2025GWスペインクライミングツアー:準備編

この記事は、2025年GWに行った、スペインクライミングツアーについて書いたものです(全5回のシリーズ)。
- 第1回:準備編(本記事)
- 第2回:ロデジャー編
- 第3回:シウラナ編
- 第4回:マルガレフ編
- 第5回:トラブルとツアーの振り返り編
2回目のスペインロックトリップ
1年前、同じくGWに行った初めての海外クライミング。本記事で昨年と重複する内容については一部割愛してあるので、気になる人は昨年の記事を読んでください。

あれから色々な海外の岩場について調べた。ギリシャのカリムノス島など、GWの時期に良さそうな岩場はいくつかあったんだけど、結局またスペインに行くことにした。
特にロデジャー(Rodellar)が気に行ったのと、スペインという国自体が好きになったということもある。まぁあまり冒険しない人間なんだろうな。笑
ツアー計画
言うまでもないが、1人でリードクライミングはできない。しかし、わざわざ海外まで岩登りに行く物好きが今回も見つかるのだろうか?
そんな心配とは裏腹に、なんと4人も一緒に行きたいという人が現われた。
昨年も一緒に行ったキクさん、日本では毎週のように一緒に岩場に出かけるモトハシさん、そしてkjarとkrarの夫婦。
前回、誘ってくれたユッキーさんにももちろん声をかけたんだけど、今回は都合が合わず残念ながら不参加。
それでもなんと、僕を入れて5人。
2024年末に、とりあえず各自で航空券だけ購入。年明けから具体的な計画を開始。キクさんと僕を除いた3人は、スペイン自体が初めてということで、「よくわからんから2人に任せる」とのこと。
日数は前回と同じく、出入国の日も含めて現地11日間。
キクさんと僕で相談し、
- ロデジャー(Rodellar):6日
- シウラナ(Siurana):1日
- マルガレフ(Margalef):1日
という計画を立てた。
航空券
2024年12月に購入。こちらも前回と同じく中国国際航空(Air China)。
今年のGWは、4/28(月)を休めば4/26(土)~5/6(火)の11連休という人が多い。しかし、まともにこの期間で行くとかなり高くなるので、さらに2日間の有休をくっつけた。総額¥124,300。
近年の物価高を考えると、格安と言ってもいいと思う。
行きの北京での乗り継ぎ時間が約10時間というのが難点。ちょうど良い乗り継ぎ時間の便もあったんだけど、確か5万円くらい価格差があったのでやめた。
ちなみに、北京での乗り継ぎについては、中国国際航空が無料のトランジットホテルを用意してくれたので、意外に快適だった。
行き
3h45m
乗り継ぎ:10h5m
11h55m
帰り
11h25m
乗り継ぎ:4h20m
3h35m
宿泊
ロデジャー
前回と同じくValle de Rodellar。岩場まで歩いて行ける。
アパートメントタイプの宿で、1棟あたり寝室が2つ。それぞれベッドが2つあり、さらにエクストラベッドで最大6人までいけるが、ちょっと狭くなりそうなので2棟にした。
1人1泊あたりで計算すると¥5,275。
- 1棟3人(7泊):€618
- 1棟2人(7泊):€498
合計:€1,116=184,631円(1EUR=165.4円)
シウラナ & マルガレフ
もうひとつは、モンサン(Cornudella de Montsant)という街にある宿をAirbnbで予約。シウラナまで車で約10分、マルガレフまで約50分。
4階建ての建物で、最大7人くらい泊まれるみたいだったけど、我々は5人だったので内3フロアを借りる形。
3泊合計で¥93,513、1人1泊あたりで計算すると¥6,234。
5人以上で一緒に泊まれる所は選択肢が少なかったけど、キクさんがリーズナブルな宿を見つけてくれた。
国際免許とレンタカー
前回は3人だったが、今回は5人。クライミングツアーは荷物が多くなるので、1台だとかなり大きな車が必要になる。
2台あれば1組クライミング、もう1組は観光といった具合に行程を分けることもできるので、今回は2台借りることにした。
国際免許
スペインのレンタカーには、ドライバー追加料金がある。
それぞれの車でドライバー1人ずつというのが一番安いが、体調不良などの際、1台稼働できなくなるのは痛い。
ということで、5人中3人が国際免許を取り、1人予備ドライバーを作ることにした。
簡単な国際免許の取り方、注意点については昨年の記事参照。
レンタカー
こちらも台数以外は昨年と全く同じ。現地のOK Mobilityというレンタカー会社の車を、Rentalcars.comで予約。
昨年はユッキーさんが予約してくれたのでわからなかったが、他のレンタカー会社と比べてかなり安い。それがまさかあんな一大事に繋がるとは…。
オートマのミドルサイズを2台予約。合計で¥133,863。それぞれ追加ドライバー1人+全部入り的な保険込み。
レンタカー予約時の注意点についても昨年の記事参照。
持ち物
基本的なギアや荷物については昨年の記事参照。ここでは今回、新たに用意したものについて記載。
薄手のダウン
前回のツアーでは思いの外寒く、現地で安いダウンを購入。このダウンは日本でも愛用しており、今回もちろん持って行った。

