2024GWスペインクライミングツアー:準備編
この記事は、2024年GWに行った、スペインクライミングツアーについて書いたものです(全4回のシリーズ)。
- 第1回:準備編(本記事)
- 第2回:ロデジャー編
- 第3回:シウラナ編
- 第4回:ツアーの振り返り編
はじめての海外クライミング
20代の頃から海外が好きで、東南アジアを中心に、色々な国へ行った。
最初のうちは、割と普通の海外旅行といった感じ。カメラが好きだったので、景色の良い世界遺産などを回った。
日本での登山にハマり始めてからは、海外でも簡単なトレッキングを体験。前年の2023年9月には、本場アルプスで本格的な登山も。
ここ最近はすっかりフリークライミングに夢中になり、登山からは足が遠のいている。そうなると、やはり海外の岩場でクライミングもしてみたい。
その機会はあっさりとやってきた。
ツアー計画
今回のクライミングトリップは、日本でもよく一緒に登っているユッキーさんに声をかけてもらった。ユッキーさんは前年のGWにもスペインで登っていて、事前に色々とアドバイスをしてもらってとても助かった。
いつものメンバーのキクさんも加わって3人でのツアー。以前、僕のパートナーで、現在はパリ在住のYumaさんにも声をかけたんだけど、同じくGWに日本からフランスへクライミングツアーに行く方との先約があり、残念ながら久しぶりに一緒に登ることは叶わなかった。
2023年末にとりあえず航空券だけ購入。あとは渡航1ヵ月前くらいから諸々準備。入国・出国の日も含めて現地11日間。フライトがある最初と最後の日は移動や買い物だけにして、9日間のスケジュールを3人で相談。
ロデジャー6日間(内1日はレスト&買い出し)、シウラナ3日間(内1日はレスト&バルセロナ観光)という予定を立てる。
なお、宿やレンタカーの予約などは、全てユッキーさんがやってくれた。本当に感謝。
情報収集
すでに書いた通り、スペインツアー経験者のユッキーさんに色々と教えてもらったが、スペイン(特にロデジャー)は日本人クライマーにも人気で、調べると何人かのブログが出てくる。
特にTKDのブログは超有料級。「忙しいのに何個もブログ読んでられるかよ!」という人は、このブログはそっと閉じ、Don’t Think, Feelを読むことをオススメしたい。笑
航空券
2023年12月に購入。行きも帰りも中国国際航空(Air China)。
一般的なGW期間は4/27(土)~5/7(月・祝)だったけど、まともにこの期間で行くと航空券がかなり高くなるので有休を駆使。エクスペディアから予約して、総額¥153,740だった。
行き
4h00m
乗り継ぎ:3h50m
11h45m
帰り
11h25m
乗り継ぎ:2h45m
3h10m
宿泊
ロデジャーとシウラナ、それぞれの岩場で登る日数を決めてから予約。過去にスペインツアーへ行った別のクライマーの中には、どの岩場に行くかは現地で決められるように、Lleida(ジェイダ)という街に宿を取り、ここをベースに毎日車でそれぞれの岩場に通ったという人もいる。
我々はロデジャーでは歩いて通える距離にあるアパートメントホテル、シウラナは車で40分くらいの距離にあるReus(レウス)という街にある宿をAirbnbで予約。
国際免許とレンタカー
国際免許
ロデジャーもシウラナも結構な田舎にあるため、公共交通機関での移動は現実的ではない。
海外での運転は今回が初めてだったので、もちろん国際免許を取るのも初めて。だが現地での運転はさておき、「私も初めて」という人も国際免許に関しては何ら心配いらない。
必要書類は念のため、最新の情報を確認して欲しいけど、試験のような類のものは何もない。僕の場合は立川警察署に行き、窓口で書類と手数料(¥2,350)を渡すと、10分もしないうちに交付された(笑)。
国際免許には発行から1年間という有効期限もあるので、必要以上に前もって取得する必要はないと思う。ただし、警察署にしても免許センターにしても、恐らく平日しか受け付けていない。
あと現地に行く際は日本の免許証も併せて携行が必要。これに関してはバルセロナ空港でレンタカーを借りる際、実際に国際免許証と日本の免許証、両方の提示を求められたので忘れないように。
レンタカー
現地のOK Mobilityというレンタカー会社の車を、Rentalcars.comで予約。プジョーの3008というコンパクトSUV。
レンタカーの料金システムは、日本と異なる点がいくつかある。
- スペインではマニュアル車が一般的で、オートマはマニュアルに比べて高い
- 走行距離制限を超過すると追加料金
- ドライバー追加料金がある
今回のツアーメンバーのうち、キクさんと僕は海外での運転経験がない。スペインは右側通行で左ハンドル。さらに、ラウンドアバウト(信号の付いた交差点の代わりにグルグル回るやつ)なるものもあるらしい。
