ベトナム・Huu Lungロックトリップ:後編(旅とクライミングの記録)

この記事は、2025年9月に行った、ベトナムはフー・ロンでのクライミングツアーについて書いたものです(長いので前編と後編に分けています)。
- 前編:参考情報
- 後編:旅とクライミングの記録(本記事)
エリア解説
今回は3日間で、それぞれ1エリアずつ回り、計3エリアで登った。
フー・ロン(Huu Lung)には多くのエリアがあり、そのごく一部ではあるが、アプローチなどについて解説しておきたい。
なお、「蚊の少なさ(星一つが一番多い)」については日にもよると思うが、我々が行った時の刺され具合でレーティング(もっと涼しい時期に行けば、そもそも問題ないと思うw)。
簡単なVlog作ったので、雰囲気だけ味わいたい方はこちらをどうぞ。
HEAD WALL

Huu Lungで一番最初に開拓されたエリア。2012年から2013年にかけてボルティングされた。
町の入口にあり、ハノイ方面から移動してくると、最初に目に入る壁だ。
アプローチ:
携帯電波 :
蚊の少なさ:
アプローチ
バイクはエリアの近くにあるホームステイ(Google Map)に止める。料金は25,000VND(約¥140)。帰る時、オーナーから徴収があった。


ここからイエンティンの町の方向に200mほど歩くと、竹のゲート(ここにもホームステイにバイクを止めるよう貼り紙あり)があるので、あとは踏み跡を辿って10分弱。最後は意外としっかり登る。

ルート
6台を中心に5台もあり、初中級者向けエリアといえる。それでも壁は高さがあり、登り応え十分。VietClimbのツアーが行われることもあるようだ。
コルネが発達しているが、傾斜は基本的に垂壁で、ホールドが大きく快適に登れる。ボルト間隔が近いフー・ロンの中でも、HEAD WALLはことさら近い。
オールボルトのマルチピッチのルートもある。
壁は東向きだが、10時頃から日陰になる。
WOOFSTUCK

バックに田園風景が広がる、フォトジェニックなエリア。
アプローチが楽で、居心地も良く、イチオシのエリアだ。
アプローチ:
携帯電波 :
蚊の少なさ:
アプローチ
バイクはエリアの近くにあるホームステイ(Google Map)に止める。最後は田んぼの中の轍を走るような感じになるので、バイクの運転はちょっと大変。
料金は50,000VND(約¥280)を帰りに徴収されたんだけど、ちょっと高くない!?ボラれた!?

奥に進んで行くと、すぐに巨大な壁が見える。トイレの建物を通り過ぎ、左に続く踏み跡を辿って行けばOK。徒歩1~2分の非常に楽なアプローチ。
岩場からホームステイのトイレを借りに戻っても、大した距離ではない(紙はなかったので要持参)。
ルート
7台の中盤から後半が多く、1本8台もある。Huu Lungの中では貴重な、中上級者向けのエリアと言える。
エリアの真ん中あたりを境に、左側の壁はスプーンカット状の大きな穴がボコボコと開いているのに対し、右側はスッキリした見た目をしている。
35mクラスのロングルートが多いが、壁は終了点の遥か上まで続いていて、見上げると圧巻。

傾斜があり、雨が降っても登れる。壁は北西面で、1日を通してほぼ陽が当たらない。
THE CAVE(INFINITY CAVE)

圧倒的な傾斜を誇る、洞窟状のエリア。
他のエリアに比べると、ややアプローチが大変だが、それでも来る価値は十分ある。
アプローチ:
携帯電波 :
蚊の少なさ:
アプローチ
WOOFSTUCK方面からのアプローチもあるようだが、ここでは我々が歩いたルートを紹介。
上の2つのエリアと違い、エリア入口にホームステイはない(料金は徴収されない)。このあたり(Google Map)にバイクを止めた。

来た道を50mほど戻り(北向きに進む)、田んぼの中の細道に入る。

正面に岩壁が見えてくる。THE CAVEはこの裏側にある。右から回り込むようなイメージ。

踏み跡を辿って行くと、途中で竹でできたスリリングな橋。これを渡る。

再び踏み跡を辿ると、それとすぐわかる洞窟が見える。背の低い木々の間を縫うように進んで洞窟へ。

ルート
ケイブのルーフにはあまりホールドがないようで、ケイブの奥の方からスタートするラインは引かれていない。
主に両端にルートが引かれているが、それでも十分傾斜が強くて長さもあり、持久力勝負のクライミングが楽しめる。コルネもよく発達していて、立体的な動きが要求される。
スペインのロデジャーに近いイメージ。