トポ
ロデジャーのトポはネットでダウンロード(PDF)可能。
シウラナ・マルガレフについては、Tarragona Climbsという紙のトポがある。もちろん現地のクライミングショップでも手に入るけど、予習したかったので事前に購入。楽天で¥7,490だった。
なお、マルガレフ専門のトポもある。各ルートに☆やコメントが書かれていて、非常に完成度が高い。
目的のルートが決まっている場合、Tarragona Climbsでも岩場でそのルートを探すのには十分だが、☆もコメントないのでルート選びには使いにくい。
スープの素
前回はシェフ・ユッキーさん帯同の贅沢ツアーだったが、今回は計5人でやや大人数ということもあり、食事は基本的に各自で用意することに。
料理レベル5.4の僕は、現地のスーパーで売っている総菜的なものに頼るつもりだったが、そうなると野菜が不足しそうだ。
包丁で材料を切ることはできるので、水に溶かして切った野菜を入れるだけのスープの素(粉)を持って行った。
ドローン
ロデジャーは歩いているだけで気持ちが良い美しい渓谷。絶景の中でのクライミングシーンを空から撮ろうということで、最近購入して使い始めたドローンを持って行った。
スペイン国内でのドローンに関する規制は、日本に比べると緩そうだったけど、AESAという国家機関に操縦者登録を行う必要がある。
すべてネット上で完結。一部スペイン語にしか対応していないところがあるが、Google翻訳を使ってそれほど苦労なく登録できた。
スマホ関連
ahamo
前回のツアーでは、現地でプリペイドSIMを購入するのに手間取ったこともあり、今回はなんと海外ローミング無料というahamoに事前に変更。
飛行機で現地に着陸した瞬間から使えるというのは意外に大きい。
VPN
乗り継ぎ先の北京では、中国政府によるインターネット規制により、スマホは実質使い物にならないと思っておいた方が良い。
その回避策がVPN。ただし、無料のものでは役に立たないようだ。
僕はExpressVPNをチョイス。1ヵ月だと9.99ドル(30日間の全額返金保証あり)。1つのアカウントで同時に最大8デバイスまで使えるので、僕は出国前にスマホ・タブレット・ラップトップにインストールしておいた。
スペインでは基本的に、LINEやGoogleなどの各サービスはVPNなしでも問題ないが、DAZN(スポーツ動画)等は制限がある。これもVPNで解決だ。
Vertical-Life
スペインで登る上で、超オススメのスマホアプリ。もともとは8a.nuという名前だった?

各岩場、あるいは各エリアのルートをアッセンド数順に並べることができる。基本的には、アッセンド数が多いルート=人気ルートと考えて問題ない。
Vertical-Lifeでお目当てのルートを選び、上で紹介しているトポを使ってそのルートがどこにあるのか探せばよい。

さらに各ルートの詳細を見ると、”Hard”や”Soft”といったタグ付けがされている。これはこのルートを実際に登ったクライマーが付けたものだ。
なんとなく、HardよりSoftの方が多いルートが普通という気がする。HardとSoftがほぼ同数なら難しめ、Hardの方が圧倒的に多ければ1グレード辛めくらいに考えてよいと思う。
また、”Endurance(持久系)”や”Cruxy(核心系)”などのタグもルート選びに役立つ。さらに、実際に登ったクライマーのコメントの中には、苦しんだパートのムーヴなどについて書かれているものもあって面白い。