【鳳来】はじめての鳳来:ガンコ岩2days(岩場解説あり)

クライミング日:2025年3月29日(土), 30日(日)
今回のクライミング
先週末、一旦ラストパウダーを堪能(以下の記事参照)したので、久しぶりの外岩連登。

しかし、関東は土曜が雨予報。東海エリアは土日両方晴れそうなので、はじめて鳳来に行ってみることに。
岩場解説
色々なエリアがある中で、一つのエリア(ガンコ岩)に2日行っただけなので多くは語れないが、備忘録的にメモしておきたい。
概要
愛知県にある大規模な岩場。鳳来クライマーは二子山・弓状の壁を「薄被り」と言うらしい。
これはメジャーエリアの鬼岩・ハイカラ岩がかなりの強傾斜だからなのだが、全てのエリアがどっ被りという訳ではない。
車でのアクセス
東京北西部の自宅から、休憩を除いて3時間ちょい。愛知と聞くとかなり遠い気がするが、小川山が2時間半くらいなので、思っていたほどは変わらない。
その理由はICを下りてからの近さにある。新東名から、最後は少し自動車専用道路を走り、鳳来峡ICを下りてわずか5分。
新東名は120km区間がほとんどなので、距離の割には時間がかからない。日帰りもできなくはないが、高速代とガソリン代が高くなるので、可能であれば泊まりで行きたい岩場。神奈川県勢はもう少し行きやすいだろう。
駐車場
以前は岩場に近い乳岩峡駐車場に止められたらしいが、現在は利用不可。


韋駄天ロックやパラダイスなど、一部エリアは鳳来湖周辺の駐車スペースの方が近いが、基本的には小滝橋駐車場を利用することになる。
もっとも、乳岩峡駐車場に止められていた頃も、そこはキャパが少なく地元勢で朝早く埋まっていたらしい。
小滝橋駐車場はかなりキャパがあるが、鳳来はハイカーにも大人気なエリア。今回の混雑状況は下で書いているが、小滝橋駐車場もハイシーズンは早々に満車になりそう。
アプローチ
小滝橋駐車場から(旧)乳岩峡駐車場まで、(そこそこのハイペースで)25分くらいの舗装路歩き。
ここは若干の登り坂で、自転車があると特に帰りはあっという間。もっとも標高差はさほどなく、どちらかというと水平移動に近いので、体力的には歩いても大したことはない。綺麗な川沿いの道路で、散歩気分で気持ちいいし。