南向きだが、谷間に位置しているため、ほとんど陽は当たらない。また、雨でも登れるルートが多い。
岩質は悪くなさそうだが、まだ新しいエリアということで、脆いホールドには注意。
旅とクライミングの記録
Day1:出国
マイティとさやてぃーは早朝便で出発し、ハノイを半日観光予定だが、ゆきりんと僕は夕方出発の便で現地入り。
都内でゆきりんを拾って成田空港へ。たまにしか乗らないが、平日の首都高はなかなかの渋滞。
VietJet AirはLCCだが、ターミナルは3ではなく2だった。搭乗口は一番端っこだったが。笑

現地時間の20時頃、ハノイ・ノイバイ国際空港に到着。長ーい荷物待ちのあと、無事にマイティー・さやてぃーと合流。
少し多めだが、空港で3万円を両替。5,265,000VND(1円=175.5VND)だった。久しぶりに見るゼロの多さに、戸惑いを隠せない。笑
チャーターした車の運転手さんを探す間にも、タクシーの客引きが凄まじい。久しぶりの東南アジアの空気。懐かしい。
それにしても暑い。東京は朝晩だと涼しく感じる時期になったが、ハノイはまだ完全に夏だ。
ネームボードを持って待機してくれていた運転手さんを無事発見。クライミングツアーで荷物は多かったが、大きなSUVだったので十分乗れた。
すでに21時を回っているが、ハノイ近郊は交通量が多い。運転手さんのハンドルの持ち方は、もちろん日本の教習所で教わる10時10分ではなく、片手は常にクラクションの上。レースさながらのテール・トゥー・ノーズで、どんどん先行車を追い抜いていく。あぁ、この感じだったなぁ。
次第に街灯りが少なくなり、短い区間ながら未舗装路も通過しつつ、2時間ほどでHuu Lungに到着。
時刻は23時頃。ハノイと一緒で蒸し暑いが、上を見上げると満点の星空。空気も綺麗な気がする。

翌日からのクライミングに備え、シャワーを浴びて就寝。
Day2:HEAD WALL
7:00頃に起床。暑くて寝付けるかちょっと心配だったけど、ぐっすり眠れた。
7:30頃から朝食。この日は暖かい麺料理で、目玉焼きや野菜も入っていて、とても美味しかった。

昼食のお弁当を受け取り、初めてバイクに乗るハナダテ姉妹に運転講習をし、9時過ぎに宿を出発。
レンタルした4台のバイクは、すべてガソリン残量がほぼゼロ。Google Mapを頼りにガソリンスタンドを探すが、それらしき場所は見当たらない。
スピードメーターも動いてないので、実はガソリンは十分入っているにも関わらず、燃料計が壊れている可能性もある。もう無視して岩場に向かおうかとも思ったが、行った先でガス欠になり、この暑いなか押して帰ることになったら目も当てられない。
町の人に聞いたりして、やっと給油してくれる場所を発見(詳細は前編参照)。給油を終えると、ちゃんと燃料計の針が動いて肝を冷やした。笑

さて、これでようやく岩場に行ける。この日はDRAGON WALLとDRONE WALLで登る予定だ。両エリアは距離が近く、それぞれ西面・東面なので、午前・午後どちらも日陰で登る作戦。
Google Map通りにバイクを走らせ、目的地までもう少しというところで、どうも道路の様子がおかしい。岩場まで続くはずの道が、なんと水没している!

