クライミング日記

【瑞牆・小川山・甲府幕岩】2024年お盆休みのクライミング合宿

きい

クライミング日:2024年8月13日(火)~18日(日)

今回のクライミング

今年の2月に沖縄・辺戸岬、GWにスペイン・ロデジャー&シウラナへ遠征した。

「これを機に、近場だけではなく色々な岩場に行きたいな」と思っていたのだが、気づいたら貴重な夏休み目前になっていた。ボーっと生きてちゃダメだね。

まぁ夏はクライミングのベストシーズンからは外れるし、それなりに涼しい岩場というと、やはりいつもの瑞牆・小川山くらいしか思いつかない。視野を広げれば南半球は冬だし、国内でも北海道という選択肢はあったのかもしれないけど。

僕の今年の夏休みは、8/9(金)~8/18(日)の10日間。8/9~8/12の4日間は愛媛の実家に帰省し、残りの6日間をクライミングに充てることに。

須玉にあるアパートメントタイプの宿を5泊6日で予約。雨で登れない日は宿でレストするつもりで、天気を見つつ、瑞牆か小川山で登る計画。

Day 1:瑞牆・コロッセオ

山の日の3連休明けではあるが、世間はお盆期間。高速の渋滞を考慮し、5:30に高尾でかいてぃーと乗り合わせ。

乗り合わせ時の駐車

どちらか一方の自宅で待ち合わせるなら問題ないが、パートナーの家との中間地点あたりで乗り合わせる場合、2台のうち1台の車をどこに止めるかという問題がある。そんな時、最近僕は「akippa」という駐車場予約サービスを利用している。近くのコインパーキングより安いことも多く、当日満車の心配もない。

思いの外、中央道は空いていて、スムーズに瑞牆へ到着。この日も含め、しばらく天気が不安定な予報が出ていたこともあり、駐車場は空いていた。

先日、混雑していてパスしたオランジュ岩のギャラクシアン(5.12a)をやろうと思ったけど、この日も先客あり。予定を変更し、コロッセオに行くことに。

Q
✅トレビの泉(5.10a), reRP

まずはアップ。相変わらず高度感抜群で気持ちの良いルート。2シーズン前に花崗岩デビューした際、このルートのトラバース部分は全然足が使えなかったけど、今はそれなりに細かいスタンスも拾える。成長を実感。

Q
✅ムーラン・ド・ラ・ギャレット(5.12c), 7go(計3d10go)

10日ほど前に2日間で3便出したものの、一手だけ解決できなかったルート(以下の記事参照)。しばらく寝かせることも考えていたけど、もう一度トライすることに。

あわせて読みたい
【瑞牆】真夏の日差しとスコール(コロッセオ/三ツ星エリア)
【瑞牆】真夏の日差しとスコール(コロッセオ/三ツ星エリア)

問題の未解決部分は、右手でガバカチ、左手で縦カチを持ち、右手で遠いポケットを取りにいくムーヴ。核心部の序盤だ。

右足をハイステップ気味に乗せ、正対デッドムーヴが多数派のようだが、どうしても自分にはしっくりこない。

しかし、かいてぃーのアイデアで右足をキョンにしてみたところ、この日の2便目(計5便目)でようやくポケットが止まった!

3便目で早速下から繋げてポケットを止める!しかし、その後のムーヴでややもたついてしまい、核心部最後の1手でフォール。核心部の約8手がほぼ全てのルートだが、やはり繋げる難しさもある。

突然の雨による一時中断(幸いムーランで使うホールドはほぼ濡れず)を挟んで4便目。しかし、ポケットが止まらない。指が1本半くらいしか入らない遠いホールドをデッドで取りに行くので、どうしても確率ムーヴになる。

