クライミング日記

【瑞牆・小川山】オール・オア・ナッシング(Day2)と睦月誕生(Day1)

きい

クライミング日:2024年9月28日(土), 29日(日)

今回のクライミング

シルバーウィーク明け、9月最後の土日。ようやく都内でもエアコンなしで寝られるようになり、少し秋を感じる。

先週末は2本の5.12dを登ることができ、上機嫌で1週間過ごした(以下の記事参照)。

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いつものモトハシさん・かいてぃーに加え、お久しぶりのハナダテ姉妹と瑞牆・小川山で登ることに。木曜時点では、土日両方とも絶望的な予報だったけど、金曜午後から急に好転。まだ雨の心配はあったが、1泊2日で突っ込むことに。

瑞牆・コロッセオ(Saturday)

ハナダテ姉妹を高尾でピックアップ。渋滞を避けるため、相模湖までは下道。

不動沢駐車場には8:30過ぎに到着。直前まで予報が悪かったので、この時期としてはかなり空いていたが、地面はしっかり乾いていた。

メンバーそれぞれ宿題があるコロッセオへ。僕は8/24に2便出したものの(以下の記事参照)、ムーヴが解決出来なかったオール・オア・ナッシング(5.12d)に再トライするつもりだ。

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❌ナイト・ディジィ・ダンス(5.12c), Re

昨年10月にRPしたNDD。苦労して登った思い出深いルートだ。

オール・オア・ナッシングは、かなりフィンガリーなホールドが続くので、強度高めのアップ。

苦労した分、ムーヴは結構覚えている気がする。さすがにノーテンとはいかないまでも、ワンテンなら抜けられるだろうと思っていたが甘かった。笑

3,4回テンションしながらトップアウト。やっぱり難しいけど、ムーヴが楽しいルートだ。下の動画は昨年RPした時のもの。

❌オール・オア・ナッシング(5.12d), 4go(計2d6go)

体はしっかり暖まったので、本命ルートに取り付く。ホールドは細かいながらもエッジが立っているので、フリクションにそこまで左右されるルートではなさそうだが、前回のトライは8月。コンディションの変化に期待したいところだ。

4ルートの共通部分からスタートし、さらにムーラン・ド・ラ・ギャレット(5.12c)と分かれ、いきなり核心部。

あれこれと試してみるが、やっぱり抜けられない。前回できなかったのも、やはりフリクションは関係なかったようだ。笑

仕方ないので1回下りる。そうこうしている内、この日の1便目であっさりブラッド・ライン(5.12d)をRPしたモトハシさん達と合流。みんなでオール・オア・ナッシングを触ることに。

モトハシさんも少し苦労していたが、一通りムーヴは作れたようだ。

トライする人自体が珍しく、情報がとても乏しいルート。せっかくなら自分でムーヴを解決したかったけど、ここからはモトハシさんに聞きまくる作戦に。笑

核心部はモトハシさんと同じムーヴをやったら出来た。左サイドアンダーから頑張って両足を上げ、右手で遠いガストンカチ。そこから左足をさらに上げ、これまた遠いホールドを左手で取りにいく。そこからのクリップもかなり悪い。

その先のライン取りは、左から回るモトハシさんとは異なり、ほぼ直上になった。ここも一手一手遠いけど、核心部に比べるとホールドは良い。しかし、終了点のクリップホールドとなるガバ取りがまた絶妙な強度。バラせば問題ないけど、繋げるとどうなるだろうか。

