【小川山】夏のスラブマルチ特訓:ガマルート&春のもどり雪

クライミング日:2025年7月6日(日)
今回のクライミング
1ヵ月ほど前に経験した、初のマルチピッチクライミング(以下の記事参照)。

今回は小川山で2度目のマルチ。1度目の二子山中央稜で、一通り流れは理解できたが、まだまだ初心者なので、今回もなるべく易しいルートをチョイス。
しかし、花崗岩で易しいマルチルートを選ぶと、大体スラブになってしまう。
フェイスルートはそれなりに登れるようになったが、はっきり言ってスラブはまだ初心者の域を出ない。
という訳でこの日は、マルチ&スラブの特訓。

ガマルート(5.9), 約115m
マルチピッチの入門的なルートらしい。
普段はスラブに見向きもしない僕だが、このガマルートがあるガマスラブというエリアには、一度来たことがある(以下の記事参照)。

ガマスラブは1階から3階まである。ガマルートの1ピッチ目は1階にあるが、左から歩いて2階に行けるため、省略されることが多いらしい。
ということで、我々も2階にある2ピッチ目からスタート。9時頃、登攀開始。
2ピッチ目(5.9)

いきなりこのマルチルートの核心部。
最初はガバクラックだが、そこからやや右上すると、手も足もホールドがなくなる。リードのゆきりんが、かなり苦戦している。
取り付きから見ると、傾斜は相当緩い。内心、僕はビレイしながら、「何をモタモタと…」と思っていた。
ゆきりん、何とかオンサイト。僕がフォローで取り付く。
しかし、ゆきりんと同じポイントで行き詰る。現場に行ってみると、思ったより全然傾斜が立っていて、とても進める気がしない。
どこにも踏めそうなフットホールドがない。覚悟を決め、スメアで立ち上がってみるが、普通に足が抜けてフォール。
その後も同じような感じで、さらに2回フォール(フォローなので正確にはテンションかかっただけだけど)。4回目でようやく抜けられた。
難しいのはそこだけで、あとは快適。
同じエリアの被った5.12cは割とサクッと登れたのに、5.9で落ちる。スラブ下手過ぎ。

3ピッチ目(5.7)
特に難しくないが、ルート途中から左へと誘い込まれてしまい、最後は土がザレたルンゼを上がった。
普通に最後まで岩の上を登れると思う。終了点は大きな立ち木。
なお、ここで書いている2,3ピッチ間には使っていない終了点もあり、もっとピッチを刻むパーティもいるようだ。
歩き
登山道のように踏み跡がしっかりしている。距離も長くて100mくらい。
おにぎり状の岩も登れるようだが、ここは右から巻いてパスした。
4ピッチ目(5.9)

2ピッチ目と並んで核心ピッチの1つ。
取り付きは大きくて快適なテラス。休憩してからリードのゆきりんをビレイ。
ここはプロテクション核心と言っていいだろう。スラブ面のおへそのような穴への立ち上がり、そして右上するクラックに這い上がり、なんとかカムを決める。
右から回り込んで終了点へ。
歩き
稜線上の岩稜を歩く。まず落ちないけど、一応ロープは結んでおいた。
5ピッチ目(5.7)
簡単なスラブ。右側に短いクラックが見えたところで一度ピッチを切った。
左側を見ると、懸垂下降用と思われる支点がある。ここで降りるパーティーもいるのだろうか?
僕がリードでクラックへ。古いハーケンがあるが、これだけでは怖いのでカムを使う。クラックは広い上にフレアしていて、カムが決まりづらい。C2とC3をなんとかセット。
覚えたてのジャミングでなんとか突破。
クラックを抜けたところに1つハンガーあり。すぐ横に別のハンガー跡があったので、以前はここでピッチを切ったのかもしれない。
水平に30mほど歩いていき、懸垂用支点のある立ち木まで。

下降

上からはキャンプ場や、対岸にあるマラ岩がよく見える。風も吹いて気持ち良かったので、おにぎり食べてしばし休憩。
はじめてのマルチピッチだった二子山・中央稜では、下降は歩きだったので、マルチでは初めての懸垂下降。
トポによると、50mのダブルロープであれば1回の懸垂で降りられるようだったが、我々はシングルロープだったので、2回懸垂した。

1回目の懸垂は、上から見える土のテラス、のさらに少し下まで。

マガスラブというエリアにある、シングルピッチのルートの終了点(アマデウス5.11cとかクレイマー5.10a?)を使って2回目の懸垂。
12時頃、本日1本目のマルチ終了。
あとは踏み跡を辿って下へ下へと降りて行けば、林道に戻れる。
春のもどり雪(5.7), 約110m

一旦、車に戻って休憩し、午後からもう1本のマルチルートへ。継続登攀と言ったりするらしい。
小川山で最も易しいマルチルートの1本とのこと。
しかし、春のもどり雪だと思って取り付いたルートは、ビスタの夏休み(5.9)だった。

フォローとはいえ、なんとか登れたけど、中間部が(少なくとも自分にとっては)シビアなフリクションスラブ。
スラブのグレード感には全く自信がないけど、5.7にしては難しいなと思ったし、ここで気付くべきだった。
そこから存在しない2ピッチ目を探して歩き回るが、シングルピッチのルートなので、もちろんその上は登られた形跡がない。
ようやくおかしいと思い、懸垂で地上へ。ちょうどこれからビスタの夏休みを登ろうとしていた人がいて、シングルピッチなのに我々2人組が懸垂で下りて来たのでビックリされた。笑
1ピッチ目(5.7)

