【小川山】屋根岩4峰とその周辺

takusuku

アプローチなど

今回のクライミング

メンバーはモトハシさん、かいてぃー、みずかみさん、僕の4人。

初めてとなる屋根岩4峰へ。前日のレッド&イエローエリアに続き、2日連続の5.12aハットトリック(ぱお、アイアンマッスル、JACK参上)を狙いたい。

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アプローチ

屋根岩4峰の「ぱお」という岩峰へ行く場合、空中決戦(5.12a)などがある屋根岩5峰・ガメラ岩と最後の方までアプローチは同じだ。

ガメラ岩へは「私の傾斜(5.11b)」の向かって左側のフィックスを辿っていくが、ぱおに行く場合は右奥のフィックスを上がる。

ガメラ岩へは何度か行っているが、ほとんどいつも仲間について行ってたので、途中で間違って3峰に出てしまった。ここから4峰に直接行こうかと思ったけど、トラバースは所々途切れていそうだったので、一旦途中まで下りる。1時間近くかかってぱおに到着。朝から滝汗

迷わなければ40分くらいのアプローチだろうか。ガメラ岩より若干楽だけど、それほど変わらない。

ぱおのすぐ上に岩のトンネルがあり、これをくぐってフィックスを下り、少し歩くと「エビのシッポ」と呼ばれる岩。ぱおから5分くらいかな。

アイアンマッスル(5.12a)は、屋根岩4峰南壁にある。今回はぱおの後に行ったので、私の傾斜まで戻り、そこから下りて行けばスキーヤーズレフトに4峰南壁の「ノイズイノ(5.10b)」が見える。

ノイズイノを左に見ながら50mくらいトラバースすると、左手にルンゼが見えてくる。ルンゼを登り切ったところにアイアンマッスル。

ノイズイノを右に見ながらトラバースすると、数分で5峰正面壁で、すぐにJACK参上(5.12a)が見つかる。

ちなみに今回は行かなかったけど、さらに奥へとトラバースして行くと5峰奥壁。突き当りには、2シーズン前にやったけど登れなかった「パンキンプンクン(5.12a)」。JACK参上からパンキンプンクンまでは、5分くらいだった記憶。

天気とコンディション

前日に続き、この日も一日中晴れて暑かった。大気の状態が不安定という予報が出ていたけど、幸い夕立もなし。

エリア解説

屋根岩4峰ぱお

全体的に傾斜していて、平らな場所は少ない。露出狂時代(5.12b)の取り付き辺りは平だけど、南向きなので陽の当たる時間が長い。

ぱお(5.12a)は東向きのため、午後からは涼しそう。

アップが悩ましい。5分くらい歩いたところにある「エビのシッポ」には易し目のルートが何本かある。

屋根岩4峰南壁

ノイズイノ(5.10b)の周辺が割と平で過ごしやすい。南向きだけど、木陰も多い。

アイアンマッスル(5.12a)に行くには、ザレた急登のルンゼを上がる必要がある。距離は長くないけど、バックパックはノイズイノ周辺に置いていった方が楽かもしれない。

アイアンマッスル取り付き付近は広くはないけど、両側に岩壁があってあまり陽が当たらず、岩穴が天然クーラーになっていて涼しい。

各ルート解説と成果

✅見返り美人(5.10c) mOS

まずは「エビのシッポ」にあるこのルートでアップ。若干ライン取りが悩ましい箇所があるけど、概ねクセがなくて登りやすい。やや前傾していて、適度に腕も張るのでアップ向き。

✅ぱお(5.12a) 3go

小川山本に載ったことで認知され、昨シーズンはかなり人気だったとの話。

それなりに傾斜も長さもあるけど、難しさは中間部と上部の2カ所の核心に集中している。核心以外は基本的にガバで、壁が割と立体的なので、体勢を工夫すればかなり休める。

中間部の第一核心は、ハチの巣のような形をしたサイドアンダーホールドの処理。ここはとにかく右足が悪く、結局できる時とできない時の差がわからなかった。

上部の第二核心は、一見ホールドが細かく面食らうけど、ムーヴが決まればそれほど難しくなかった。

1,2トライ目は第一核心でフォール。3トライ目でなんとか登れた。

✅アイアンマッスル(5.12a) 2go

花崗岩らしからぬどっ被りルート。

出だしはそこまで傾斜はないけど、最初が一番難しい。ここは1P目のやや左下から入るラインと、やや右下から入るラインの2通りがありそう。いずれにしても、1手目が強度のあるボルダームーヴ。

その後は基本的にガバだけど、とにかく傾斜が強く、スタンスが悪いのでめっちゃパンプする。中間部の岩が脆く、スメアすると表面のザラザラが大量に落ちるので、ビレイヤーは要注意。

上部の距離のあるガバ穴取りが繋げると難しい。マントルも気が抜けない。

どこでも休めるけど、休めば休むほど逆にヨレていく気がするストレニ系。強傾斜好きにはかなりオススメ

❌JACK 参上(5.12a) 1go

ちょっと足を延ばし(と言ってもノイズイノから数分くらいだけど)、屋根岩5峰正面壁へ。この日3本目の5.12aを狙う。

出だしは易しいが、フェイスから右のカンテに出るところで行き詰まる。いくつかムーヴを試したが、全く出来ない

その後はカンテ沿いを登っていくが、ここもホールドがスローピーで難しい。ほぼほぼエイドクライミングで終了点まで行ってヌンチャク回収。

✅ノイズイノ(5.10b) mOS

ここを登れと言わんばかりに、斜めダイクが長く美しく伸びている。龍脈門(5.13a)を思い出す。

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下部はそれほど難しくないけど、落ちることが許されないピン間隔。ダイクは結晶が固められたような感じで、粒足に乗っている時は、「これがもし欠けたら…」と考えてしまう。

上部は難しい分、ピン間隔は短め。

所々、ダイク周辺にもホールドが散らばっているけど、手も足も主にダイクを使って登っていく。そのため、バランシーなムーヴが要求される。

龍脈門と同じで、ピンチはスローピー。たまにダイクが途切れている部分があり、そこは下引きできるガバになっている。

ソラマメ(5.10a)のようなフリクションスラブとは少し違って、保持力で誤魔化せる場面もあるので、なんとか登ることができた。

おまけ

梅雨明け直後の週末。久しぶりに2日続けて晴れたので、この日は気付いたら19時くらいまで登っていた。もちろんヘッデン下山

廻り目平に戻ったのは19時半ごろ。いつものように、金峰山荘で駐車券を渡すと、「すみません、19時過ぎると日帰り料金(¥500)ではなく幕営料金(¥900)になっちゃうんです…」。

知らなかった!まぁたくさん登れたからいいか。

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ABOUT ME
きい
きい
登ったり滑ったりする人
1988年生まれ、愛媛県出身
東京の北西部に住み、週末は専らさらに北や西に出かける
仕事は電機メーカーのエンジニア
クライミング:2021年からリード&外岩を始めて本格的に
スキー:2017年からバックカントリーにハマる
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