ブツ切り状態ではあるが、一応出来ないパートはなさそうだ。半分以上モトハシさんのおかげだが、一気に進展。笑

この日の3便目(計5便目)、いきなり下から繋げて核心を突破!しかし、懸念していたクリップが出来ず、敢えなくヌンチャクにA0。このクリップは飛ばそうかな…。

その後、ムーヴの確認でもう1回テンションを入れたものの、実質1テン。最後の小核心直前で、結構休めることもわかった。あれ、これ出来ちゃうな…。

しかし時刻はすでに17時。だいぶ日が短くなってきたので、もうじき暗くなる。鳥目の僕にとっては、細かいフッドホールドの視認が難しくなってしまう。

仕方なく、20分レストで泣きの4便目。しかし、さすがに戻ってなかったw。核心部であっさりフォール。

勢いでこの日に決めてしまいたかったけど、トップアウトすら出来ない状態から、急にRP態勢に。オール・オア・ナッシングというルート名の通りだ。

もちろん悔しい気持ちだが、それなりに満足。相変わらず、自力でのムーヴ解決力の低さは課題だけど。

おまけ

NDD姉妹誕生

この日の主役はさやてぃー。最終の4便目でNDDをRP。姉のゆきりんは、僕と同じ昨年10月に登っていて、姉妹でのNDD完登(史上初?)。

さやてぃーのNDDトラバース

トップガン撮影

オール・オア・ナッシングの合間に、トップガン(5.13a)トライ中のゆきりんを撮影。堅気の女性でトライする人はほぼいないので貴重。笑

youtubeで見ただけだけど、カナダ・スコーミッシュのDreamcatcher(5.14d)がトップガンの前半パートに似ている気がして、なんとなくカッコいい。

トップガンの前半パートを登るゆきりん

激悪スローパーと思われるDreamcatcherとは全く異なり、トップガンのこのパートはガバガバで、グレードにはそれほど関係ないけど。笑

大レストから第1ランジ体勢にセットするのがまず悪い
第1ランジを余裕で止めるゆきりん
第2ランジはよりリーチ差が出やすい
クリーンフォールだけど結構怖い(ゆきりんは最初から全然ビビッてなかったけどw)

そういえばトップガンは、僕の初めての5.13

当時パートナーだったYumaさんがNDDをやってみたいということで、一緒に触ってみたものの全く出来る気がせず、トップガンの方をやってみたら登れてしまった。長身の人や、ボルダー(ランジ)が得意な人にはあるあるらしい。もちろん便数はかかったけど、その時の僕は5.12bが最高グレードで、飛び級のグレード更新。下の動画は、ちょうど2年前のこの時期にRPした時のもの。

スタンダードな5.13を登る力はまだなかったので、リーチ族の僕にはお買い得だったと思うけど、女性にとっては全く話が別。

ぜひトップガン姉妹目指してがんばって欲しい。笑

小川山・ローリングストーン周辺(Sunday)

日曜は朝起きた時から濃霧。日中もいつ雨が降ってもおかしくなさそうだ。

そろそろゴジラ岩の「ちゃびんば(5.13b)」をやりたいところだけど、この予報で1時間近いアプローチはリスクが高い。

比較的アプローチの良い、ローリングストーン周辺へ行くことに。睦月誕生という人気の5.12bが前から気になっていたのと、金メダル(5.13b)が面白いという話を聞いた。

廻り目平に着くと、雨は降っていないものの、地面は割としっかり濡れている。駐車場で顔を合わせたしょーちゃんによると、先ほどまで霧雨だったらしい。

ローリングストーン周辺は木々に囲まれており、雨後の乾きは悪いイメージだが、大丈夫だろうか。他のエリアも考えたけど、ここ2シーズンでアプローチの近い5.12-あたりはかなり登ったので、だいぶ遊ぶルートが減ってきている…。

とりあえず、予定通りローリングストーンに向かう。

金メダルは濡れていた(このルートは水の通り道で、滅多に乾かないらしい)が、睦月誕生は意外に乾いていた。

❌トルネード(5.12a), Re

まずは昨年9月にRPした、トルネードでアップ。このエリアで唯一露出した岩で、取り付き以外は乾いている。相変わらず、白く輝く壁がカッコいい。

イエロークラッシュ(5.12a)と似たタイプのルートで、掛かりの良いカチが続く薄被りフェイス。イエロークラッシュに比べて簡単だったと思うんだけど、記憶より難しく、テンテンでトップアウト。

❌睦月誕生(5.12b), 3go

アップを終え、本命ルートにトライ。トルネードとは異なり、木に囲まれて鬱蒼とした雰囲気だが、こちらもカッコいい岩だ。

傾斜は垂直よりやや寝ている。スラブとまではいかないが、決して得意ではない傾斜だ。

睦月誕生(5.12b)

