クライミング日記

【御前岩】アスリーツボディ、まさかの2撃

きい

クライミング日:2024年10月19日(土)

今回のクライミング

先週はようやく秋らしくなったと思ったのに、また蒸し暑くなって半袖生活に逆戻り。さらにこの日の東京は30℃超えの予報で、史上最も遅い真夏日になるとか…。

前日金曜は雨、当日も午後から雨予報。レストも考えたけど、ダメ元で近場の御前岩へ。

自宅から御前岩へは下道で1時間もかからないんだけど、石灰岩シーズンのほとんどを二子山・弓状エリアで過ごしてきたので、まだトータル5日くらいしか行っていない。笑

染み出しの状況

今シーズン初の石灰岩。今年の秋は、天気が悪い日が多い気がする。

同日、二子山に行っていた知り合いの話では、弓状はエリアは壊滅状態だったとのこと。去年に比べると、なかなか染み出しが収まらない。

ドラゴンロック

ドラゴンロックはまだビショビショ。まともにトライ出来そうなのは、グレイハウンド(7c)くらいかな。

エレファントロック(東面)

エレファントロック東面。ところどころ濡れているけど、わがままボディ(7a)より右は登れる状態。それより下はまだ状態が悪い。シーズン序盤ということで、特にルート下部はかなり汚れている。

写真撮り忘れたけど、北面は概ね大丈夫そうな感じだった。

✅ハートブレイク(6c+), Re

定番のアップルート。シーズン真ん中だと、朝は順番待ちになるけど、この日は空いていて登りたい放題。クールダウンで帰り際にも登った。笑

ハートブレイクを登るハルカさん

基本的にはガバで、たまーに小ガバが出てくる程度。それなのに気持ちよく休めるところは意外に限られていて、慣れないと終了点は限りなく遠く感じ、文字通り途中で心が折れる。ライン取りも悩ましい。

もう何度も登っているけど、毎回ムーヴが違う気がする(笑)。だけどシーズンを重ねるごとに、どんどん楽に登れるようになってきている。成長を実感。

朝は晴れていて、陽が当たるルート上部はまるで真夏!滝汗かいてアップ完了。

✅アスリーツボディ(7c+), 2go

ルート解説

平山ユージさん初登のルート。

岩場に着くと、真っ先に目に飛び込んでくる大迫力のカンテライン。初めて御前岩に来た時に衝撃を受け、ずっと憧れだった1本だ。御前岩の看板ルート

終了点を除いて7ピン。どこから取り付くのかわかりづらいけど、3P目までは難しくない。レストも出来るので、実質ここから。

3~5P目はライン取りが悩ましい。

カンテに出て、5~6P目が核心。ここは縦ホールドが多く、スタンスも限定されている。水平ガバを取るまでのムーヴの組み立てが悩ましい。水平ガバに近づくにつれ、ホールドが悪くなっていく感じで、ここはランジで突破する人もいる。

上部はガバが多くなるけど、傾斜が強く、パンプとの戦い。

ちなみに、核心後は右回りと左回りがあり、初登は右回り。左回りの方がやや易しい?という話。

最後はランナウトするが、傾斜が死んで完全に立てる気持ちの良い終了点

トライ

1便目

3P目のレストポイントまでは問題なし。そこから5P目まではライン取りに迷ったけど、それほど難しくはない。

問題の核心部。手のホールドは結構選べて、それほど悪くはないけど、いずれも縦ホールドでどう効かせるかが悩ましい。

困ったらすぐ飛びがちな僕は、やはりランジムーヴになった。サイファー気味に、左手で水平ガバを取りに行くこともできそうだったが、やや右手の方が出しやすい。

数回目で、割とあっさりランジが止まった。止めた後の足置きもポイントで、水平ガバをマッチするまでが核心といった感じ。

核心後は、100岩の表紙にもなっている右回りに興味はあったけど、導かれるままに左へ。

上部はかなり傾斜を感じるけど、基本的にはガバ。ヒールフックが使えるところが多く、腕の負荷はそれほど高くない。1箇所、小悪いところがあるものの、その前で多少休めそうだ。

ランナウトもクリーンフォールだと思われたので問題なかった。最後の数ムーヴはウイニングラン。

それほど時間もかからず、あっさりムーヴは解決。あれ?そんなに難しくないな…。

実は繋げると難しくなるのだろうか?

2便目

1便目はテンテン状態で、まだそれほどムーヴが固まっている訳ではないけど、一応狙う。

核心部まで、それほどダメージなく到達。ランジの発射体勢を作るまでの4~5手で急にキツくなるが、思い切って飛ぶ。

止まった!が、その後の足どれだっけ!?

