【瑞牆】LOL(Day1)とブラッド・ライン(Day3)

takusuku

クライミング日:2024年9月7日(土), 8日(日)

※上の写真は内容と関係なし(ゆびきりげんまんを登るガクさん)

今回のクライミング

先週末は超ノロノロ台風10号のせいで、珍しくジムトレ。2週間ぶりの外岩。

9月に入り、さすがに暑さのピークは越えた。朝晩は多少涼しくなったと思う。しかし、日中はまだ35℃近くまで上がる日も多い。昔と比べると、1ヵ月くらいずれているんじゃないだろうか…。

日曜日は雨の予報もあったけど、1泊2日で瑞牆へ。

カンマンボロン(Saturday)

土曜日はカンマンボロンへ。7月13日に初めて行って以来、2回目だ(アプローチなどは以下の記事参照)。

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ここ何日かは晴れが続いていたようで、前回とは違い、アプローチの道もしっかり乾いている。大汗かきつつ、砂のエリアへ到着。

❌砂の塔(5.12a), Re

前回RPした砂の塔でアップ。ボロンボロン(5.11c)でもよかったんだけど、砂の塔の方がしっかりカチを握る感じで好み。前半がガバガバなのもアップ向き。

ムーヴは覚えてたつもりだったけど、核心部終盤でフォール。しっかり指は暖まったし、程良くパンプした。

❌LOL(5.12d), 3go

前から気になっていた、平山ユージさん初登のルートにトライ。ルート名は、”Laughing Out Loud”(日本語で(笑)とかwwwの意味)の略なのかな?

砂の塔の前の広場から、FIXロープを使って狭いルンゼを上がる。やや傾斜したところが取り付き&ビレイポイント。

先にトライされていた方がいたので、ヌンチャクをお借りしてトライ。

傾斜はほぼ一定で、ずっと垂壁といった感じ。ただし、前半と後半でルートの性格は大きく異なる。前半は細かいカチが中心で、後半は手の平全体で押さえるようなスローパー。

前後半に共通して言えることは、素直に下引きできるホールドがほとんどなく、縦ホールドがひたすら続く。しっかりとムーヴを考える必要がある。

出だしは岩が脆い感じでちょっと怖いけど、3P目までは難しくない。3~5P目が前半の核心で、似たような距離出しデッドが2回続く。この間は休みどころがなくてストレニュアス

5~7P目はそれなりにレストもできるけど、ここもバランシーなムーヴが続き、一切気が抜けない。

終了点を除いて最後のクリップとなる、8P目手前が後半の核心。スローピーなシワ(閉じたクラック)を繋いでいく。フリクションホールドで、コンディションの影響が大きそう。この縦向きのシワがフットホールドにもなるので、上から下に踏むことが出来ず、ステミング気味に効かせる必要がありそう。

そして後半はランナウトが容赦ない。今回は先にトライされていた方がお助けスリングもかけていたので、それを使わせてもらってトップアウトすることが出来たが、マスターはかなり大変ですよこれ…。

3便出し、大部分のムーヴは解決できたが、後半核心だけブランクとなった。あまり経験のないフットワークに対応できなかった感じ。

花崗岩クライミングの様々なスキルが求められ、まずまずレストは出来るものの抜きどころがなく、精神的にもタフなルート。岩質がもっと良ければ三ツ星なんだろうな。

三ツ星エリア(Sunday)

2日目はカサメリへ。2週間前にも行った三ツ星エリアへ向かう(以下の記事参照)。

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土砂崩れ

コロッセオ近くの川を渡ると、見慣れたはずの景色に違和感が。辺りを見回すと、倒れた大きな木と大量の土砂

どうやら先週の台風10号の影響で、トップガンと神の手の間で崖崩れが起きたようだ。下から見上げると、2つの岩の間が明らかにすっきりしている。

左側がトップガン、右側が神の手のある岩

十手持ち(5.11d)方面へ続くアプローチには、下のような看板が。実際に通ってみた訳ではないけど、見た感じの印象だと、新たにFIXロープを張るなどしないと危険だと思う。

NDDやトップガンの取り付きにも上がってみた。神の手の方を見ると、やはり景色がすっきりし過ぎだ。トラバースのFIXロープは残っていたけど、果たして安全に神の手の取り付きまでアプローチ出来るのだろうか。

NDDやトップガンのトライには影響なさそうだけど、トップガン右側のカンテ部分(プロジェクトが引かれているところ)に木が引っ掛かっており、注意が必要。

2024年9月8日 撮影

少し画角が違うけど、今年の5月11日に撮った写真と見比べてみた。やはり木がなくなっている。近くまで行った訳ではないので、ハッキリとはわからなかったが、神の手の取り付き&ビレイポイントにも影響が出ているかもしれない。