5便目と6便目もポケット取り落ち。思ったよりも確率は低そうだ。

時間的に最終便となる7便目。ムーヴ自体はそれほど探る必要がなかったので、疲れはあまりない。

甘掛かりだったがポケットを止める!なんとかポケットを持ち直し、その後は決めておいたシーケンスを着実にこなせた。計3日10便目でRP

次の日の降水確率が高かったこともあり、初日から日暮れまでしっかり登った。激カチルートでいきなり指皮はボロボロになったが、宿題だった5.12cが登れて好発進

Day 2:甲府幕岩・第1, 2幕

この日は昨日にも増して予報が悪い。ダメ元ではあるが、少しでも登れる確率が高そうな甲府幕岩へ行くことに。

甲府幕岩は、昨年2023年の秋に行って以来2回目。その時は、トカゲ北上中(5.11b/c)というルートに大苦戦。ベストシーズンの好天で大混雑だったこともあり、この岩場にはあまり良いイメージがなかったが、今回は少なくとも混雑の心配はないだろう。

最近開拓された新エリア(5~10幕?)も考えたけど、雨撤退しやすいように、手前の既存エリアで遊ぶことに。

前日に続き、雨が降ったり止んだりの天気だったけど、幸運にも夕方まで登れた。あまり傾斜がないルートが多いけど、雨には強いようだ。不思議。

我々の他に数パーティのみで、前回と違って混雑もなく快適だった。

Q
✅HIVE(5.10a), mOS

まずは第2幕(メルヘンランド)へ。いつもはアップ渋滞が発生するというルート。長さがあって充実。クセもなくて登りやすい。下部のアプローチ(というルート名?)5.7の終了点でヌンチャクを伸ばさないと、かなりロープドラッグがある。

Q
✅アフリカ象が好き, 2go

なんとなくよく聞くこのルートにトライ。

右カンテ沿いのバランシーなルート。フェイス面とカンテの奥にあるホールドを、両方使いながら登っていく。手のホールドは結構悪く、フットワークが重要。いくつかレストポイントはあるが、最初から最後まで気が抜けない(一般的には3P目付近が核心?)。

1便目はトップアウトするのに45分くらいかかった。普通に考えると2撃は厳しいが、途中でそれなりに休めそう。前回初めて甲府幕に来た際、トカゲ北上中の1便目も散々だったが、なぜか2便目で登れた。甲府幕マジックに期待したいところだ。

思っていた以上に早くから雨が降り出し、一時中断となったが、止んだタイミングで2便目。中間部までは、やや迷いながらも何とか進む。上部でカンテ奥を押さえ続ける右手だけパンプしてしまったが、気合いで突破。またしても、グダグダの1便目からは想像がつかない2撃。

Q
✅ジューンブライド(5.11c), mOS

せっかく空いているので、ハイシーズンには混んでいそうなルートをチョイス。

下部はHIVE(5.10a)と共通。上部でHIVEと分かれてからも、まだしばらくガバガバ。かなり長さがあるけど、実質3Pくらいのルート。ただし、この間はストレニュアスで、結構パンプする。

薄被り?のフェイスで、ホールドは確かカチが中心。それほど悪いムーヴはなく、掛かりの良いホールドを引いていく感じだったと思う(オンサイトしたルートというのは、あまりよく覚えていないw)。

とにかく得意系だった。やや余力を残してマスターオンサイト。

Q
✅初夏(5.11d), 2go

次も3つ星ルート。

初夏も半分くらいまでは簡単なアプローチだが、実質的な長さはジューンブライドよりはありそう。

フェイス面のカチ(ややオープン気味で持つホールドもあり)と右カンテを使って登っていく。アフリカ象よりもフットホールドは明確だけど、やや傾斜があるのか、パワフルな印象があるルート。

上部に行くにしたがい、フェイス面のホールドが悪くなっていき、終了点直下が難しい。ジューンブライドと同じくストレニ系で、かなり腕が張る。あと初見だと、終了点のクリップ体勢が分かりづらい(マントルを返す想定?)。

