国内ツアー

白馬岳蓮華温泉ロッジ:BCスキーツアー

きい

山行日:2025年4月5日(土), 6日(日)

今回のBCスキー

この時期はスキーが唯一のアクセス手段となる温泉宿。

近年は雪不足で営業できないシーズンもある中、大量降雪の今年はバッチリ!…のはずが。。。

蓮華温泉インスタからの情報で、2月中旬に下見に行ったところ、なんと水が出ないとのこと。原因は不明で、復旧の目途も立たないらしい。

そういえば先日、山形県米沢市のスキー場で大雪による断水が発生し、臨時休業になったというニュースを見た。降り過ぎも困ったものだ…。

その後、幸いにも水は確保でき、3月20日より営業開始という発表が。しかし今度は、温泉の湯量が少なく入浴できるかわからないらしい。

せっかくの温泉宿なので、言うまでもなく温泉には入りたいが、来年はまた雪不足で営業中止という可能性もある。どうするか迷ったが、行ってみることにした。

予約開始日の3月14日にすぐTEL。少し暖かくなって温泉が湧いてくれることに期待し、4月5日(土)~6日(日)の1泊2日で予約した。

ハイクアップと滑走の様子

オンダさん、ゆきりんと早朝に合流。関越・上信越を経由して白馬に向かう。すでにスキーシーズンも終盤に入り、道路は空いている。

長野ICで下りてコンビニで2日分の行動食を購入し、今年2月から無料化された白馬長野有料道路を抜け、7時頃に栂池の無料駐車場へ到着。

さすがに麓の雪はかなり減ったが、今シーズンはあれだけ降ったので、ゲレンデはまだ下部も積雪十分。

ゴンドラ+ロープウェイ片道券(¥2,970)を購入。8時運行開始(8時少し前から動いてたみたい)のゴンドラ待ちの列も短く、ハイシーズンにあれだけいたYou達はどこへやら

ロープウェイ待ちの列

ロープウェイは8:30運行開始で、2便目に乗れた。

ロープウェイ自然園駅を出たところ

ロープウェイを下り、最後のトイレを済ませてからハイクアップの準備。この日は快晴予報なので、BC行く人がかなり多そう。

それにしても、春はロープウェイによってあの長い林道歩きがなくなる。ありがたい。

尾根上のハイクアップ(望遠レンズ使用)

予報通りのドピーカンで風もなく暑いが、早朝は放射冷却でかなり冷え込んだようで、足元の雪は硬い。

上の写真は望遠レンズによる圧縮効果もあるが、ここがバックカントリーであることを忘れてしまいそうになる人数だ。笑

自然園方面
暑くてロールアップスタイルのオンダさん

白馬の絶景を堪能しつつ、高度を上げていく。数日前に数cmほど降ったようだ。いわゆるいらない雪。笑

ハクノリの大斜面をバックに天狗原にて

あっという間に天狗原へ到着。天気が良いのでハクノリに上がる人が多そうだが、まだ雪が硬いこともあり、みんな写真を撮ったりしながらのんびりしている。

天狗原の祠

我々はハクノリ大斜面を滑ってから蓮華温泉に向かう計画だったのだが、雪が緩むまで時間がかかりそうなので、そのまま振子沢を滑ることに。まぁハクノリは同じメンバーで2月にも行ったしね(以下の記事参照)。

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【BC撮影】急に春!?栂池からドピーカンのハクノリへ
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祠の近くでシールは剥がし、しばらくはほぼ平坦。GPSでドロップポイントを確認。ピンクテープも見つかった。

1本目の滑走前

振子沢は北斜面。雪はどうだろうか。恐る恐るドロップイン。

1本目の滑走

1ピッチ目は綺麗なオープンバーン。雪は硬いところもあるが、薄っすらパウダーが乗っていて一応スプレーが上がる。笑

気は抜けないが、なかなか気持ちの良い一本だった。この時期としては十分合格点!

2本目の滑走

一旦フラットになってから2ピッチ目。板がよく走る。

それなりの斜度があるのはここまで。あとはもし深パウだと進まなそうな緩斜面だが、今日の雪なら問題ない。地形の変化も楽しい。

上で遊んでいたらストップ雪になっていただろう。真っ直ぐ振子沢に来て正解だった。

次第に沢が細くなり、トラバースが多くなる。高度を下げるにつれて徐々に雪も悪くなり、後半はただの移動という感じ。

それでも今年は雪が多いためか、沢底も割れているところはほとんどなく、苦労する場所はなかった。

木のピンクテープやマーキングがかなり短い間隔で付けられているので、特に迷うこともなさそうだったけど、一応GPSを確認しつつ先行者のトレースを追っていく。

1本目の橋

下調べでよく目にした橋のところに到着。写真で見ていたより雪が多い!

