【北川の岩場】秋葉大権現RP

きい

クライミング日:2025年6月8日(日)

今回のクライミング

前日は小川山・屋根岩5峰(以下の記事参照)で帰りが遅くなったので、翌日曜は近場でクライミング。

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初めて北川の岩場に行ったのは、2023年6月17日。今回は2回目で、約2年ぶりだ。

東京都福生市にある自宅から、車で1時間もかからない。アプローチも5分強。とても気軽に行けてしまう。

ということでのんびりしていたら、岩場到着が昼前になってしまった。笑

駐車スペースのすぐ横にある賽銭箱に、駐車料金として¥500を入れるのを忘れずに

❌北落師門(5.12a), Re

はじめての5.12が北落師門というクライマーは結構いる。甘めの5.12aという声が多いようだ。

前回、このルートのマスターオンサイトを狙って北川に来たが、最終クリップ直後のマントルでフォール。

ちなみに、2便目も余裕ぶっこいて落ちてしまい、3便目でRP。笑

中間部のノーハンドレストまではライン取りが難しい。オブザベ力が問われるパートだ。

ハング帯は基本ガバだが、距離出しが必要で、ここでヨレるとバラせば難しくないマントルが豹変する。

全然覚えてなくて、テキトーに取り付いたら下部でテンション。上部も気付いたら錦ヶ浦(5.12c)のラインに入り込んでしまった。笑

これでも整理されたらしいが、コンパクトな岩に多くのラインが引かれており、どこにクリップすればいいのか分かりづらい。

✅秋葉大権現(5.12b), 3go(2d6go)

さて、この日の本命、秋葉大権現。2年前の前回、北落師門を登った後に3便出し、なんとかバラせたものの、すぐに繋がる感じではなかった。

2年間の成長はいかに。

ルート解説

秋葉大権現(5.12b)

岩場の右端にあるかっこいいフェイス。

出だしにパワーとテクニックの両方が必要なハング越え。ここが核心部で、リーチ差が出やすいところ。

1P目はプリクリが一般的なようだ。しかし、2P目の直前で落ちると、結構地面ギリギリ。クライマーとビレイヤーで体重差がある場合は特に注意。

最初にたっぷり前腕を使わされ、そこからストレニなカチ前傾壁。北落師門や錦ヶ浦があるハングに比べると傾斜はないが、それでもしっかり被っている。

マントル直前でようやくガバ。そこで結構休めるので落ちないとは思うけど、リップを止めるところが絶妙な難しさで、ちょっとしたスパイスになっている。

ボルダー力と持久力、両方問われる好ルート

トライ

1便目

2年前に作ったムーヴは全く覚えていないので、また1から。

やはり簡単ではないが、記憶よりも負荷が小さい。ジムで苦手なルーフ頑張ってる成果かもしれない。

上もテンテンでバラす。1便目で繋がるイメージが持てた。当たり前だが、この2年で持久力も伸びている。

2便目

2年越しのday2ではあるが、気分的には2撃狙い。

1便目でのムーヴ作りが雑だったようで、出だしからもたつく。

2P目のクリップホールドを取る一手

2P目の直前でフォール。

ここまで落ちる

後から動画で見ても、かいてぃーのビレイは完璧だったが、それでもここまで落ちる。

もう一度、下部核心の一連の流れを確認。上部は自信があったのでそのまま下りた。

3便目

しっかり休んでから3便目。

リップのガバカチを止める一手

甘い右手のサイドアンダーピンチ?から、リップのガバカチを止める一手。女性にとってはこのワンムーヴが圧倒的核心

リップのマッチ

右足トウフックからマッチ。さらに右手を丸っこい下引きカチ、左手を斜めガバカチと繋ぎ、先ほど落ちたワンムーヴ。

2P目クリップホールドを止める一手

巨人には辛い強制ハイステップ。この右手も止まった!2P目にクリップし、まずはグランドフォールの緊張感から解放される。

しかし、持久的にはここからが本番

3P目のクリップホールドは、ルート上部を除いて唯一ガバと言ってもいい、右穴サイドホールド。

両手を入れ替えてシェイクできるが、それほど休める感じではない。下部核心を完璧にこなし、それほどヨレてなかったので、そのままノーレストで上へ。

しかし、ずっとそれなりの強度が続き、徐々にパンプしてくる。

右手ガストンデッド

構成的には、この右手ガストンデッドが第二核心。バランシーな体勢で、思い切りが必要。

やや甘掛かりで落ちたと思ったけど、なんとか堪えた!

そこから2手で大ガバ。しっかり休んでからリップ止めの一手をこなし、簡単なマントル、そしてウイニングランのスラブ。

ウイニングラン

できた~。

思っていた以上のパンプ。ほぼノーミスだったけど、第二核心の右手ガストンデッドはかなり危なかった。自分でも納得の良いトライ。

体感グレード

これはど真ん中5.12cと言っていいと思う。

下部核心のボルダー強度は高く、いきなり消耗するので、持久力がないと上まで持たない。

ハング越えの最初の一手はかなりリーチが活きるし、その後も薄被りの傾斜、そしてカチカチのホールドでの引き付け・距離出し。僕の得意要素が詰まっていた

それにも関わらず、上部はドパンプでギリギリ。5.12bってもっと簡単だと思う。

北落師門とは少なくとも2グレード差、下手すると3グレード差あるかもしれない

この岩場で苦労して北落師門を最初の5.12として登り、「では次は5.12bを…」と目論むクライマーからすると、かなり面食らうだろう。

✅謙譲の美徳(5.11a), Re

前回、北落師門のオンサイトトライ前、アップで登ったルート。かなりパンプし、ギリギリだった記憶がある。

中間部よりやや上、凹角に這い上がるところが核心。ホールドは掛かりが甘く、窮屈な体勢での足上げが辛い。

下部のアプローチを除いて極端なガバもなく、これまた核心部の難しさと持久のバランスが取れた良いルート。

やっぱりかなり腕が張った。5.11aとしては難し目で、5.11bでもいいかもしれない。

ふりかえり

車でのアクセス、徒歩でのアプローチに優れた岩場で、半日のお手軽クライミング。

都内は30℃近い気温の日だったが、岩場は木々に囲まれて日陰が多く、さすがに登っていると暑いが休憩中は快適。ちなみに、冬は風が抜けてかなり寒いらしい。

最近は気持ちの入らないトライが多いんだけど、今日は良い登りができた。2年ぶりの岩場で、長い目で見ると成長していることも改めて実感。

次来る時は錦ヶ浦。北川の大ハングを真っ直ぐ貫く、カッコいいラインだ。

仲間の話では、やはり秋葉大権現は5.12cの範疇にあるものの、錦ヶ浦の方がやや難しいとのこと。しかし、秋葉の下部核心ほどの強度があるパートはなく、持久要素が強いらしい。

岩の規模としては小さく、上級クライマーだと割とすぐに登り尽くしてしまうかもしれないが、コンパクトにまとまっていて居心地が良く、ルートの質も高い良い岩場。

攻めた角度で止められていたかいてぃーのジムニー

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きい
きい
登ったり滑ったりする人
1988年生まれ、愛媛県出身
東京の北西部に住み、週末は専らさらに北や西に出かける
仕事は電機メーカーのエンジニア
クライミング:2021年からリード&外岩を始めて本格的に
スキー:2017年からバックカントリーにハマる
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