1便目はかいてぃーのムーヴを見てフラッシュを狙ったが、それほど惜しくなくフォール。2便目で無難にRP。

Q
✅ダーティクライマーズ(5.11b), FL

第1幕(豊饒の森)へ移動し、かいてぃーの宿題ルートを一緒にトライ。

またまた前半はアプローチ。後半はホールドは基本的にガバだが、かなりのオーバーハング

ジューンブライドと初夏は薄被りといった感じで、ホールドは割と小さい。傾斜感は違うけど、ダーティクライマーズもストレニ系という意味では似ている。前年に1回触っただけなのでうろ覚えだが、スパイラルリーフ(5.11b)と同じようなタイプかな。

かいてぃーの登りを見てからトライ。特に問題なくフラッシュ。ホールドがわかれば登りやすいと思う(強傾斜が苦手じゃなければ)。

朝から降ったり止んだりを繰り返していたが、16時頃から本降りとなり、この日はやや早上がり。

前年1回目の甲府幕岩は、苦手なややスラビーなルートをチョイスしてしまったこともあり、嫌なイメージが残っていた。しかし、今回でかなりイメージは変わった

色々なタイプのルートがあり、自分の得意系もそれなりにありそうだ。次はもう少し高グレードにもトライしてみたい。新エリアも気になるけど、まずはスモーキーマウンテン(5.12c)とかア・ラ・ポテト(5.13a)、やってみたいなぁ。

あと花崗岩に比べると、凝灰岩は指皮に優しいね。花崗岩での連登で指皮がキツくなったら、甲府幕という選択肢もありかもしれない。

Day 3:瑞牆・コロッセオ/コセロック

昨日までの2日間に比べると、やや予報はマシだが、この日も雨が降る可能性がありそう。小川山と迷ったけど、降水確率が比較的低い瑞牆へ。

7:40頃の不動沢駐車場

7:40頃に不動沢駐車場に到着。我々の他に車は1台のみ。さすがにこの日はもう少し多いかと思ったけど、あまりにも空いている。

夜遅くまで雨が降ったのか、アプローチの地面はビショビショ。コセロックの各ルートも、しっかりと濡れている。

本当はブラッドライン(5.12d)をやりたかったんだけど、乾きが悪いエリアなので、見に行くまでもなく厳しいだろう。

予定を変更し、Day 1と同じく雨に強いコロッセオへ。

Q
✅キング・オブ・モンキー(5.11d), 2go(計3d6go)

2週間ほど前に2日で4便出したものの、宿題になっていたルート(以下の記事参照)。ムーヴは一通り出来ていたので、RPを狙う。

あわせて読みたい
【瑞牆】真夏の日差しとスコール(コロッセオ/三ツ星エリア)
【瑞牆】真夏の日差しとスコール(コロッセオ/三ツ星エリア)

まずはアップ兼ヌン掛け便。まさかの朝から小雨が降り出すが、登りには影響なさそうだ。

上部のムーヴも再確認。先日作ったムーヴだと、6~7P間はカンテを使って右回りするんだけど、かいてぃーはここを綺麗に直登している。

出来ることなら僕も直登したい。教えてもらったムーヴを何度か試すが、出来そうで出来ない。ちょっと迷ったけど、RPトライでは右回りすることに。

2便目。核心のランジをなんとか止める!

休めるところでしっかり休む。6-7P間は右回り、その後も無難にこなして終了点にクリップ。

計3日6便でRP、5.11台としては大苦戦だ。これまでトライしたカサメリの5.11台で、一番難しかった。でも内容はかなり良いルート。リーチ差は出そうだけど。

Q
✅ジョン(5.11d), 4go

コロッセオの最奥にあるルートに初トライ。

アプローチメモ

「十手持ち」横の踏み跡を辿って行き、3分くらいの距離。一旦ちょっと下り、また登り始めたらすぐ左に行くと、FIXロープが見つかる。ここから右に続く踏み跡は恐らく間違いで、行き止まりのようだ。オランジュ岩が見えたら行き過ぎなので引き返そう。

