クライミング日記

【中里の岩場】はじめての天狗岩南壁(カチの特訓)

takusuku

クライミング日:2024年6月16日(日)

アプローチなど

今回のクライミング

メンバーはモトハシさん、かいてぃー、僕の3人。

前日の夜から朝にかけて雨の予報もある一方で、日中は晴れて暑くなりそうだったので、「近場で涼しいところ」という割とムリめな条件に合致する中里の岩場・天狗岩へ。

中里の岩場は、先月末に木古里岩へ行ったのが初めてで、今回が2回目。

僕のお目当ては、マイナーな岩場にありながら割とよく耳にする「カチの特訓(5.13a)」。お買い得な5.13とのこと。ワンデーを狙っていきたい。

天気とコンディション

前日土曜は瑞牆・おいぼれランドで、計9便の乱れ打ち。朝起きた時から体が重い。

さらに、深夜から雨が降り出したようで、自宅周りの道路には水たまりが出来ている。

日の出町にあるモトハシさんちに集合したタイミングでも、割としっかり雨が降っている。どうするか迷ったけど、雨はもうじき止んで晴れてくる予報なので、ダメ元でとりあえず行ってみることに。

秩父あたりで雨は止んだ。小鹿野町に入ってもまだ道路は濡れているが、都内より降った量は少なかったようだ。

岩場も地面は濡れているものの、なんと岩自体は乾いている。一部コルネは染み出し(これは恐らく前夜からの雨は関係なさそう)ているが、どのルートもほぼ問題なく登れる状態。諦めずに来て正解だった。

日中は快晴だったが、風もあって割と涼しかった。

車でのアクセス

天狗岩南壁は、木古里岩とは車を止めるところも全く異なる。299からダートに入り、5分くらい?登っていくと駐車スペース。

ダートは瑞牆のカサメリに比べると凸凹は小さい。特別車高が高い車じゃなくても入れると思う。

ただし、割と大きな石がゴロゴロしているので、パンクには注意。尖った石灰岩の切れ味は抜群だ(二子への林道で実際に一度パンク経験あり)。

アプローチ

駐車スペースからそれほど標高差もなく、トラバース気味に歩くこと10分弱で天狗岩南壁。素晴らしいアプローチ。

今回は登らなかったけど、「理事長岩」は車下りてすぐ目の前。

エリア解説

岩場の前が広くて平らなコルになっており、荷物を置く場所や寝っ転がる場所の心配は皆無。これまで行った岩場の中でも、快適度はトップクラス

南向きの岩場だけど、背の高い木がかなり密に生えているので、日陰が多い。谷からコルに向かってが吹き上げる日が多いらしく、この日も都内が30℃を超えていたことを考えると、結構涼しかった。

ルート数が6本のみと少ないのが惜しい。

A.L.S, All of the Lime Stone(5.11c)

ルート解説

「石灰岩のすべて」という意味のルート。確かに、一本のルートの中に様々なホールドやムーヴがある。長さも十分。

ノーハンドに近いレストポイントがあるので、持久力的にはそこまで厳しくないと思う。極端にハードなムーヴもなく、割と登りやすい5.11cかもしれない。

ただし、1P目の位置が高く、さらにそこから2P目までもかなりランナウトしているので、グランドフォールには注意。

成果と進捗

3人でアップとして取り付く。まずモトハシさんがmOS。続いて、以前OS済みというかいてぃーがreRP。

2人のトライをしっかり見た後だったけど、余力十分で無難にフラッシュ。最近は5.11台で落ちることが減ってきて嬉しい。

カチの特訓(5.13a)

ルート解説

ちょっと狭い岩棚の上からスタート。ビレイヤーは長めのスリングでハンギングビレイにした方が、特にルート後半でクライマーの動きが見やすく、ビレイしやすいかもしれない。

序盤は細かいホールドのフェイス。ノーハンドレストを挟み、ガバコルネのトラバース。

トラバースの終点は、空中に飛び出たようなコルネに抱きつく。フットホールドが外傾していて怖い。ここまでで5.11前半くらい。

抱きつきコルネから、バランシーなハイアンダーをマッチして核心へ。ここはリーチ差が出そうなアンダーからの距離出しでの縦ピンチ止め。逆に背の高い人は、この一手を止めてからのムーヴが窮屈で難しいと思う。ガストンデッドでガバを止め、クリップしてから少しレスト。

そこから強度は下がるものの、レスト後の4~5手は繋げると落ちられる。最後はややランナウトするけど、ガバ緩傾斜のビクトリーロード。

難しさはアンダーからガストンデッドまでの短いパートに集中しているので、前半部はほぼノーダメージで抜けたい。ガストンデッド後に多少なりとも休めるかどうかも重要。

「カチの特訓」というルート名だが、A.L.S同様に色々なホールディングやムーヴが求められる好ルート。実際にトライしてみて、確かに体感グレードは5.12後半くらいだけど、登る価値あり