しばらく空中で足をバタバタさせ、ようやくシューズが着陸。なんとか水平ガバに左手をよせるが、一気に腕が張ってクリップできない。

左回りに少し入ったところでクリップ。ようやくシェイクを入れる。2便目でここまで来れると思ってなかったが、せっかくなら決めてしまいたい。

その後はなんとなく出来ると思っていたので、あまり細かくムーヴは決めてなくて多少迷ったけど、行ったり戻ったりする余裕があった。

ハングを乗っ越して勝利を確信。終了点にクリップしてテンションコール。

なんと出来てしまった…。

僕にリードクライミングを教えてくれた、ホームジムのオーナーは「2便でも100便でも、オンサイトとフラッシュ以外はただのRPだよ」と言っていたが、これは嬉しい!

逆光だったからだろうか。動画を撮ったら、なぜかカンテが二重に見える。カメラ(スマホ)の問題?

グレード感

特別7c+として甘目という話は聞かないけど、あまりにも僕のリーチや得意ムーヴがハマったのだろうか。正直、ソフトめの7cくらいに感じた。

アスリーツボディとよく比べられるのは、お隣のDr.メイジ(8a)。メイジは甘目という声が多いみたいで、アスリーツよりも苦労せずに登れたという話も少なくない。

もう1つよく聞くのが、二子山のおいしいよー(5.12c)との比較。おいしいよーはフレンチだと恐らく7c+ど真ん中で、アスリーツとちょうど同じくらいの難易度という話。

メイジは触ったことがないのでよく分からないが、恐らくずっと一定以上の強度が続く持久系。一方のアスリーツは、僕の感覚だと難しさは核心部に集中している。

おいしいよーは2年前に登っている。核心はアスリーツに比べると易しいけど、とにかく休みどころがなく、持久要素の面ではアスリーツより圧倒的に難しい。

もちろん、必ずしもかかった便数と、ルートの難易度が比例する訳ではない。アスリーツは登れる人はすぐ登れるけど、多くの人にとっては核心が大きく立ちはだかるルートなのかもしれない。

リーチによる差も大きそう。

ふりかえり

憧れのアスリーツボディ、自分でもびっくりの2撃。

1便目で、「ワンチャン今日登れるかも」とは思ったけど、まさかその次の便で繋がるとは思ってなかった。会心のトライ。

暑かったのは朝だけで、すぐに曇ってきて思ったよりも快適だった。休憩中はフリースを着ていて丁度いいくらい。雨もほぼ降らず、安定のヘッデン帰り。

ハートブレイクで最後の追い込み中のかいてぃー

毎年、シーズン1回目の石灰岩では、夏の花崗岩修行の成果を感じる。

圧倒的に使えるフットホールドが増えている。去年ガバカチだと思っていたホールドは、もはやただのガバに。

現在、花崗岩では小川山のちゃびんば(5.13b)に絶賛苦戦中。アスリーツボディ(7c+)は一般的な日本のデシマル換算だと、一応5.13aなんだけど、とても1グレード差には感じんなぁ。

ちゃびんばは薄被りのカチフェイスで、得意系だと思うんだけど、やっぱり石灰岩の方が向いてるのかな。

それはともかく、石灰岩は指皮に優しくてよき。あと花崗岩に比べると、温度・湿度などによるフリクションの差が小さいので、濡れてさえなければ高グレードにトライできる(乾き手の僕は特に)。

次はDr.メイジ(8a)をやってみたい。その前に、なんとかちゃびんばが登れるといいんだけど。

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  1. TKD

    デシマルで言うとアスリーツも明治も12dかなー
    辛いエリアだと12c。
    2撃はすごいー初見はトップアウトもできなかった。

    • きい

      まだメイジはトライ中だけど、
      もし弓状にあったらどちらも12cになってただろうね。

      一部の強い人しか関係ない話かもしれないけど、
      恐らくオンサイトしやすいのはメイジ。
      アスリーツは初見だと核心で落とされる可能性が高い。

      一方で、2撃とかワンデイしやすいのはアスリーツ。
      メイジは核心以外もそれほど簡単ではないから、
      下から上まで一通りムーヴを作るのに時間がかかる。
      メイジもワンデイ狙ったけど、
      探り終わった時には体も終わってた。

      • TKD

        明治は結構オンサイト多いよー
        まーなんちゅーかやっぱりある程度みんな数字の意見は登っている人たちは割と一致してるのよなー(どれとどれが同じグレードとか、これはこっちよりムズイとか)
        なんかやっぱり投票システムなんかなー十分平均値取れる気がする

ABOUT ME
きい
きい
登ったり滑ったりする人
1988年生まれ、愛媛県出身
東京の北西部に住み、週末は専らさらに北や西に出かける
仕事は電機メーカーのエンジニア
クライミング:2021年からリード&外岩を始めて本格的に
スキー:2017年からバックカントリーにハマる
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