取り付き・ビレイポイントは広くはないが、平らで快適。

瑞牆本には、「カサメリ最難のイレブン」と書かれている。ということは、キング・オブ・モンキーより難しいの!?ビビリながら取り付く。

中間部のレストを挟み、下部と上部でかなり内容が異なるルート。

下部は掛かりの良いカチフェイスと左ガバカンテ。バランシーなムーヴが要求される。

上部はスローピーな右カンテ。どちらかというと、核心はこちらだろうか。パワフルなパートで、かなりパンプする。

気になるグレード感だが、確かに5.11dとしては難し目。だが、キング・オブ・モンキーよりは簡単だと思う。ムーヴも色々と選べて、リーチ差もジョンの方が出にくそう。

あまりトライしたという話は聞かないけど、面白かった。またしてもスコールによる中断を挟みつつ、4便目でRP。

Q
✅漁師の娘(5.11c), 2go(計2d3go)

ジョンをRPし、次のルートを探すため移動。コセロックまで戻ると、先ほどのスコールで朝より濡れている

そんな中、なぜか漁師の娘だけは乾いている。上に雨を遮ってくれそうな木もないんだけどな。不思議。ここだけ岩の色が白いけど、何か関係しているのだろうか。

漁師の娘は、2シーズン前の花崗岩デビューの年、1度だけトライしたことがある。その時はトップアウト出来なかった。

白く輝く壁がかっこいい人気ルート

難しさは短い核心部に集中している。他のパートは難しくないものの、その分核心は5.11cとしてはなかなかハード。

細かいカチと、いかにも滑りそうな(実際によく滑る)フットホールドの組み合わせで、ムーヴの組み立てが難しい。

1便目はすぐに解決できず、またしても敗退が頭を過ぎる。

かいてぃーにムーヴを教えてもらい、なんとか核心を突破。ガバアンダーを取れば実質終わりだが、腰クリップになることもあってめっちゃ怖い

2便目で無難にRP。2年越しの宿題が登れてホッとした。

初日、2日目に比べると予報はやや良かったが、結局今日も雨が降った。コロッセオは雨に強くて助かる。

キング・オブ・モンキーとジョンは一筋縄ではいかないルートで、5.12が2本登れたような充実感だ。

翌日が台風接近のため、暗くなるまで登った。安定の最終退勤

これにてツアー前半が終了。最悪3日間とも登れなくなってしまいそうな予報だったけど、毎日スコールによる中断はあったものの、ほぼ丸3日登れてしっかり疲れた

Day 4:台風によりレスト

台風7号の接近により、新幹線は運休、ディズニーランドも早めに休園するらしい。数日前の予報だと、山梨もクライミングどころではない大荒れだったが、台風は思っていたよりかなり東へ。

一応朝は7時半くらいに起き、とりあえず朝食を取っていると、間もなく雨が降り出した。大雨というほどではなく、当日の予報では直に止みそうだったが、疲れもあったのでレストすることにした。

レスト日の過ごし方

Youtubeでクライミングの動画を見たり、自分の完登動画を編集し、Youtubeにアップしたり。このブログも途中までは、このレスト日に書いた。

アパートメントタイプの宿は部屋で洗濯したり、調理もできる。「雨の日は観光なんていいから、部屋でのんびりしたい」というクライマーには相性が良い。

グルメ情報

お昼はラーメンでも食べに行こうかということで、新規開拓。清里ライン沿いにある、「ラーメンかざみどり」へ。廻り目平から野辺山を抜け、須玉ICへ向かう途中にあるからいつも通ってはいるはずなんだけど、調べてみて初めて知った。