たまたまその場にいた人に話を聞いたところ、水が引くにはあと2週間くらいかかるらしい。雨季の終盤という認識はもちろんあったのだが、これはさすがに想定外だ。
仕方ないので予定を変更し、HEAD WALLへ向かうことに。
色々と想定外があり、時間がかかってしまったが、11時頃無事に岩場へ到着。
登ったルート
- ✅Free the Spirit(6b), mOS
-
気持ちの良いガバ続きでアップに良さそう。意外に完全レストできるところは少なく、中だるみのない良いルート。御前岩のハートブレイクを簡単にした感じ。
- ✅Hanoi Hilti(7a), mOS
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HEAD WALLの最難ルートにして、唯一の7台。オブザベの段階では、下部のポケットやスローパーが核心だと思ったが、見た目よりも掛かりがいい。
中間部でハイアンダーの処理から、細かくて向きの悪いカチホールドの核心。スタンスも悩ましい。ハイアンダー後にニーバーレストを発見したことで、なんとか突破。
上部は太コルネの両サイドを使って登るが、そのコルネに移る左トラバースが第二核心か。太コルネは概ねガバだが、繋げるとパンプとの闘い。ニーバー、ヒールフックなどのコルネ技術が要求される。
石灰岩の面白さ全部入りで、質の高い持久ルートだ。超オススメ。
かなりパンプしたが、中間部と上部でそれぞれニーバーレストを見つけたのが大きかった。会心のマスターオンサイト。
グレードは7aだと辛めで、Vertical Lifeの7a+がしっくりくる。
- ✅War and Peace(6c), mOS
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距離の遠いガバポケットを繋ぐ。使えるホールドやスタンスが限られていて、手順を間違えると、かなり難しくなる。
何度も行ったり戻ったりしながら、なんとかマスターオンサイト。上部はガバで快適。
- ✅Chasing the Dragon(6b), FL
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ルート名の由来は、登ればなんとなくわかる。大きなコルネを登る。
Free the Spiritに比べると、やや悪いところがあるが、その分レストがしやすい。
その他のルート
- Good Morning Vietnam(3 pitches)
-
フー・ロンのマルチで有名なのは、HEAD WALLの近くにあるChuc Suc Khoeのようだが、最高グレード7a+を含む5ピッチのルートで、なかなか大変そうだ。
Good Morning Vietnamは、6b+, 6b, 6bの3ピッチ。オールボルトで、比較的気軽にトライできる。
ハナダテ姉妹が登り、見事チームオンサイト。
Good Morning Vietnam(Pitch 2)
フー・ロンでのクライミング初日。易しめのグレードで楽しんだ。
晴れ予報ではあったけど、途中でスコールあり。岩に近づけば濡れないが、風があると壁に雨が当たることもあるかも。
それにしても、ずっと日陰ではあったが、この日はとにかく暑かった。僕は朝、岩場に行く途中で水を3L買っていたのでなんとか足りたが、他の3人は途中で買い足し。バイクを止めるホームステイのすぐ近くに、小さな商店あり。
あとは蚊もすごかった。さやてぃーと僕はあまり刺されなかったが、ハーフパンツだったゆきりんとマイティーは、特に足が赤い斑点だらけに…。
宿に戻って夕食。とても美味しくて、腹ペコでかなり食べたんだけど、それでも食べ切れない量だった。笑

この日は土曜日。VietClimbのジェンを含め、欧州出身・ハノイ在住の開拓チーム3人も泊まりに来ていた。
翌日、新しいエリアでボルトを打つ予定とのこと。発表が楽しみだ。
汗でビショビショになったハーネスなどを干してから就寝。
Day3:WOOFSTUCK
この日はWOOFSTUCKで登る。


出発しようとしたところ、ゆきりんのバイクのエンジンがかからない。仕方ないので、僕の後ろに乗ってもらい、3台で行くことに。
昨日も寄った売店で水を買う。お店のお姉さんが、僕のバイクのタイヤを指差し、何か言っている。空気が足りない、ということを伝えてくれているようだ。気づかなかったが、2人乗りすると、確かにタイヤがかなり潰れている。
すると、お店の奥から空気入れを持ってきて、空気を足してくれた。感謝。

WOOFSTUCKのホームステイが近くなり、田んぼの中を通る細い土の道になる。2人乗りだったので、少し大変だった。
ホームステイにバイクを止め、徒歩1~2分で岩場へ。ホームステイで飼っていると思われる犬が、岩場までついてきたが、すぐに飽きて帰って行った。笑