(旧)乳岩峡駐車場には水洗トイレがあり、ここからトレイルに入る。ハイキングコースとして整備されているので、非常に歩きやすいし、景色にも癒される。
今回行ったガンコ岩は、(旧)乳岩峡駐車場から(そこそこハイペースで)25分くらい(小滝橋駐車場から計50分)。急登というほどではないが、ずっと登りが続くので、帰りはもう少し早い。
一番近いひょうたん岩は、(旧)乳岩峡駐車場からわずか10分ほどで、標高差もほとんどないらしい。
一方、メジャーエリアの鬼岩・ハイカラ岩は、(旧)乳岩峡駐車場から1時間くらい(もっと?)かかるとのこと。小滝橋駐車場からだと約1時間半。こちらは標高差もがっつりある。それでも混んでいるというのだからすごい。
アプローチ時間はハッキリ言って長いが、小川山などと比べると迷う心配はあまりなく、景勝地のハイキングコースなので悪くはない。
シーズン
日当たりが良いエリアは冬でも(寒さに強ければ)登れそうだが、基本的には春・秋の岩場だろう。
染み出しは少なそうだが、特別標高が高い訳でもないので、夏も結構キツイと思う。
岩質とルート
岩質は凝灰岩らしい。凝灰岩の岩場というと、甲府幕や城山が思い浮かぶが、今回行ったガンコ岩に関してはもう少しガビガビした印象。有笠山のパスファインダーのあたりをマイルドにした感じ。
花崗岩ほどではないが、割と指皮には厳しい。
岩はちょっと脆い印象なので、特にプリクリ推奨のルートは素直にプリクリした方が無難だと思う。
ホールディングはポケットが中心になる。
鬼岩・ハイカラ岩はかなりの強傾斜らしいが、今回行ったガンコ岩も含め、垂壁から薄被りのエリアも多いらしい。
大きなガバは少ないため、低グレードはそれほどなく、基本的には中級者以上の岩場と言えるだろう。言うまでもなく、高グレード帯に関しては事欠かない。
グレーディングは特別甘くも辛くもなく、岩場全体としては標準的なようだ。
エリア解説:ガンコ岩
今回2日間登ったガンコ岩について。1階と2階に分かれているが、数分で行き来できる。全体的に薄被りくらいのルートが多い。
それほど広くはないものの、1階と2階それぞれに平らなスペースがあるので、混まなければ快適。
方位としては、2階でいうとTHCがあるのが東面、木漏れ日を浴びてがあるのが南面になるのかな?THCの面は午後から日陰になるが、木漏れ日の面は陽が当たる時間が長い。周辺を木に囲まれていて、ルート下部は木陰が多かった。
今回は寒の戻りといった感じで3月下旬としては気温が低く、特に2Fは風が抜けて寒かった。
この週は金曜の早朝にかなりまとまった雨が降ったようで、アプローチ中は地面が濡れている場所があったが、土曜の時点で1階は全く問題なし。2階も半分以上のルートは登れる状態だったが、ビッグウェイブのあたりは日曜まで流れ込みの影響が残っていた。
周辺情報
鳳来峡ICを下りてすぐのところにファミマがある。
飲食店は新城市街地まで行けばいくつかあるが、近い店でも鳳来峡ICから片道15分くらいかかる。
帰りの夕食は新東名のサービスエリアで済ますのが、時間的には効率的だ。近くで規模が大きいのは浜松SA。
宿泊
今回泊まったのは民宿ながら。小滝橋駐車場までは25分くらい。オーナーさんがクライマーを快く受け入れてくれている印象だった。
小滝橋駐車場のすぐ近くにもペンションがあるが、食事のことなどを考えると、新城市街でもいいと思う。
Day1(Saturday)
小滝橋駐車場に8:00前に到着。車の埋まり具合は8割程度。
❌やじまる(5.11c), 1go
2~3P間で見えないリップガバを取る一手がかなり距離がある。さらに、細かいポッケやカチでハングを乗っ越すところも悪い。
上部は傾斜がないので、持久要素は低いのかもしれないが、5.11台としては強度が高い。
ガンコ岩2階で一番グレードが低かったからアップで取りついたんだけど、5~6回テンションしてなんとか抜けた。笑

❌ユージコー(5.12c), 6go
ルート解説
見栄えのするカンテ沿いに引かれたルート。すぐ右にあるTHC(5.12b/c)とは対照的に、ボルダー力が問われるルートだが、持久要素も決して低くはない。
2P目までは難しくないが、特徴的なクロスムーヴから力を使う3クリップ目。そしてカンテにある2つのブラインドポケット+ピンチから、3本指オープンホールドを取りにいく一手がとにかく悪い。
上部は5.11前半の強度だが、核心のパンプを引きずってあまり休めないまま突入するので、持久力勝負になる。
カンテルートであることからバランシーなムーヴが要求され、フットホールドも繊細。花崗岩クライミングのような要素もある。
トライ
1便目で一通りムーヴはバラせて、感触としては悪くない。2便目から早速狙っていくが、核心の3本指オープンホールドがとにかく止まらない。
そこだけやっても難しく、止まる時と止まらない時の違いがわからない。さらに、取り付きから核心までも長くはないものの、思ったより力を使わされてヨレる。
結局6便出したけど、繋げて3本指オープンは止まらず。フリクションにも大きく影響を受ける印象(ヨレてただけ?)で、最後はバラシでもできなくなった。
この一手が止まればあとはいける気がするんだけど、明日はどうだろうか…。
おまけ

