【瑞牆】ブラッド・ラインRP!
クライミング日:2024年9月23日(月・祝)
今回のクライミング
秋分の日の三連休、最終日。2日前の土曜日、カンマンボロンのLOL(5.12d)をRPし(以下の記事参照)、日曜は雨でレスト。
先週までに比べ、土曜はかなり秋らしくなったと感じたが、この月曜はさらに気温と湿度が下がるようだ。
日曜の瑞牆は、午前中大雨。夕方頃にも少し降った?らしい。
当日月曜の予報は文句なし。乾いているか心配だったが、RPが近づいて来たブラッド・ライン狙いでカサメリ沢・三ツ星エリアへ。
過去のブラッド・ラインの記事
三ツ星エリアへ
朝5時、日の出IC近くのモトハシさんちに集合。連休最終日ということで、下りの高速道路は空いている。
しかし、八王子JCTあたりから、まったく予報にない雨が降り出す。え?聞いてないんですけど?幸い、笹子トンネルを抜けると止んでいて、瑞牆が近づくと晴れてきた。
7時過ぎに不動沢駐車場へ到着。車の外気温計は14℃。今シーズン初めて長袖を着てアプローチ。
三ツ星エリアに一番乗り。いつも通り、取り付きのテラスには水が流れているが、軍艦岩は思いのほか乾いていた。
✅キキンバック(5.11d), Re
まずは先週RP(以下の記事参照)したキキンバックでアップ。
まだ昨日の雨の影響が若干残っているようで、下部は少し湿気を感じる。しかし、上部へ行くにつれ、どんどんフリクションが良くなる。終了点直下のスローピーな核心部は、前回に比べて格段に易しくなっていた。
あまり腕も張らず、アップとしては不十分ではないかと心配になるほどだったが、これは期待が持てそうだ。
✅ブラッド・ライン(5.12d), 2go(計5d11go)
先週末、ブランク区間はなくなったが、終了点直下のマントルはバラして1回成功しただけ。最終クリップまでは下から繋がったものの、その時点でドパンプ。
冷静に考えると、まだRPは遠いように思えるが、スローピーなフリクションホールドが多いこのルート。果たして、コンディション向上による違いはいかに。
1便目
終了点直下のマントルは、まだムーヴを探る必要がありそうだが一応狙う。濡れているテラスに上がる前、実質ただの取り付きで、持っていた岩が弾け飛んで肝を冷やす。
気を取り直し、カンテ両サイドにスローピーで細かいホールドが続く第1核心へ。先週までとのフリクションの違いは明らかだ。
中間部の大ガバでレスト。ここは思いのほか足に体重が乗らないのだが、親指を引っ掛けるイメージで他の4本をセーブ。手がギリギリ悴まない、絶妙な気温だ。
ハング越えから最終クリップまでの第2核心。ここも問題なし。前回はこの時点でHP残り1%だったが、それに比べると遥かに余裕がある。
終了点直下のマントルを返す第3核心。ここはフットホールドがとにかく悪いのだが、フリクションのおかげでどこでも踏める。
上半身は傾斜が落ちた部分に覆いかぶさり、終了点はすでに目線よりやや下なのだが、下半身が上がり切らない。
手のホールドは、ただの面に近いスローパーなのだが、フリクションのおかげで持てる。やろうと思えば終了点にクリップできたが、このルートは岩頭に立って終了となる。
叫びながら粘り散らかすこと約30秒。徐々に腕が張ってきて、最終的にあえなくフォール。
マントル返しのムーヴは定まってなかったので、ある意味当然のフォールなのだが、やはり終了点を目の前(というか胸の前くらい)にして落ちるのは悔しい。罪なルートだ。
過去5本の指に入るほどパンプした。前腕が痛くなるほどパンプしたのはいつ振りだろうか。ハングドッグしても、全然戻ってこない。
気を取り直して最終ムーヴを探る。モトハシさんが、「ただの面に近いスローパー」の中にカチがあると言う。先週散々探ったが、そんなものはなかったはずだ。しかし、言われたところを触ってみると、確かにある!
花崗岩マジックの効果は凄まじい。時に新しいホールドまで出現する。
カチとはいってもかなり薄くスローピーで、ホールドというよりただのシワに近く、フリクションが悪いとまるで使い物にならないだろう。このカチを使った新たなムーヴを作る。今回は再現性があるが、繋げて出来るかどうかはかなり微妙だ。
なお、傾斜が死んで安定した体勢で終了点にクリップ後、岩頭に立つことになる。ここは明らかに簡単そうだったので、岩頭からの景色はRPの時にとっておくことにした。
2便目
1便目で相当腕が張ったので、2時間ほど大レスト。風が出てきて、湿度もさらに下がってきた。
カンテの第1核心は完璧。1便目でしっかりパンプしたのも、結果的に良かったようだ。ほぼ消耗はないが、大レストで完全に戻す。
ハング越えから最終クリップまでの第2核心も無難に通過。1便目よりさらに余裕がある。ここはほとんど休めないのだが、強度のあるマントル返しに備え、攻めのレストを入れる。
いざ、マントル返し。かなり消耗を抑えてここまで来れたが、やはり繋げてくるとキツい。
花崗岩マジックが生み出したカチを掴む。
気合いで足を上げる。
出来た…。先に雄叫びを上げてから終了点にクリップ。岩頭に立ち、少し景色を楽しんでからクライムダウンしてテンションコール。なんて気分が良い終了点だろうか。
強烈なインパクトの見た目に引かれ、トライし始めたブラッド・ライン。しかし、見た目だけではなく、内容もとても濃いルートだった。
そして、とても難しかった。2日前にRPしたLOL(5.12d)より、明らかに難しく感じた。今年の春に登った雷火(5.13a)と比べても、同じかそれ以上だと思う。何年か前にホールドが欠けた?という話も聞くが…。
とにかく、見た目も内容も素晴らしいルートが登れて大満足。岩がやや脆い部分があり、星が1つ減っているみたいだけど、それがなければ恐らく文句なしの三ツ星ルート。
ふりかえり
フリクションはまだピークではないのかもしれないけど、寒さに滅法弱い僕にはちょうど良いコンディションだった。
苦戦してきた2本の5.12dが両方登れた3連休。蒸し暑い中、ムーヴを作っておいてよかった。
土曜よりも1枚多く上着を着ていたんだけど、帰る頃にはそれでも寒くなり、ダウンを持ってくればよかったと後悔した。
花崗岩のベストシーズンはあっという間に過ぎていくが、ここから5.13を狙いたい。