登ったルート
- ❌I have a dream(7c), 1go
-
下調べの段階で、このルートに対する評価が非常に高いことを知り、密かに目標にしていたルート。
壁を見上げると、スッキリとした見た目の薄く被った上部がカッコイイ。35mのロングルート。終了点は遥か上にある。迫力抜群。
3日とも違うエリアで登ることにしていたので、WOOFSTUCKに来れるのはこの日だけ。グレード的にはワンデイできるか微妙なところ。とりあえず1便出し、狙うかどうか考えることにした。
緩傾斜ガバのアプローチから始まり、垂壁、そして上部の薄被りフェイスへと続く。上部は掛かりは良いものの、細かいカチが中心。縦ホールドが多く、ムーヴ選択が悩ましい。そして、フットホールドがかなり悪い。スメアに近いような部分にもラバーが乗っている。
極端なガバがなく、しっかり休めそうなところは見当たらない。終了点まで残り数クリップ?というところで、一旦少し易しくなるが、終了点前にダメ押しの核心。全体的にリーチも必要な印象で、かなりのエンデュランス系。
決して苦手なタイプのルートではないが、初見ではなんとか抜けるので精一杯だった。わかればなるほどという部分もあるが、全体的にムーヴが難解で、ワーキングに時間がかかりそう。
予想通りの好ルートではあったが、これは1日だと勝算が低い。他にも良さそうなルートはあるので、1便目でヌンチャク回収。
- ✅The Aggressive Bum Gun Technique(7b), 2go
-
大きな穴がボコボコ開いた強傾斜を登る。スローパー中心のルートかと思いきや、細かいカチやポケットも出てくる。
大ガバ、ニーバー、ヘッドバーなどのレストポイントはたくさんあるが、強度のあるパートも多く、メリハリのある持久ルート。
一番の核心と思われる部分は、僕の場合、ガストンカチ3連発になった。3手目はかなりの距離出しが必要で、背の低い人はどう登るのだろうか。
上部レストの前で傾斜が落ちるが、繋げるとここも十分落ちられる。上部レストは普通に立ったままで完全に休めるが、寝っ転がりレストにトライしてみても面白いかもしれない。
上部レスト直後に細かいホールドの数手があるものの、一旦完全に腕が戻るので、まぁ問題ない。最後は緩傾斜ガバのウイニングラン。
1便目はテンテン。このルートも35mくらいあるので、ムーヴを覚えるのが大変だ。2撃できるかどうか微妙だったが、なんとかRP。集中した良いトライができた。
レスト力が問われるルート。多彩な内容で、こちらもオススメ。
7bだと辛めで、Vertical Lifeの7b+がしっくりくる。
その他のルート
- Alpine Chimney(6b+)
-
石灰岩では珍しいチムニー登り。このエリアでは貴重な低グレード。
Alpine Chimneyを登るさやてぃー
- Goosebumps(7a+)
-
WOOFSTUCKの人気ルート。下部は大きな穴がボコボコ開いた前傾壁、上部はスラブ。それぞれに核心があり、終了点前のスラブ核心はムーヴが解ればできるものの、オンサイトだと難しいらしい。
Goosebumps下部 Goosebumps上部
どのルートも長いので、1日で色々なルートを触り辛いのが悩ましいが、今日も充実のクライミングだった。
この日が特別だったのかもしれないが、なぜかWOOFSTUCKでは全く蚊に刺されず。雨が降る時間帯もあったが、壁の前の平らな広場は濡れることなく、とても快適だった(もちろん登ると滝汗だったが)。

帰ろうとすると、今度はマイティーのバイクのエンジンがかからない。困っていたら、WOOFSTUCKのホームステイオーナーらしき人が、「とりあえずウチのバイク乗って帰っていいよ!」と言い、なんと1台貸してくれた。

Day4:THE CAVE
あっという間にクライミング最終日。




この日も同じ商店で買い出し。お店のお姉さんは「あなた達また来たのねw」といった表情で迎えてくれた。笑
お店の前では、今日も地元の人達で井戸端会議が行われている。日本人はほとんど来ないためか、大人も子供も我々を珍しそうな目で見ていたが、みんな友好的だった。

明け方に雨が降ったので、アプローチは土がぬかるんでいて、ちょっと大変だった。スリリングな竹の橋を渡ったりしつつ、岩場に到着。
ここもフォトジェニックなエリアで、しばらくはクライミングそっちのけで撮影大会。


登ったルート
- ✅Allegory(7a), 2go
-
7aとは思えない傾斜と長さだが、絶妙に弱点を突いていて、ニーバー・ステミング・背ナミング・お座りレストなど、前半はとにかく休み放題。全身を使って巨大コルネの中を進んでいくアスレチッククライミング。
中間部を過ぎてもホールドはガバだが、次第に明確な休みどころがなくなり、腕が張ってきたところでハングからの乗っ越しが核心。
ここはガバもあるがブラインド気味だったり、すぐ目に入るホールドはやや細かく向きが悪かったりで、オンサイト難易度は高め。1便目はここでフォール。
2便目も結構パンプしたけど、無事RP。わかってしまえば7aだけど、難しめの7aだと思う。
立体的なクライミング ガバでもパンプ必至の強傾斜
- ✅Bumble(7b), 2go
-
下部はガバだが、岩が脆い部分があるので要注意。中間部やや下は、ライン取りやムーヴが悩ましいが、一旦ステミングで大レストできる。
そこから力の使うクリップをこなし、2本指ポケット、そしてカチの数手が核心。以降はホールドが大きくなるが、繋げるとハングの乗っ越しまでは十分落ちられる。
1便目はステミングレストの前でフォール。しっかりムーヴを作り、このツアーの最終便となる2便目でRP。2本指ポケット前でのニーバーを見つけたのが大きかった。余裕のあるトライで、綺麗に決められた。
その他のルート
- Second Confession(6b)
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ケイブの左端(奥から見ると右端)にある3本のうち、真ん中の1本。あまり傾斜もなく、アップに良さそうだが、本降りの雨になると上部は濡れてしまう。
ちなみに、この3本のうちの一番左のルート”The Mighty Jungle(6a)”はトラッドルート。
- Crumble(8a?)
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マイティがトライしていたルート。どっ被りのロングルートだが、下部から細かいホールドが出てきたかと思えば、距離のあるランジもあり、かなり難しそうだった。
この日も午前中はかなり雨が降ったけど、一部のルート上部を除いて濡れることもなく、快適にクライミングを楽しめた(もちろん滝汗&夕方は大量の蚊の襲来)。
クライミング中、近くで放牧をしているらしいおっちゃんが一人で現れ、ベトナム語で何か話しかけてくる。THE CAVEは特にお金は要らないはず。
「ついにニセ地主が現われたか?」と思ったけど、Google翻訳によると、ただ世間話をしたかっただけのようだ。笑
しばらく話すと、おっちゃんは満足そうに帰って行った。


