【二子山】初マルチピッチ!二子山中央稜

きい

クライミング日:2025年6月1日(日)

今回のクライミング

知り合いからは、「え?やったことなかったの?」というツッコミが絶えなかったが、マルチピッチ童貞を卒業するタイミングがやってきた。

マルチをすることになった経緯については以下の記事で。今回の初マルチ1週間前にやった、トラッド&クラック体験について書いてます。

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もはや指導係のゆきりんが選んでくれたのは、二子山・中央稜。マルチピッチ入門として、よく登られる人気ルートらしい。

1ヵ月ほど前、ジムで支点構築について教えてもらい、自宅で繰り返し練習。

短期間に色々詰め込んだのでやや不安はあったが、いざ本番。

アプローチ

駐車スペースに車を止め、股峠まで上がって反対側へ下りて祠エリア方面へ。

前日はかなりの大雨が夕方まで降り続いていたので、アプローチの土はヌルヌル。しかし、祠エリアはなんとほぼ乾いている。

さらにローソク岩の方へ続く道を行き、右手に岩壁を見ながら急登を上がると、目印となる赤いドラム缶

取り付きの目印となるドラム缶

1ピッチ目の取り付きは、このドラム缶の少し上。壁を見ると終了点(一般的にここでピッチは切らないようだ)が目に入る。登山口から約20分

各ピッチ解説と登攀の様子

1ピッチ目

1ピッチ目

前日にかなりの量の雨が降ったので、登れたらラッキーくらいのつもりだったが、上を見るとすでに2ピッチ目を登っている先行パーティーが。

今回は核心3ピッチ目を含む奇数ピッチをゆきりん、残りの偶数ピッチを僕がリードすることになっていた。このように、ピッチごとにリードを交代するのをつるべと呼ぶらしい。

1ピッチ目はまだ濡れているところがあったが、初マルチなのをいいことに、迷うことなく予定通りゆきりんにリードしてもらう。笑

下から見える終了点の直前と、そこから右にトラバースする部分がやや難しかった。

2ピッチ目

オリジナルラインは右手の凹角だそうだが、左上する柱状フェースが一般的らしいので、そちらを登る。

このピッチもまだ濡れているところがあり、中間部のクラックを左へ行く部分と、終了点前が難しかった。

3ピッチ目

さて、核心の3ピッチ目。ビレイ用の支点は横並びに2つ(つまりボルト2つ×2セット)あり、右側の支点からは5.11aくらいありそうな見た目のフェイス(ラップタイムという5.9のバリエーション?らしい)にボルトが打たれているが、我々が登るのは左側のクラック。

もちろんリードはゆきりん。笑

最初はガバのサイドクラックをレイバック気味に登る。足がスメアっぽくて割と怖い。

中間部にお助けスリングが見える。二子山中央稜のクライミングとしての難しさは、核心3ピッチ目の中でも、この数ムーヴに凝縮されているといっても過言ではない(僕がクラック初心者だからかもしれないが)。

レイバックでは厳しそうなクラックで、右のフェイスにはほとんどホールドがない。

左手は先週初めてやったばかりのジャミング、右手はフェイスにあるゴミカチ。さらには右足もフェイスにあるゴミフットホールドでなんとか体を上げると、左足のジャムが決まった。