ユージコーは午後から陽が当たらず寒かったけど、木漏れ日を浴びての面は暖かそうだった。
夜は薬局の隣にある台湾中華へ。他に何組かいたけど、みんなクライマーだった。笑
この中華屋で、2ヵ月ほど前に沖縄・辺戸岬(以下の記事参照)でお会いした関西のクライマーさんと再会!ホントに狭い世界だね。

Day2(Sunday)
昨日はやや雲が多かったが、この日は快晴予報。

小滝橋駐車場には7:30ちょい前に到着。そしたらビックリ。ほとんど駐車場埋まってる!
なんとか脇の方にスペースを見つけて駐車。大半はハイカーだろうか。
止まっている車はほとんどが愛知や静岡など、東海地方ナンバー。関西ナンバーもちらほら。関東ナンバーはほぼいない。
昨日と同じアプローチでガンコ岩に向かっていると、すでに下りてくるハイカーの姿も。ハイカーの朝は早い。
✅冷たい男(5.11a), FL
ガンコ岩2階は11後半以上しかないが、1階はもう少し低グレードが揃っている。冷たい(やつ)と読むらしい。木陰が多いものの、朝から陽が当たっている。
見た目の良い綺麗なフェース。基本的には小ガバが続く感じで、中間部手前くらいが核心といえば核心だが、特別悪いところがなくてアップに良い。
腕が張ってきたところでホールドが大きくなり、上部は気持ちよく登って終了点へ。
100岩では△マークが付いているけど、特に問題なかった。以前は岩が脆かったのだろうか?迷いチョーク付き過ぎでホールド選択に迷うぐらいだったので、少なくても今はよくトライされているようだ。
✅ユージコー(5.12c), 3go(計2d9go)
トライ
昨日に続いてユージコー。アップ後の便は核心手前であっさりテンション。強度が高いルートなので、冷たい男では負荷不足だった。
この日の2便目(計8便目)。昨日にも増して寒く、アプローチを少し下りてまた登り、体を温める。今度は下部から順調。

特徴的なクロスムーヴから、力を使う3P目のクリップ。ここも問題なし。

ブラインドポケットとカンテピンチを合わせたような持ち方。ここは同じようなホールディングが2手続くが、特に2つ目の保持が次の核心ムーヴにおいて重要。

核心はまずスタンスが超繊細。

こんなダイナミックなムーヴで取りに行くホールドとしては、かなり悪い3本指オープン。しかしついに止まった!