宿に戻って最後の夕食。ちなみに我々の食べる量を考慮してか、この日は適量で全部食べ切れた。笑

ホームステイオーナーのマオと記念撮影。とても陽気な性格で、滞在中とても楽しく過ごすことができた。

翌日は早朝に空港へ向けて出発するため、先に精算を済ませて早めの就寝。
Day5:帰国
7:55ハノイ発→成田行きの便に乗るため、チャーターした車で3時に宿を出発。予定通り5時前に空港に到着。
荷物を預け、レストランでブンボーフエという麺料理を食べた。フォーが有名だけど、ベトナムの麺料理って色々あるみたい。ブンチャーというつけ麺も美味しそうだった。
機内の昼食用に、バインミーを買ってから保安検査場を通過。意外にも、中のカフェなども朝から営業していて、コーヒーを飲みながら搭乗時刻までのんびり。

予定より早く、15:30前に成田に到着。時差もわずか2時間なので、それほど疲れも感じず。
わずか5日振りの日本だが、帰国したら秋の空気を感じた。
ふりかえり
以前は毎年のように行っていたが、久しぶりの東南アジア。欧米も楽しいが、やはり自分には発展途上国の雰囲気が合っているのかもしれない。
フー・ロンはかなりの田舎で、クライミング以外には特に観光するところもないが、のんびりした空気が流れていて居心地が良かった。英語はほとんど通じないけど、地元の人は優しく親切で、色々と助けられた(Google翻訳は現時点で決して万能ではないが、困った時には便利)。
ホームステイ先のローカルファミリーもとても気さくで、レストランとはまた違ったベトナム料理も最高だった。
クライミングに関しては、正直あまり期待していなかったのだが、良い意味で裏切られた。壁は巨大で、思った以上に強傾斜もあり、持久系の好ルート多数。高グレードも徐々に開拓されている。何より、フー・ロンは見渡す限り岩だらけで、このエリアのポテンシャルは計り知れない。
しかし、ずっと日陰で登っていたものの、9月はさすがに暑かった!湿度が異常に高く、大量の蚊との闘いも過酷。それでも十分に楽しいロックトリップだった。
雨に強い岩場というのも、ツアーの行き先としては大きな安心材料。クライミングをした3日間とも雨が降る時間があったが、傾斜が強いエリアを選んだことで、ほとんど濡れずに済んだ。石灰岩にも関わらず、染み出しも非常に少ない。
今回行ったエリアは、フー・ロンの中のごく一部。本音を言えば、もっと長く滞在してみたいが、逆にたったの4泊5日(クライミングは3日間)でも行けてしまうのも魅力。沖縄や北海道の場合、行きと帰りの日も半日ずつ登ることは可能だが、やはり短期間で海外で登れるというのは大きい。
一方、ベトナム物価は長期滞在にも優しいだろう。スペインに1回行く費用で、下手したらフー・ロンは3回行けてしまう。ただし、スペインは5日では行けない訳で、GWなどの長期休みは、せっかくなら遠くに行きたいという気持ちもある。なんとも悩ましい。
ちなみに、ベトナムのクライミングといえば、もともとカットバ島が有名なようだ。今回買ったトポを見ると、ベイエリアにはディープウォーターソロのルートも数多く引かれている。こちらは暑い時期にも良いかもしれない。
色々な国や岩場で登れば登るほど、選択肢は増えていき、リピートもしたいけど新しいところにも行ってみたくなる。こうして次の行き先を考える時間もまた楽しい。