これで割としっかりとしたカチに手が届き、次のガバを取れば実質終了。先週の小川山レイバックがなければ、たぶんお助けスリングのお世話になっていたと思う。笑

ガバの快適な上部を抜けると、ご褒美の大テラスが待っている。

3ピッチ目の終了点として使った立ち木

4ピッチ目

大テラスからの景色

大テラスで少しゆっくりしたかったが、かなりの強風で寒かったので、休憩もそこそこに再び出発。

大テラスを右に少し歩いていったところから取り付く。

左上している岩棚の上を、登るというよりは歩くという感じ。絶対落ちないと思うが、なんとなく登るより怖い。一応カムでプロテクションを取る。

岩棚を歩き切ったところで、ちょっとしたハング。ガバ持ってハイステップで越えれば、あとは楽勝。

ここの終了点もちょっとしたテラスになっている。

5ピッチ目

5ピッチ目

すぐ上に見える大きなフレークを左上する部分が少し難しい。上部は欲しいところにガバがあるルンゼで、気持ち良く登れる。

5ピッチ目の終了点

6ピッチ目

実質的な最終ピッチ。ここも基本ガバだが、ライン取りは慎重に。

6ピッチ目の終了点

7ピッチ目

草付きの斜面を上がる。一応クライミングシューズは履いたままだったが、アプローチシューズでも十分だった。北アルプスの一般上級登山道くらい(それは言い過ぎ?)。

ロープも使わなかったけど、一応終了点はあり。

7ピッチを登り切って両神山をバックに
水墨画のような西岳の風景

下降路

向かって左に稜線上を歩いていくと、山頂前のコルに股峠へと続く登山道を示す標識あり。

結構な急登で、地面がぬかるんでいて大変だった。笑

展望はないけど、所々ツツジが咲いていて綺麗だった

主な使用ギア

  • シングルロープ(45mくらいだったが十分足りた)
  • カム C05~C4(実際使ったのはC075~C2だったかな)
  • 普通のクイックドロー×4
  • アルパインヌンチャク×6

ロープの流れを考えると、アルヌン多めの方が無難。

基本はボルトや古いハーケンが使えるけど、カム全くなしはさすがに怖い。

あれば良かったギア

小さいザック

マルチピッチの場合、水や行動食などを小さなザックに入れ、フォローの人が背負って登るのが一般的らしい。

スキーのサイドカントリーで使っている18Lザックを持って行ったところ、背面長が長く、ウエストベルトがハーネスにもろに干渉してしまった。あとチョークアップできないし。笑

山で色々なアクティビティをやるようになると、とくかくザックの数が増えていく。

長時間履けるクライミングシューズ

僕は足の指に魚の目ができやすく、ジムボルダーなどの際には、1トライ毎にシューズを脱いでいる。

長時間クライミングシューズを履き続けるのが苦手なので、とりあえず持っている中で一番柔らかいシューズ(UNPARALLELのSOUPED UP)を持って行ったのだが、それでも途中で足が痛くなった(ビレイ中に脱げる時は脱いでいたけど)。

あと、シューズを履いたまま少し歩く場面もあり、柔らかいソールではちょっと痛かった。

マルチ用に、ワンサイズ大きめのシューズがあってもいいかもしれない。

ふりかえり

かつては弓状エリアに毎週通った二子山。初めてのマルチピッチが、その大好きな岩場というのは感慨深かった。

ロープに体重を預けることなく登り切れて一安心。3ピッチ目の核心はかなり危なかったが。笑

カムによるプロテクションもまだ不慣れで、支点構築は初の実戦だったが、落ち着いて無難にこなせたと思う。イレギュラーケースへの対応など、まだまだ覚えなきゃいけないことはたくさんあるけど。

グレードはどのピッチも5.10もないんだけど、下部3ピッチは割としっかりクライミングという感じ。今回は濡れている部分があり、少し難しくなっていたのもあるけど。

核心の3ピッチ目を抜けると、残りのピッチはビレイポイントも含めて快適。景色が素晴らしく、岩もパリパリだった。

10時頃に1ピッチ目を登り始め、13時半頃に最終7ピッチ目の終了点。登攀開始から完了まで約3時間半

この日は大雨の翌日だったためか、それほど人は多くなかった。ちょうど我々の前後に1パーティーずつ登っていたが、ペースが同じくらいだったので、特にストレスはなし。

日によってはかなり混むらしいので、特に僕のようなマルチ初心者の場合、朝早く来るのが無難かもしれない。ただでさえ慣れない支点構築など、混雑していたらプレッシャーを感じて焦ってしまいそうだ。

早く登り終えて時間が余れば、ローソクや祠エリアなどで遊んで帰るのも悪くないと思う。

今回の初マルチは、登山をやっていた頃の気持ちを思い出させてくれた。シングルピッチのハードルートはまさにスポーツという感じだが、どちらかというとアドベンチャーのような。

先週のクラック&トラッドに続き、一応これでマルチピッチも出来るようになったので、今年の夏は色々なクライミングを楽しみたいと思う。

おまけ(小鹿野町のジム情報)

大雨だった前日土曜は、小鹿野町にあるクライミングパーク神怡舘でジムトレ。

存在は知っていたけど、二子は多少の雨なら登れるので、行くのは今回が初めて。

もともとは何かの記念館だったらしく、クライミングジムとして外観は独特だが、ベースキャンプによる監修と豪華セッター陣。課題はとても楽しかった。

恐らく都内のジムは激混みの日だったと思うけど、神怡舘は広くて空いていて快適だった。

クライミングパーク神怡舘

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ABOUT ME
きい
きい
登ったり滑ったりする人
1988年生まれ、愛媛県出身
東京の北西部に住み、週末は専らさらに北や西に出かける
仕事は電機メーカーのエンジニア
クライミング:2021年からリード&外岩を始めて本格的に
スキー:2017年からバックカントリーにハマる
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