2025GWスペインクライミングツアー:シウラナ編

この記事は、2025年GWに行った、スペインクライミングツアーについて書いたものです(全5回のシリーズ)。
- 第1回:準備編
- 第2回:ロデジャー編
- 第3回:シウラナ編(本記事)
- 第4回:マルガレフ編
- 第5回:トラブルとツアーの振り返り編
2回目のシウラナ
岩場の概要などについては昨年の記事参照。

前回、2日間登ったシウラナに、今回も1日だけ行ってきた。
特に目標ルートは決めてなかったが、前回の最高グレードが7b+だったので、今回は7cを触ってみようと思う。

天気とコンディション
「5月のシウラナはかなり暑いよ」と聞いていた割に、それほどでもないなと思った前回。
しかし、今回はなかなか暑かった。やはりもう少し気温が低い時期がメインの岩場なのだろう。
それでも、スペイン国内が4連休中だったこともあり、岩場には朝から多くのクライマーが。みんな基本的には日陰で登るので、自ずと日陰の人気ルートは混雑する。
スペインの日差しは強烈で、暑さに強い僕でも陽が当たる場所はキツかったが、日陰はちょうど良かった。
El Pati周辺はエリア間の距離が近いので、時間帯によって変わる日陰エリアに移動しながら遊ぶのがいいと思う。

Montsantの街
前回はレウス(Reus)という街に泊まったのだが、今回は岩場に近いモンサン(Cornudella de Monstant)にした。
レウスからシウラナまでは車で45分くらい。大きなスーパーもあって便利だが、岩場までずっとクネクネ道だし、宿から歩いて行けるロデジャーの後ではやや面倒臭い。
モンサンは小さな街だが、岩場までは車で10分ほど。ちなみにシウラナ(Siurana)という名前の街もあり、こちらももちろん岩場まではすぐだ。
今回3泊したモンサンの街について、少し書いておきたい。

まず目に入るのが、路肩にニョキニョキと生えた街路樹。

古そうな建物が多いが、雰囲気があって素敵な街だ。全体のサイズとしてはコンパクトで、数十分もあればぐるっと一周歩けると思う。

Goma 2というクライミングショップは、各種ギアはもちろん、トポも手に入る。日曜は閉まっているようなので注意。
ガソリンスタンドには売店が併設されており、最低限の食べ物などはここで手に入る。


宿はキクさんがAirbnbで予約してくれた。岩の壁がなんだかオシャレ。

注意点としては、街の中での運転。
事前に宿のオーナーから、駐車場は宿から少し離れた場所を案内されていた。しかし、荷物が多かったので、とりあえず荷物だけ宿の前で下ろそうとGoogle Mapを頼りに街の中へ。
次第に道が細くなっていき、ミラーを畳んでギリギリのところも。しかもGoogle Mapが示した通りに進むと、最終的に歩きでなければ通れない道になり、結局引き返すこととなった。

宿のオーナーから指定された駐車場は、大きな道路から路地に入ってすぐのところにあった。よくわからないが、街の共同駐車場という扱いなのだろうか。

エリア・ルート紹介
今回も登ったエリアとルートを紹介。
El Pati
エリア概要については昨年の記事参照。Sleeping Lionなどもある看板エリアに今回も行ってきたが、登ったのは高グレードが並ぶ前傾壁ではなく、もちろん垂壁部分。

- ✅Lame Chucha(6b+), Re
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前回も登ったルートだが、El Pati唯一の6台なのでアップで取り付く。
相変わらず悪くて、ロデジャーとのクライミングタイプの違いに戸惑う。笑
- ❌Mucho Tronco poca Madera(7c), 1go
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シウラナでのグレード更新を狙って選んだのがこのルート。下部も結構難しいが、そのあと岩棚で完全レストとなるので、実質ここからだろうか。
中間部の2~3クリップ間がほぼ全てで、ホールドの向きも掛かりも悪い。30mくらいの長さがあるものの、後半はビクトリーラン。
とてもワンデイできる感じではなかったので、残念ながらヌンチャク回収。
L’Aparador
こちらのエリアは今回がはじめて。駐車場から道路の反対側に渡り、数分で到着する激近エリア。
西向きではあるが、やや北寄りのため、El Patiよりは日陰になる時間が長い。15時くらいから陽が当たり始める。
6台から7台前半のルートも多く、家族連れも含めて多くのクライマーで賑わっており、人気ルートは軒並み順番待ちだった。
クラック(といってもスポートルート)沿いを登るルートが何本かあって気になったが、いずれも混んでいて触れなかった。

- ❌Petitona(7b), 1go
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Vertical-Lifeでアッセンド数が多いルートとしては、唯一ヌンチャクが掛かっていなかったのでやってみた。
下部はガバガバだが、中間部で右にトラバースするところで行き詰る。しかも一手だけではなく、ブランクが複数箇所。
この感じは身に覚えがある。小川山で♀マークが付いたルートを触った時と同じだ。こうなると5.12台はもちろん、5.11や5.10台でも怪しい。
もちろん、こういうルートも出来た方がいいのは分かっている。しかし、こういうクライミングをしにわざわざスペインまで来ている訳ではないのだ!
エイドで抜けてヌンチャク回収。
El Cargol
エリア概要については昨年の記事参照。
前回登ったJeketepeke(7a+)がある面(El Pati側)は午前中が日陰となるが、今回は午後から日陰になる反対側で登った。

- ✅La Morena del Montsant(7a+), FL
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他のエリアで2ルート続けて敗退したので、なんとかお土産を確保したいところだ。
長さ約40m。80mロープでギリギリだった。
タワーの右カンテを登る。核心らしい核心はなく、少し小悪い手が続いても、信じて進めばガバが待っている。
7a+としては登り易め。左隣のPopulus(7a)と終了点が共通なので、トライしている人がいる場合は注意。