成果と進捗

1便目
トップアウトできず

まずはかいてぃーがマスターで先にトライ。しかし、核心部を抜けられず、僕にバトンタッチ。抱きつきコルネまでは繋がる。ハイアンダーマッチのムーヴをバラして核心部へ。アンダーからの縦ピンチ止めは問題なし。しかし、ガストンデッドまでのムーヴが出来そうで出来ずに一旦下りる。

2便目
トップアウト

かいてぃーが先に核心を抜ける。僕も今度はハイアンダーマッチまで下から繋がり、核心ムーヴもバラシ完了。まだ繋がる感じはしないけど。

3便目
あわよくば便→抱きつきコルネでスリップ落ち

かいてぃーが下から繋げて、核心の縦ピンチを止めるも、惜しくもガストンデッド落ち。かなりRPが近づいてきた。一方の僕は、一応RPを狙うも、まさかの抱きつきコルネでスリップ。2便目より高度が下がってしまった。その後のムーヴをしっかり確認し、次の便に懸ける。

4便目
縦ピンチ止めもRPならず

かいてぃーは3便目で止めた縦ピンチが止まらず。お互い、前日瑞牆での計10便近い乱れ打ちのダメージがあることは否めない。僕も明らかな疲れを感じながらも、前半をノーミスでこなし、アンダーからの縦ピンチを止める。しかし、ガストンデッドのムーヴを起こせず、虚しくフォール。前腕も体幹もヨレきってしまった。

前日瑞牆のハナタレフガフガ(5.12a)に続き、決めきれない週末だった。

次来たら、余程のことがない限り登れると思う。それだけに今日決めたかったなぁ。

ムササビ

2便目で初めて核心を抜けたかいてぃーが、「やれやれ、これでようやく終了点に…んんんんんんんん!?」。なんと終了点の30cm下に、ムササビの顔が見えるらしい。

下からは見えない位置なので、1便目には気が付かなかった。

最終クリップから終了点までは、まず落ちない難易度だけど、それだけにランナウトしている。以前、御前岩で巣と知らずに手を突っ込んだ知り合いが、ムササビに手を噛まれたことを思い出した。

かいてぃー、仕方なく一旦下りる。そっとしておいてあげたいが、ヌンチャクを回収しなければならない。自然にその場を離れてくれることを願い、僕もとりあえず最終クリップまで行ってみる。

「頭でかっ!」。ムササビってこんなに大きいの!?

体は見えていないんだけど、頭はネコと同じくらいある。正直、デカ過ぎてあんまりかわいくないな…。

かいてぃーの時はじっとこちらを見て、ガンを飛ばしまくっていたらしいけど、僕には見向きもせず完全無視。置き物のように遠くを見て黄昏ている。あるいは終了点を守るガーディアンのようだ。

本当に終了点直下にいて、恐らくクリップしようとすると、ボクサーの記者会見での睨み合いくらい顔が近づきそうだ。仕方なく、僕も下りる。

このままでは埒が明かないので、3便目でかいてぃーが意を決して終了点へ。しかし願いに反して、近づいても離れてくれるどこか、頭を引っ込めてしまった。

無理にクリップしようとして噛みつかれたり、あるいは急に飛び立っての手繰り落ちが頭を過ぎる。被っていた帽子で周囲を叩いて威嚇すると、ようやく近くの木に飛び移った。

「でかっ!」。羽を広げると座布団くらいある。

終了点にクリップし、ムササビがいたところを見ると大きな穴になっていて、藁が敷き詰められている。ここがだったのか。なんだか悪い事をしてしまった。

結局我々が帰るまで、ムササビは飛び移った木でじっとしていた。あの後、また巣に戻ったのだろうか。一応JFAに報告しておいた。

前日瑞牆でのハンガー外れ(以下の記事参照)に続き、まさかの2日連続の報告案件

あわせて読みたい
【瑞牆】はじめてのおいぼれランド(野良猫岩)
【瑞牆】はじめてのおいぼれランド(野良猫岩)

おまけ

決めきれない代わりに、色々盛りだくさんの週末はまだ続く。

帰りに夕飯を食べに入った秩父のお店でGが出現。僕は大の苦手。お店の人は謝りつつも、あまりの焦り方に若干引いていた。大の大人が大騒ぎで、逆に申し訳なかった。笑

その後、299から河又に抜ける道で帰ったけど、鹿を5回くらい見かけた。相変わらずここはナイトサファリ状態

さらに日の出町ではウリボーを連れた大きなイノシシが車の目の前を横断。

気温が上がってきて、動物が活発になる時期なのかもね。

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

ABOUT ME
きい
きい
登ったり滑ったりする人
1988年生まれ、愛媛県出身
東京の北西部に住み、週末は専らさらに北や西に出かける
仕事は電機メーカーのエンジニア
クライミング:2021年からリード&外岩を始めて本格的に
スキー:2017年からバックカントリーにハマる
記事URLをコピーしました