2024年5月11日 撮影

地球温暖化の影響で、一昔前では考えられなかったような雨の降り方をする。この土砂崩れに巻き込まれたという話は聞かないので、まずはケガ人が出なかったのは何よりだ。

✅ゆびきりげんまん(5.11c), 1go(計2d2go)

気を取り直して三ツ星エリアへ。こちらは大雨の影響はなし。

前回、アップ兼mOS狙いで落ちてしまったルートに再トライ。今回もめっちゃパンプしたけど、なんとかRP。

いやー、やはり良いルート。納得の三ツ星

❌ブラッド・ライン(5.12d), 3go(計3d6go)

これまでに計2日で3便出したものの、まだトップアウトできていないルート。

まだベストシーズンという訳ではないのかもしれないけど、8月に比べるとフリクションは上がっていたと思う。かなり苦労していたカンテ&スローパーは、見逃していたホールドを見つけたこともあり、だいぶ楽に突破できるようになった。

しかし、やはり上部ハングを越えたあとのクリップが出来ない。もはやボルトは目の前どころか、お腹の前くらいの位置に来ているのだけど、どちらの手もホールドから離せないのだ。クリーンフォールだけど、めっちゃ落ちるので、ゴボウでの登り返しが大変。笑

ガクさん、モトハシさんと3人回し。2人とも5.13の後半を登るクライマーだけど、ハング越え後のヌン掛けが出来ず、フォールを繰り返している。誰でもいいから、とにかくここを突破しようと、ムーヴに関して知恵を出し合う。もはやチーム戦の様相だ。笑

ついにガクさんが決死のムーヴでヌン掛けに成功!終了点は目の前とのこと。しかし、その僅かな距離がまた難しいらしい。ガクさん、トップアウト出来ずにモトハシさんへバトンタッチ。

すると、モトハシさんがこの終了点直下の部分を突破し、ついにトップアウト!RPしたかのような盛り上がりだった。笑

僕も不本意ながら、トップロープで上まで行き、ムーヴを探らせてもらった。終了点直下は、色々な人からスラブと聞いていたが、どちらかというとマントル返しに近いと思う。この日はムーヴを解決できなかったけど、可能性はありそうに感じた。

今回のように、ムーヴが出来なくてもひとまずトップアウトする方法は色々とある訳で、まずは上からぶら下がってムーヴを探るのが効率としては良いのだろう。ただし、効率だけで語れないのがクライミング。自分のポリシーを大切にしつつ、他の人のスタイルを尊重する心を持ちたい。

ふりかえり

土日でそれぞれ5.12dを1本ずつトライ。どちらもブランクパートが残ってしまったけど、セッション効果もあり、可能性は感じることができた。

僕の実力だと、細かいフリクションの違いとかは分からないのだけど、花崗岩のシーズンは10月からという人も。

昨年を思い出すと、9月からNDDにトライしていた。10月に入ってから、末端冷え性の僕は、焼き石なしだと途中で手の感覚がなくなってしまっていた。10月14日にNDDをRPしたのだけど、寒さ的には限界に近かったと思う。

今年はGW明けから瑞牆・小川山に通っており、昨年と同じように10月中旬くらいまで(日当たりが良いエリアならもう少しいけるかも)は、引き続き花崗岩を登るつもりだ。

5月中旬~10月中旬まで花崗岩に通ったとして、期間は5カ月間。春シーズンでフリクションが良いのは、梅雨前くらいまでだろうか。そうすると、5カ月間の内、良い時期というのは約1ヵ月しかないことになる(寒さに強い人はもうちょっと長いのだろうけど)。休日の日数で考えると、10日くらいしかない。当然、良い時期でも雨で登れない日はあるだろう。そうなると、良いフリクションで登れる日というのは、シーズン中に何日あるのだろうか…。

夏の間のフリクションが悪いというよりも、もはや夏のフリクションが標準で、春秋のごく短い期間が特別という気もしてくる。

花崗岩クライミングは、その少ないチャンスをものにするのが快感だという人もいる。しかし、フリクションに振り回されるのが嫌いな僕は、どうでもよい事を考えてしまうのです。笑

今年の夏は、5.12-を中心に登りながら、5.12cが3本登れた。しかし、5.12dになると、今の実力では良い条件でなければ登れないのかもしれない。

来年の夏には、ハードモードの5.12dが登れるようにトレーニング頑張ろう。

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きい
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1988年生まれ、愛媛県出身
東京の北西部に住み、週末は専らさらに北や西に出かける
仕事は電機メーカーのエンジニア
クライミング:2021年からリード&外岩を始めて本格的に
スキー:2017年からバックカントリーにハマる
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