a)の方に吸い寄せられてしまったようだ。途中で詰んでしまってテンション。

そこからはバラシでムーヴを作ったが、思ったよりも難しい。ホールドは色々とあるが、どれも方向が悪いのだ。毎回、間違いなくここまでは来れると思われるが、30m登った後のフォールは切ない。なるべく次で決めてしまいたい。

いつもより入念にムーヴを再確認。この日は時間的に1便のみとなったが、翌日に向けてシークエンスを頭に叩き込んだ。

ちなみに、下からもよく見える終了点直下の白い部分は、いかにもガバっぽいけどそうでもなかった。笑

ルート最上部(望遠レンズで撮影)

Day2(Sunday)

✅Seven Stitch on Pinky(7c), 1go(計2d2go)

トライ

実質このルートの全て(というと言い過ぎかもしれないが)の残り5mまで、30mのアプローチがあるので、その間に体は温まりそう。という訳で、今日もアップはスキップ。

前日はややライン取りに迷うところがあったが、わかってしまえば本当にヨレない。ほぼノーダメージで最上部へ。

やはり昨日の1便だけでは固まり切ってなくて、少しムーヴを忘れている部分も。しかし、それでもかなり余裕があった。

終了点からは、エレファントロックが遥か下に見える。新鮮な景色だ。

この動画は地面から撮っているが、チョークバッグの底に書かれた「P`ETZL」の文字が読めそうなくらい鮮明だ。スマホのデジタルズームの性能も上がってはきているが、やはり光学ズームには敵わない(OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROで撮影)。

体感グレード

昨日の初トライでは、それほど簡単には感じなかったが、登れた時の余裕を考えると7cは甘めだろう。体感7b+

効率的なムーヴが作れれば、恐らく御前岩の7cの中で、一番登りやすいと思う。ただし、オンサイトはそこまで簡単ではなく、迷いながらムーヴを探す余裕が必要。

中間部くらいから始められたら、上級者のアップにも良さそうだけど、毎回やるには下からだとちょっと長いかな。笑

❌ベルリンの壁(7c+), 5go

アップ代わりに前日の宿題が片付いたので、まだ丸一日ある。まだ登っていない7台前半もあるけど、せっかくなので少し難しめのルートをチョイス。

ルート解説

エレファントロック北面に引かれたルート。どっ被りから垂壁に出てくるところで、足を切った時の振られに耐えられるかが核心になっていることで有名(というほどトライしている人はいないけど)。

振られに耐える

ホールドは基本的にすべてカチ。特に核心の振られに耐える時の右手カチはかなり悪く、純粋な保持力と体幹がものをいうルートだ。

上部は掛かりの良いカチが連続する垂壁。途中でレストポイントもあり、わかれば恐らく落ちないが、核心後から終了点までも7aくらいの難しさがある。

実質的には下部ボルダーのショートハードかもしれないが、最後まで質の高いクライミングが楽しめる。

なお、エレファント北面のどのルートにも言えることだが、取り付きはかなり岩が脆いので要注意。約1年前の2025年1月にも、このルートで大きな崩落があったようだ(ベルリンの壁崩壊!?)。

トライ

まずは核心の入り。アンダーからの距離出しで左手カチ、そして右手カチ。ここはリーチ差が出やすそう。

次が件の足切り振られ耐えポイント。左手カチはまずまずだが、右手カチが思っていたより圧倒的に悪く、絶対に耐えられる気がしない

ダメ元で足を切ってみる。やはり耐えられなかったが、意外とできそう?いずれにしても、ここはコツとかはなく恐らく気合いなので、とりあえず次へ。

振られに耐えたあと、左手でガバカチを取りにいくデッドもかなり強度がある。何度かやったら止まった。必死にヌンチャクを掛ける。ここのクリップは、繋げてくるとかなり辛そう。さらにその後の数手までは、十分落ちられる。

上部垂壁は、最初ライン取りに少し迷ったが、わかれば問題なさそうだ。

2便目から一応狙ってみる。すると、いきなり振られに耐えられた!足を切る前は、全然耐えられる気しないんだけど不思議。右手はかなり悪いけど、左手がうまく効いているのかな?