僕はもう10年以上、日本でもマニュアル車を運転していない。初めてとなる海外での運転で、さらにギア操作(しかも左ハンドルだとシフトレバーは右手だ)が加わるとどうなるか。
少し割高にはなるが、無難にオートマをチョイスした。
走行距離制限は300km/日。11日間借りる予定なので、3,300kmまではOK。バルセロナ空港からロデジャーまでは300km近くあるが、今回は岩場近くの宿に泊まるため、車に乗らない日もあるので全く問題なし。
最後にドライバーは何人にするか。これはRentalcars.comでの申し込み時に決める必要はなく、現地での受付時に伝えればOK。
とりあえず予約時の料金は¥22,584、これに全部入り的な保険¥18,731が加わり、¥41,315だった。記録的な円安であることを考えると、スペインのレンタカー相場は高くはなさそうだ。なお、ドライバーを追加する場合は100€/人。
クライミングギア
ハーネスやシューズなど、通常のリードクライミングに必要なものを除き、今回のツアーのために新たに購入したものについて記載。
現地のショップでも購入可能だけど、2024年GWは歴史的な円安で、特にお得感はなかった。
また、スペインでは14~17時くらいの時間、シエスタであらゆるお店が閉まってしまう。ツアーで時間を無駄にしないためには、日本で買って持って行くのが無難。
80mロープ
これはぜひ持って行きたい。ほとんどのルートは70mで足りるけど、実際にトライしたルートの中にも80mでギリギリというものもあった。
ベースキャンプ入間で購入。たまたま割引になってて安く買えた。
ニーパッド
ホーム岩場の二子山・弓状エリアではニーバーの出番が多く、もともと1つは持っていたけど、両足分あった方がよいかなと思って追加購入。
シウラナでは使う場面はなかったけど、コルネが発達したロデジャーでは、ニーパッドなしでのトライにこだわりがある人は別としてあると良い。
オススメのニーパッドについては、別記事を参照。
クイックドロー
とりあえず、持っている20本、全部持って行った。ロングルートが多いけど、特に上部はピン間隔が広いので、たくさんヌンチャク使うルートでも15~16本くらいだったと思う。
ロープドラッグを考えると、長ヌンを多めにした方が良いかもしれない。
その他の持ち物
調理器具
スペインでの外食は高いらしく、基本自炊することに。スーパーは安いので、特別日本の味にこだわりがなければ、食材は現地調達でOK。
アパートメントタイプの宿だと、一通り調理器具は揃っているけど、まな板はなく(スペインでは使わない?)、包丁は全然切れないらしい。
日本の100均のような店もないため、ジップロックなど、ちょっとしたものでも高くつく。
洗濯用品
洗濯は全て、自分たちで手洗いすることにした。ベランダに洗濯物を干すための紐、洗剤など。
ボディケア
ツアーでの連登でいかに成果を残せるかは、いかに疲れを残さないかにかかっている。アミノバイタル、マッサージガンなど。
トレーニング
特別なことはしてないけど、出発の1ヵ月前くらいからは、少し強傾斜と持久力を意識して登っていた。
ジムリードでは普段よりグレードを少し下げ、なるべく被ったところを2~3本続けて登る。
外でも二子山・弓状エリアで同じようなトレーニングをしようかと話していたけど、この年の春は染み出しが多くて断念。
出発直前の準備
パッキング
基本的に、日本↔欧米の国際線の場合、23キロ×2個まで荷物を預けることができる。クライミングツアーは通常の旅行と比べて荷物が増えるけど、三脚やラップトップなど、やたらと物が多い僕でも余裕だった。
現地で岩場のアプローチでも使うバックパック(クラッグスミス 45L)と、大型スーツケース。100岩はもちろん持って行ってないけど、サイズの比較用。
オンラインチェックイン
長時間の欧州へのフライト。現地で思う存分登るため、機内では少しでも良い座席を確保したい。
最近はオンラインチェックイン時に座席指定をできるのが一般的だ。しかし、中国国際航空のオンラインシステムは問題だらけで、オンサイトはほぼ不可能。
航空会社に問い合わせたり、予約サイトであるエクスペディアのカスタマーサービスに連絡したりして、なんとか通路側の席を押さえることができた。
両替
基本的にクレジットカードがあれば現金は不要と聞いていたが、全くないのも不安なので念のため。
羽田空港で保安検査場を通る前、2万円を両替。端数を除いて¥18,810→110€。レートは1€=¥171。ぬぅ…円安め…。
ちなみに、結局現地では現金が必要な場面に出くわすことはなく、予想通りただのお守りとなった。
おまけ
両替を終えてボケーっとしていると、円安に関してNHKにインタビューされた。スペインに到着したら、何人かの知り合いからLINEが来ていて、全国ニュースで使われていたことを知る。