思わぬタイムロスがあり、15時を回ってしまったが、気を取り直して春のもどり雪の取り付きへ。
下降は取り付きのすぐ近くに下りてくるので、アプローチシューズは置いておいてもOK。
左右2つのボルトラインがあったが、簡単そうに見えた右側のラインを登った(トポによると左側も同程度の難しさらしい)。
序盤で核心。中間部は傾斜が緩いけどランナウト。終了点前も少しだけ悪い。
自分にとってはお散歩とはいかないが、明確に5.9との差は感じる。プレッシャーは遥かに小さい。
暑くて水が足りなくなってきた。
2ピッチ目(5.7)
最初の方のボルトは使わず、木とスリングでプロテクションを取り、弱点を突くように右上するバンドに沿って上へ上へ。
さらに右上にボルトラインが見えるが、5.7にしては悪そう。
真ん中のやや凹角になった部分を登った。難しくはないが、プロテクションが取れなくて怖い。
後半は歩きに近く、広くて快適な終了点へ。
時刻はこの時点で16時。南向きのルートだが、太陽が隠れて少しは涼しくなった。

3ピッチ目(5.7)
出だしの垂直に近い部分を乗っ越し、プロテクションが取れないスラブへ。
どこでも登れそうだが、まずは直上し、木でプロテクションを取ってから左上した。
終了点前のトラバース部分の岩が脆く、油断禁物。
4ピッチ目(5.7)
大きく左から回り込めば階段状に上がれそうだが、垂直に近いコーナー部分を登る。このピッチはスラブではなくフェイス。
小川山本には、「技術的には一番難しい箇所」と書かれているが、スラブが苦手な僕にとっては一番簡単なピッチだった。
カムが色々なところにしっかり決まる。プロテクションはさておき、ジムボルダーの6級とか7級くらいガバガバ。
強いて言うならちょっとだけハイステップが大変なマントルを返すと終了点。そこから少し歩いた先にも支点が見えたが、手前の支点から下りることに。
下降
3回の懸垂で、ロリータJUNKOの取り付きまで降りられる。

3回目の懸垂は、ロリータJUNKO終了点の少し上にある立ち木から。この懸垂支点が上からは木に隠れて見えづらい。
17:30頃、本日2本目のマルチピッチ終了。
今回はじめて使ったギア
PETZL BUG(バックパック)

前回の二子山・中央稜では、スキーのサイドカントリー用のバックパックを使ったところ、背面長が長くてチョークアップが出来ないなど、結構ストレスを感じた。
PETZL BUGは、マルチピッチ用に作られたザック。
まずは背面長が短く、チョークアップの妨げになりづらい。ハーネスとの相性もよき。
その他、ファスナーを開けても中の物が落ちづらくなっていたり、アプローチ中にロープを背負いやすくなっていたり。
トレラン用でも悪くなさそうだが、軽量化のために生地が薄いものが多いので、岩で擦れた時が心配だ。その点、BUGは耐久性もありそう。
18Lという容量もちょうど良かった。
ただでさえ部屋にたくさんあるバックパック。また1つ増えてしまったが、やはりバックパックは専用のものに限る。
La Sportiva TC PRO(クライミングシューズ)

前回の二子山・中央稜では、アンパラレルのSOUPED UPという柔らかい靴を履いて行ったところ、特に歩く時に足裏が痛かった。
そこで、クラックやマルチピッチのド定番と聞く、TC PROを購入。みんなのアドバイス通り、サイズもやや大きめにした。
しかし、僕の足には合わなかったのか、長時間履いているとかなり痛い。この日の最後の方は、5分も続けて履いていられなかった。
ゆきりんも同じTC PROだが、新品の時も特別痛くはならなかったらしい。
お店で試着した時は大丈夫だと思ったんだけど、やはり道具は現場で実際に使ってみないとわからない。
なお、ソールが硬いので、歩く時の足裏の痛みはなくなった。
今度はクライミング初心者が最初の一足として買うような、マイルド目なシューズを試してみようと思う。
ふりかえり
暑い中、まだ慣れないマルチ2本で結構疲れた。もちろん前腕はそれほど張らないけど、スラブなので足にくる。ハンギングビレイで体幹も使ったようだ。
ガマルートはライン取りはわかりやすいものの、5.9のスラブは僕にとって決して簡単ではない。というか実際落ちたし。笑
スラブは相変わらずできないなぁ。普段のシングルピッチであえてスラブは選ばないけど、小川山はフェイスルートでも、部分的なスラブはよく出てくる。
だから多少は上手くなったものだと思っていたけど、スメアリングで立ち上がるようなフリクションスラブはまた別物。細かい粒を拾うような、フェイスとスラブの中間のようなルートはまだマシなんだけど。
春のもどり雪は簡単な分、どこでも登れてしまうので、ライン取りが難しい。有名なルートと聞いていたので、これは意外だった。
クライミングの内容はさておき、立ち木で支点を作ったり、複数回の懸垂下降をしたり、初めての経験で学びの多い一日。