2本目の橋
2本目の橋

もう小屋はすぐそこのようだ。やや登っているところもあったが、シールなしでいけた。

雪倉岳

広い平らな場所に出た。この時期のテント場?

雪倉岳(アップで)

これがよく聞く雪倉岳か。確かに滑りたくなる山だ。遠そうだけど、2泊3日だったら行ってみたいな~。

蓮華温泉ロッジ

12時過ぎに早くもロッジに到着!

翌日は天気が悪くて帰るだけになりそうだったので、1日目にたっぷり滑ろうと話していたんだけど、上の雪が硬かったこともあって気付いたら下りて来ちゃった。笑

ここからは温泉満喫モード!

蓮華温泉ロッジ

まずは受付を済ませて中へ。料金は1泊2食付きで¥14,000。山小屋というより旅館のような雰囲気

部屋の様子
窓からの景色

部屋も雑魚寝ではなく個室。8畳の畳部屋で、3人の我々にとっては広くて快適だった。

廊下の様子

館内は綺麗で清潔感がある。トイレも水洗だった。

直前の情報によると、内湯はなんとか入れる状態になったものの、外湯はまだ厳しいとのことだった。

しかし、外湯も一カ所だけ入れるとのこと!宿のスタッフの方から、「今日は予約たくさん入ってて混むと思うから、行くなら早めがいいよ!」とアドバイスをいただく。

ロッジ前の広場
ロッジの裏側

部屋に荷物を置き、着替えとタオルを持って外湯に向かう。

外湯までの登り

外湯までは約15分の登り。スキーブーツということもあり、結構キツイ(笑)。もちろんシールを貼ってスキーで行ってもOK。

徐々に硫黄の香りがしてくる。

外湯の周辺

そしてついに到着!至るところから湯気が上がっている。

仙気ノ湯

下にあるのが仙気ノ湯。バックに朝日岳?などが入る定番の構図だ。ポスターなどでもよく目にする。

本来はここが実質男湯のようだけど、この日はとても入れないくらい温度が低い。数日前は普通に入れたそうなので、まだ湧き出しが安定しないようだ。

部屋に貼ってあった地図

この日、唯一入ることができたのが、一番高いところにある薬師湯。本来は女湯?という扱いなのかもしれないが、他が入れないので男性も薬師湯を利用。

ちょうど他パーティーの女性2人が入るところだったので、ゆきりんも混ぜてもらい、オンダさんと僕は仙気ノ湯のところで待つことに。

女性入浴中を示すプレート

女性3人が下りてきて男女交替。みんな「サイコーだった!」と満足そうだ。

薬師湯

いよいよ温泉とご対面!地形の関係で絶妙に下からは見えないが、もちろん更衣室もなく、超開放的!

仙気ノ湯より一回り小さく、ムリなく同時に入れるのは3~4人くらいだろうか。

源泉は手で触れないほどの高温。ショベルが置いてあるので、周辺の雪で温度調節するスタイル。

履いてはないけど安心してください

泉質とか難しいことはわからないが、間違いなくこれまでの人生で最も景色の良い露天風呂!

こんな快晴の日に来ることができて幸せだ。タイミングもよく、後からは誰も来なかったので、オンダさんと2人で絶景風呂を堪能させてもらった。

夏は近くまで車で来れるそうだが、雪景色はまた格別だと思う。スキーでやって来るというプロセスも感慨深い。

ポカポカ陽気なのでお湯から出ても寒くなく、のんびりと体を乾かしてから再び服を着る。風呂を出た直後にスキーブーツを履くというのも、もちろん初体験。笑

缶ビールを飲みながら我々を待っていたゆきりん

宿で缶ビールを買い、雪で冷やしておいて風呂上りに飲む人も多いようだ。

今度は生ビールのゆきりん

生ビールも購入可能。宿の前にはベンチがあり、絶景を楽しみながら飲める贅沢な場所。

部屋の様子

早朝に都内を出発したので、ここでちょっと昼寝。

パウダーがあったらこうもいかないが、春ならではの贅沢な過ごし方だ。そういう意味では、あの白い粉は本当に麻薬と言ってもいいだろう。笑

内湯の脱衣所
内湯

17:45からの夕食前に内湯へ。こちらは男湯と女湯で分かれており、好きなタイミングでいつでも入れる。

同時に10人くらいは入れる大きさ。蛇口はないので湯舟のお湯を使うことになるが、ボディーソープとシャンプーが置かれていた。

外湯に比べて濁りが強い。やはり詳しいことはわからないが、なんとなく濁っているとまさに温泉って感じがする。笑

ちなみに携帯の電波は入らないが、食堂とその周辺ではWi-Fiが利用可能。ちょうど大好きなF1の日本グランプリ予選の日だったので、DAZNでレッドブルに移籍したばかりの角田選手を応援。