ここの黒ニンニクらーめん(味噌)が絶品。麺もスープもかなり好みで、濃厚な味わい。チャーシューもトロトロ。

この翌日と翌々日(土・日)は岩場からの帰りにチェックしてたんだけど、どちらも閉まっていた。夜はやってないのかな?ぜひまた行きたいな~。

結果的にそれほど台風の影響はなく、雨は局所的&短時間だったようだ。場所を選べば登れた可能性はあるけど、疲れを考えるとちょうど良いレストになった。

Day 5:小川山・屋根岩5峰

1日しっかり休んだので体が軽い。気温が上がり、午後から少し大気の状態が不安定そうだが、基本的には台風一過の日。ようやく雨の心配なく登れそうだ。

ツアー前半3日間は、ずっと川上村の予報が悪くて瑞牆&甲府幕だったので、この日は小川山に行くことに。

昨日それなりに雨が降っていると思うので、乾きが早そうな屋根岩方面へ。

アプローチを開始するが、地面は思った以上に濡れている。森の中の岩はすべてビショビショだ。朝方まで降っていたのだろうか?

とりあえず、この日のお目当て、屋根岩4峰「露出狂時代(5.12b)」に向かう。ぱお(5.12a)の隣にあるのだが、僕がぱおをトライした際(以下の記事参照)にモトハシさんやかいてぃーがやっていて、面白そうだったのだ。

あわせて読みたい
【小川山】屋根岩4峰とその周辺
【小川山】屋根岩4峰とその周辺

しかし、到着して一目見てムリと分かる濡れ具合。ぱおは乾いていたが、露出狂時代は水の通り道になってしまうようだ。

やはりかなり降ったようだ。今日登れるエリアは限られているだろう。灼熱は覚悟だが、こんな時でも安心の屋根岩5峰・ガメラ岩へ向かう。

ガメラ岩は、2シーズン前の真夏に初めて来たんだけど、暑さに強い僕でも熱中症になるかと思った。

前回は、スペインツアーから帰国直後の5月12日(日)。曇天爆風で極寒の中、空中決戦(5.12a)と小川山庭園(5.11d)を登った。今回は3回目だ。

Q
✅ギャオス(5.10b), reRP

まずは定番のアップルート。相変わらず1P掛けるまで怖い。そして相変わらず簡単じゃない。

Q
❌こんにちはおっぱい(5.12b), 2go

このエリアのルートは基本的に南向きで、夏に来る人はあまりいないけど、このルートは例外。西面にあるため、午前中は陽が当たらず、さらに風が吹き上げて涼しい。

内容は、空中決戦の難しい版といった感じだろうか。

出だし核心で、その後も難しさが続く。カチよりもポケット中心で、なぜ立っていられるのか不思議なフットホールドを踏んでいくジワジワ系

僕は空中決戦でも苦戦しており、苦手なタイプのルート。2便出し、全く可能性を感じない訳ではなかったが、すぐに登れる気はしない。

半分エイドで抜け、例のおっぱいを拝見し、ヌンチャク回収。

Q
✅JACK参上(5.12a), 3go(計2d4go)

本当は近くのパンキンプンクン(5.12a)をやりたかったんだけど、見に行ってみると残念ながらまだ濡れている。

仕方なく、先日触った際には登れる気がしなかった(以下の記事参照)JACK参上をやることに。

あわせて読みたい
【小川山】屋根岩4峰とその周辺
【小川山】屋根岩4峰とその周辺

下部のフェイスから右カンテに移る部分が核心。上部は尾根登りといった感じのユニークなルート。

カンテを挟み、どちら側の面を登るのが正解なのだろうか。ボルトラインから離れ過ぎないラインで弱点を探し、2便出してムーヴは作った。

3便目でRP。ライン取り、ムーヴは色々選べそうなルートではあるんだけど、初登者の意図はどうなんだろう?なんだか釈然としないRPだった。

Q
❌パンキンプンクン(5.12a), 3go(計2d6go)

時刻は16時ごろ。天気は安定している。諦め切れずに再度このルートを見に行くと、まだ完全に乾いてはいないが、トライは出来そうだ。

パンキンプンクンは、2シーズン前にトライしたことがある。その時は完登できなかったんだけど、とても好みのルートで、またやってみたいと思っていた。

しっかり前傾していて、それほど長さはないものの、休みどころのないザ・ストレニ系

基本的にホールドはガバカチで、特別厳しい一手はないが、一定強度が続く前腕ドパンプルート。バラせば落ちないが、ヨレるとどこでも落ちられる。コンペで出てきたら、綺麗にリザルトがバラけそうだ。