しかし、次の左手デッドでフォール。ここはバラシでやっても2回に1回くらいだが、繋げると振られに耐える瞬間にかなり右手を握り込むので、そのあと左手を出すタイミングでは、やや保持が弱くなっている。右足をハング下にスメアするとやや良い感じ。

そこから終了点まではノーテンで抜けられた。やはり核心を越えれば決められそう。

3便目。今回も振られは止まった。次の左手も止まったが、わずかに甘掛かりだった。持ち直そうとしたもののフォール。かなり惜しいトライだった。これ以上は探らずにそのまま降りる。

核心までは実質ボルダーくらいの長さなので、間隔を空けずにトライできそうに思えたが、特に右手が思いのほか張る。

1時間くらいの間隔で、4・5便目を出した。結局、2便目以降は振られでは一度も落ちなかったが、そのあとの左手デッドが止まらず。3便目が唯一止まりかけで、一番惜しいトライだった。最後はややヨレていた感じ。

YouTubeで634くんやモトハシさんの動画を見ると、それほど苦もなくこの左手デッドを止めている。右手カチがかなり持ててそう。

うーん、弱いなぁ。パチンコ歯が立たない訳だね。

一方で、足を切った時の振られに耐えるのは苦手意識があったので、繋げトライでは一度もそこで落ちなかったのは嬉しい。ジムでは不得意なルーフも、最近は自分なりに頑張ってやるようにしている。その成果が出たのかも。

ふりかえり

もともと2日間ずっとパチンコをやるつもりだった訳ではないが、1日目の1便目、それも核心にすら辿り着く前に指パックリ。

予定外の週末になってしまったものの、7cを2本RP。やはり高グレードに打ち込む運命ではないのだろうか…。

とはいえ、また貴重な7台が減ってしまった。いずれ嫌でも高グレードに向き合わなければならない時が来るだろう。

「指皮に優しいルートを」ということで、Vertere、Seven Stitchまではよかったのだが、気づいたら激カチのベルリンに打ち込んでいた。笑

もちろんテーピングはしていたが、核心の右手カチで破れてしまい、パチンコで裂けたところから再び出血。その上登れず悔しい結果だが、やはり技で誤魔化せないルートになると、保持力不足を実感する(と思ってるだけで、実は技なのかもしれないけど)。

週末の岩で指皮をやってしまうと、次の週末までにギリギリ治るかどうかといったところ。言うまでもなく、平日のトレーニングにはかなりの制限がかかる。あまりヌメらないことと引き換えに、乾き手の宿命といったところだろうか…。

パチンコのカミソリのようなカチホールドを考えると、むしろ前回2便出して大丈夫だったのが不思議なくらいだ。指皮のケアも、できる限りのことをやっていこう。

それにしても、この時期は日が短いな~。特にエレファント北面のルート下部は、15時くらいにはもう結構暗い。西向きのドラゴンロックも、陽が当たるのは12~14時くらいの間のみで、夕方はかなり寒かった。

スキーシーズンが近づいて来ているが、それまでもう少し頑張ろう。

おまけ

ヨッシーさん、モトハシさん、かいてぃーと協力して、休憩スペースにあった倒木を撤去しました。

そのままだと運べなかったけど、ヨッシーさんがノコギリ持ってて切ってくれた。感謝。

運搬中
ビフォー
アフター

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ABOUT ME
きい
きい
登ったり滑ったりする人
1988年生まれ、愛媛県出身
東京の北西部に住み、週末は専らさらに北や西に出かける
仕事は電機メーカーのエンジニア
クライミング:2021年からリード&外岩を始めて本格的に
スキー:2017年からバックカントリーにハマる
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