いつも足がパンパンになるまで登って滑る我々にしては、珍しく大人な休日。たまにはこういうのもいいね。

雪が良いうちに振子沢を滑れたし、空いているタイミングで絶景露天風呂を満喫できた。ハクノリの大斜面はたぶんカリカリだったと思うし、結果的に早めに下りてきて大正解の一日。

2日目

この日はいつ雨が降ってもおかしくない予報。帰るだけではあるが、なるべく濡れずに帰りたい。

朝食のカレー

朝食は6時から。21時に消灯だったので、久しぶりにたくさん寝た。

朝のロッジ前

6時半過ぎに出発。ロッジの前でシールを貼る。

振子沢の登り返し

蓮華温泉からの帰りは木地屋に下り、そこからデポしておいた車かタクシーで栂池に戻る人が多いようだ。

確かにその方が体力的には楽そうだが、滑りを楽しむというよりは、移動中心のスキーツーリングといった感じだろうか?

今回は3人で車1台で来ていることもあり、我々は振子沢を登り返す。

振子沢の登り返し

途中から雪が降り始めた。凍結高度が1,500~2,000mくらいの予報だったので、雨も覚悟していたけど、一応雪で助かった。

しかし、風が強くて登っていても寒い。昨日はTシャツでハイクアップしたのに、今日はシェルを着用。

ポカポカのピクニック日和かと思えば、この時期の雪山は簡単に冬に逆戻りしてしまう。油断大敵。

基本的には滑ってきたところを登っていく。雪が多く、沢底も歩けるので快適だ。左右どちらかをずっとトラバースするのって疲れるよね。

次第に雪が強まり、薄っすらと積もり始める。これはもしかして、お帰り斜面はご褒美パウダー!?

天狗原が近づくと斜度が増してくる。昨日滑ったピンクテープのルートを離れ、最後は尾根上を登った。シールで踏むと、硬い雪の上に乗った薄パウが落ちるので歩きづらい。

ロッジを出てから3時間ほどで天狗原へ到着。しかし、ラストパウダー更新の期待に胸を膨らます我々を裏切るかのように、強風が吹き荒れている。そしてガスで真っ白で何も見えない!

ほぼ平らで、これといった目標物もないので、進んでるのか戻ってるのかすらもわからない。GPSを頼りに、なんとか祠を見つけた。寒さに震えながらモードチェンジ。

そこから先もほとんど視界がない。少しでも木があるところが良いだろうということで、ハイクアップで使った尾根の近くを滑るが、ほぼデッドレコニング滑走

パウダーなんて風で飛ばされて1mmもなく、カリカリ斜面でただの修行だった。笑

成城小屋前

高度を下げるとようやく少しは見えるように。成城小屋まで戻って来て一安心。言うまでもなく、ここから先はショートカットせず、素直に林道を滑って栂池へ。笑

幸い雪も止んだ。ガラガラのゲレンデを滑って駐車場に戻る。濡れることなく、11時頃に下りてこられた。

こちらもハイシーズンでは考えられないくらい人の少ない八方の湯で体を温め、静けさを取り戻した白馬村で昼食。

ここ数年、冬の白馬では専ら食事難民状態だが、春ならその心配もない。

唐揚げセット

向かったのは、ラッピーの隣にある「おばんざい&かふぇ ごま」。ヘルシーで美味しかった。素敵な山の写真がたくさん飾られた店内も良い雰囲気。

今回のメンバーは僕を含め、3人ともクライマー。まだ明るいうちに帰ったので、入間ベースキャンプで仕上げのジムボルダーセッション。色々やり切った。笑

相変わらずジムでは激弱w

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ABOUT ME
きい
きい
登ったり滑ったりする人
1988年生まれ、愛媛県出身
東京の北西部に住み、週末は専らさらに北や西に出かける
仕事は電機メーカーのエンジニア
クライミング:2021年からリード&外岩を始めて本格的に
スキー:2017年からバックカントリーにハマる
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