ホールドの多くが縦向きやアンダーで、バランスを取りつつ、気持ちの良いリズムでデッドポイントが連続する

あまり花崗岩らしいルートではないので、好みは分かれそうだけど、個人的にはこんなルートがあと100本くらい欲しい

日没が迫る中、2便使って大急ぎでムーヴを作り、RPを狙って20分レストで3便目。

一手一手、剥がされそうになりながら高度を上げていくが、もう激ヨレ。終盤でホールドを握った指が勝手に開いてフォール

RPはできなかったけど、大充実のクライミング!やっぱりリードクライミングはヨレて落ちたいのです。

朝はほとんどのルートがビショ濡れで、どうなることかと思ったけど、日中は初めて雨の心配がなくたっぷり遊べた。ヘッデン下山で、廻り目平には日帰り料金(¥500)→幕営料金(¥900)へと変わる19時直前に到着。やり切った。

成果としては今一つだったけど、「自分はどういうクライミングがやりたいのか」を、改めて思い出させてくれた1日だった。

Day 6:小川山・屋根岩1峰/ストリームサイド

いよいよ最終日だというのに、またしても午後から雨予報。もうここまで来たら、予報は気にしない。

この日はモトハシさんと現地合流し、小川山で登ることに。皆さん午前中だけでも登ろうと、廻り目平は知り合い多数。ここは知り合いを見つける度に話していると、出発できなくなっちゃうね。笑

モトハシさんがまだ屋根岩1峰に行ったことがないということで、1峰に向かう。

僕は6月末と7月頭に2週続けて来ており、カントリーロード(5.12a)とムーランルージュ(5.12a)をそれぞれ登った。

あわせて読みたい
【小川山】ビショ濡れのカントリーロード(屋根岩1峰)
【小川山】ビショ濡れのカントリーロード(屋根岩1峰)
あわせて読みたい
【小川山】ムーランジュール(屋根岩1峰)
【小川山】ムーランジュール(屋根岩1峰)
Q
✅アンデラクロス(5.12a), 4go

このエリアにある3本の5.12aのうち、残りの1本を狙う。実はムーランルージュを登った7月6日に、アンデラクロスも登るつもりだったのだが、残念ながら雨撤退していた。

瑞牆本にも書かれている通り、背が低い人は1本目のボルト横にあるカチに地面から届かず、かなり大変だと思われる。前回トライはしなかったものの、僕は問題なく届くことだけ確認していたのだが、なぜかスタート地点に立つとかなり遠く見える

実際に手を伸ばしてみると、10cm以上もカチに届かない。・・・・・・なんで!?

青丸が難なく届いていたはずのカチ

よく見ると、スタート地点(赤点線)にあったと思われる大きな岩が、下に転がっている(赤丸)ではないか。経緯はわからないが、ここ1ヵ月半ほどの間に崩れ落ちたらしい。

何という事だろうか…。とりあえず、スタート地点から届くミリカチを持って離陸を試みるが、全く出来る気がしない。手だけでなく、足もかなり悪いのだ。

もともと青丸のカチに届かなかった人も、下地が下がったため、難易度は上がっていると思う。強い人はなんとかなるのだろうか?