傾斜感でいうと、アルパイン少女マミ(5.12a)に似ている。ちなみに、マミは今年4月にトライしたものの、すぐにRP出来る感じではなかった。笑

登ってみると、睦月誕生はマミに比べ、ホールドはポジティブだ。

出だしはちょっと岩が脆い感じがするけどガバガバ。中強度の中間部をこなし、上部でカンテを左から右にトラバースする部分が核心。ここも手はそれほど悪くないんだけど、瑞牆本に書かれている通り、フットワークが悩ましい。

核心部のトラバース

最後は岩登りというより苔登りといった感じのスラブ。手がガバなので多分落ちないけど、ルート中の苔の量としては過去一だ。笑

核心はなかなか抜けられなかったが、リーチを活かしたムーヴを見つけ、1便目で一通りバラせた。核心以外もそれほど簡単ではないけど、マミに比べると、難しさは核心部に集中している。パッと見では登れる気がしなかったが、意外にチャンスがありそうだ。

2便目、RPを狙う。下部は問題なく、それほどヨレもない。休めそうで意外に休めないルートだが、割と余裕を残して核心部へ。

上下に並んだ2つのポケットの内、下のポケットを右手で押さる。さらに、このポケットに親指を入れ、カンテと合わせてピンチ持ちに。

右足に体重を移しつつ、左手で上のポケットを取れば実質終了なのだが、ここでフォール。やっぱり核心は難しいが、今日中には出来そうだ。

しかし、12時前から雨が降り出し、13時半頃から本降りに。かなりルートが濡れてしまい、待っても乾きそうにないので、雨が弱まった14時過ぎに3便目。

下部は問題なかったけど、上に行くほど濡れていて、核心前にあっさりテンション。エイドで抜けて回収した。

ちなみに、トルネードは少し被っているためか、少々の雨だと濡れないらしい。同じ時間に3便目を出したさやてぃーが、まさかのRP。2日続けてMVP。笑

注意点

かいてぃーの睦月誕生トライを、僕がビレイしていた時のこと。核心部のトラバースで落ちた際、6P目?(トラバース前最後のクリップ)のヌンチャクがハンガーから外れてしまった。

5P目と6P目の距離が割と近いので、極端に大きなフォールにはならなかったけど、ヒザを壁にぶつけて軽く出血。

右にトラバースする部分なので、定石通り、カラビナゲートは左向きにしていた。ハンガー側とクリップ側、両方とも左向き。ドロー両側のゲートの向きを反対にしている人もいるけど、この辺りは意見が分かれるところだろうか。

とにかく、ハンガーの角度、クライマーの進む向きに伴うロープとドローの位置関係などにより、条件が揃ってしまえばドローの脱落は起こり得るということ。

ドローの脱落というと、同じく小川山・マラ岩のブルースパワーの事故が有名だが、睦月誕生で外れたという話は聞いたことがない。

脱落が発生しやすい箇所というのは、過去に外れた実績があるルートはともかく、見分けることは簡単ではないだろう。

少なくとも、空中決戦(5.12a)の1P目のように、万が一外れると重大事故に繋がる場合は環付きカラビナを使用したい。

今回、睦月誕生で外れたのは6P目で、グランドフォールの心配はなかったけど、もちろんすぐに環付きへ交換した。

とにかく、大きなケガにならなくて本当に良かった。

ふりかえり

2日続けて、登れる可能性が十分あった便で決め切れなかった

しかし、オール・オア・ナッシングはトップアウトすら出来ない状態から、急にRP態勢に。睦月誕生も、グレードこそ限界グレードに比べるとやや低めだが、苦手な傾斜にしっかり対応できた。

なんといっても、今回はさやてぃーの週末。嬉しい瞬間に立ち会えてよかった。

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ABOUT ME
きい
きい
登ったり滑ったりする人
1988年生まれ、愛媛県出身
東京の北西部に住み、週末は専らさらに北や西に出かける
仕事は電機メーカーのエンジニア
クライミング:2021年からリード&外岩を始めて本格的に
スキー:2017年からバックカントリーにハマる
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