さらに右手を上のカチに送る。この一手も強度があるが、なんとか押さえる。

しかし、この時点ですでにドパンプ!カチが保持り切れずに何度もしゃくり直すが万事休す。次第にヒジが上がり…

マジかー!カチ取ったら終わりだと思ってたのに!
これは思った以上に難しい…。繋げるとめっちゃヨレる…。右カチの次の左手からはホールドが良くなるのだが、その先の5.11前半パートも繋げたら相当キツそうだ。
かなりパンプしてしまったので、ちょっと時間を空けてこの日の3便目。昼過ぎは太陽位置の関係でかなり眩しいので、そうなる前にトライ。
下部はすでに慣れた。またギリギリではあったが、3本指オープンを止める!
先ほど落ちた右カチをなんとか保持して左手を出す。止まった!
しかし想定していた通り、ここから大奮闘だった。ホールドはどれもそれほど悪くないんだけど、カンテ沿いで体重を殺しづらく、腕に負荷がかかる。
唯一両手を入れ替えて休めるポイントでも、すでにパンプし過ぎていてレストにならない。一か八か、そのまま進む。
一手一手剥がされそうになったが、気合いでビクトリーガバに到達し、終了点前最後のクリップ。
ここから先はガバのビクトリーランだけど、そこも辛いくらい腕が張っていた。プルプルで終了点にクリップ。
なんとか太陽が眩し過ぎない内に登れたが、カメラアングル的には最悪のタイミングだったのか、動画撮ったんだけど逆光・真っ暗だった。笑
グレード感
この日は晴れてたけど気温は低く、風が強くてフリクション抜群。そこまで苦手要素はなかったと思うんだけど、5.12cとしてはかなり難しく感じた。
御前岩でいうと、これまで登った7台のどのルートよりも難しい。アスリーツ(7c+)とかDAIJA(7c+)も含め。
まず核心の一手だけやっても相当強度がある上、核心までもそれなりにヨレるので、かなり確率が下がる。
そして休めないまま上部へ。ハッキリ言ってどこでも落ちられる。
個人的には、5.13a登れた時と同じくらいの充実感があった。とても良いルートだと思います。
❌THC(5.12b/c), 3go
ユージコーをなんとかRPし、まだ半日ある。とにかく寒くて、午後から日差しが当たる木漏れ日を浴びて(5.12a)をやろうかと思ったけど、THCが幸い空いている。
昨日は流れ込みで濡れていたが、今日は乾いて問題なし。
ルート解説
100岩には、「東海ルートベスト10で堂々1位」という大それた紹介文が。鳳来は少し★多過ぎて、逆に何も付いてないルートが悪目立ちするくらいだが、THCももちろん四つ星。
垂直よりやや被っていて、スッキリとした見栄えの良いフェイス。贅沢にそのど真ん中を真っ直ぐ貫くルート。登攀意欲がそそられる。
ユージコーは持久要素がありながらも、やはり強度は核心に集中しているが、THCはザ・持久系。
終了点を除いて8クリップ。長さも十分。
下部はやや傾斜が強いが、3P目までは比較的ホールドが大きく難しくない。しかし、ここから最後までひたすら細かいホールドが続く。
5P目と8P目に(相対的な)小ガバがあり、この2カ所はそれなりに休めるが、他は繋げるとどこでも落ちられる。
しかも、終了点目前のビクトリーガバを取る一手も核心という痺れる構成。
他にも顕著な落ちどころが3カ所ほどあり、それぞれムーヴがあるので登っていて飽きさせない。
スタンスも細かいが、こういうルートを繋げるコツは、いかに足で登るかなのだと思う。

トライ
1便目でまずは上まで抜ける。核心と言ってもいいポイントが4つほどあるが、いずれもユージコーに比べると強度はない。
しかし、下部を除いて楽勝と言えるパートもなく、ムーヴを覚えるのが大変。特に重要なフットホールドや足順は、1便だけだと覚え切れない。
2便目では記憶の精度を高めつつ、色々なところでムーヴ改善。中継ホールドが使える場面が多いので、繋げたら距離が出なさそうなパートはなるべく刻む。
この日の最終、3便目。とっくにTHCの面には陽が当たらず、風も強くて真冬並みに寒い。1階のさらに下まで降りて、なんとか体を温める。
ノーミスの良いトライだったんだけど、さすがにヨレていた。中間部を過ぎたところでフォール。
これは繋げるの大変だな。フレッシュな状態でトライしないと何とも言えないし、いつも通りグレード感は登れた時に書きたいと思うけど、少なくとも5.12b/cの「b/」はいらないんじゃないかな。笑
ふりかえり
はじめての鳳来クライミング。ユージコー(5.12c)とTHC(5.12b/c)、性格の異なる2つの人気ルート。THCは宿題になっちゃったけど、どちらも素晴らしい内容で楽しめた。
しかし、やはり鳳来と言えば超強傾斜といわれる鬼岩・ハイカラ岩。大変なアプローチにも関わらず、通うクライマーが絶えないというのは、やはりその質が素晴らしいからなのだろう。まずは一度行ってみたい。
帰りは浜松SAで夕飯食べて、それなりに遅い時間だったけど、秦野あたりで渋滞。冬シーズンも鳳来に何度か行っていたモトハシさんやかいてぃーによると、これまで渋滞はほぼなかったそうだが、暖かくなってきたからだろうか。そういえば、夏はあれだけ渋滞する中央道・小仏トンネルも、冬は空いてるよね。
ロングドライブとロングアプローチ、さらには朝の駐車場争奪戦。関東クライマーにとっては、なかなか大変な岩場ではある。
日帰りできなくはないけど、交通費的にも基本は泊まりで行ける時かな。