僕は大いに迷った。

  1. 諦める
  2. 石を積む

迷った結果、②を選択。元の状態だと届いていた訳だから、原状復帰だと自分に言い聞かせる。

早速周りから、なるべく平たい石を集め、工事開始。かなりグラグラだが、なんとかカチに届くようになった。なんだか有笠山の感謝の心(5.12a)を思い出す光景だ。

カチに左手が届いても、スタートは簡単ではない。右カンテはスローピーで、スタンスが乏しい。

その後もスローピーな右カンテが続くが、左手はガバクラックとなる。ここも相変わらずフットホールドが悪く、ムーヴを組み立てるのが楽しい。

最後はシンプルな下引きのデッドポイント。短しい系パワールートだ。

話を初手に戻すが、僕はクライミングの実力は大したことないものの、リーチでは負けたことがない。恐らく、99.99%の人は届かない状態だと思う。一応JFAには報告済み。

ストリームサイドエリア

アンデラクロスを登り、時刻は13時半。幸いまだ雨の気配はないので、エリアを移動することに。

行き先は、初めてのストリームサイドエリア。最近、知り合いが何人か登っているのをSNSで見ていた。以前はかなり甘いグレーディングで有名だったそうだが、小川山本で軒並み2グレードダウンになっている。

一度駐車場に戻り、トポを入れ替え、しゃくなげ遊歩道を下りていく。なんとか靴を履いたまま渡渉し、川を渡るとすぐに見つかった。渡渉ポイントを確認しながら歩いたこともあり、駐車場から20分くらいかかった。

ストリームサイドエリアは、1F/2F/3Fに分かれていて、人気ルートは2Fの奥に集中している。

1Fの前には、とても広くて平らな広場があり、かなり快適そう。1Fから2Fへは1~2分ほど。2Fも取り付き・ビレイポイントは平らだが、それほど広くはないので、混雑時は1Fの広場に荷物を置いた方が良いかも。

我々が到着した時には10人以上いたのだが、ちょうど皆さん帰るところで、すぐに我々のみに。

岩場は西向きのため、午後は陽が当たるが、木陰が多いので割と涼しかった。

Q
✅烈風(5.12a), 4go

最初のポイントは2~3P目。足はガバだが、悪いホールドの右ガストン2連発。

3~4P目はホールドの掛かりは良くなるものの、相変わらず向きが悪く、フットワークの繊細さも求められる。

上部は難易度が下がるけど、でも簡単過ぎない。ムーヴ作りが楽しい好ルート。

Q
✅Love or Nothin'(5.10a), mOS

本当は「都忘れ(5.11c)」をやりたかったけど、5.12a×2本に4便ずつかかってすでにヨレヨレ。

Love or Nothin’は都忘れの右隣にあり、これまた見栄えの良いライン。

基本的には下から上まで続く、左ガバサイドクラックを使ったレイバック登り。5.10aとしてはフットホールドが悪く、ピン間隔も遠いので、初心者にとっては一筋縄ではいかないだろう。

上部は簡単になって気持ちの良いクライミング。ツアーの締めくくりに相応しいルートだった。

最終日は良い方に予報が外れ、雨を警戒して早めに撤収したパーティも多かった中、一日中晴れていた。

5.12aの2本はどちらも苦労したけど、なんとか登れて満足。

総括

5泊6日の夏休みクライミング合宿が無事終了。「登れる日ないんじゃないの?」といった予報だったが、結局レスト日を除く5日はほぼ終日登れた。

特に前半3日は何度もスコールがあり、予定していたルートにトライできないことが多かったけど、触れるルートで楽しむ気持ちも大事。

高グレードを登るクライマーは、夏の間はほとんどジムトレという人も少なくない。ハイシーズンに成果を出すためには、恐らくそれが正解なのだろう。

僕の場合は寒さに弱くてベストシーズンが短い上、乾き手なので暑い時期でもそれほどヌメりに苦労しない(単純にフリクションに鈍感なだけかもしれないけどw)。

ただ何といっても、今のところ成果より、とにかく岩を触りたくて触りたくて仕方ないのです。笑

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

ABOUT ME
きい
きい
登ったり滑ったりする人
1988年生まれ、愛媛県出身
東京の北西部に住み、週末は専らさらに北や西に出かける
仕事は電機メーカーのエンジニア
クライミング:2021年からリード&外岩を始めて本格的に
スキー:2017年からバックカントリーにハマる
記事URLをコピーしました