【御前岩】Dr.メイジ完登
クライミング日:2024年11月16日(土), 17日(日)
今回のクライミング
御前岩での2連登。10月27日に一通りムーヴを作り(以下の記事参照)、あとはほぼ繋げるだけのDr.メイジ(8a)をサクッと片付け、誉(8a+)あたりをやりたいと思っていた。
しかし、物事はそれほど思った通りに進んでくれない。笑
染み出しの状況
恒例の染み出しチェック。今週も木曜夜から金曜朝にかけて雨が降った。
全然変わってないじゃん!!
二子山など他の石灰岩の岩場も、まだまだといった感じらしい。本当に何なんだよ今年は…。
エレファント東面・北面は大体いけるが、ところどころ濡れている。
Day1(Saturday)
一日中、曇りの予報だったんだけど、朝到着した時点で道路はしっかり濡れている。さらに、ずっと降ったり止んだりの天気。
それなりの数のパーティーが来ていたが、ドラゴンロックなどが濡れていることもあり、エレファント東面はかなり混んでいた。
✅ハートブレイク(6c+), Re
いつものアップ。木曜日にジムでかなり追い込んだので、中1日で疲れが抜けるか心配だったが、調子は良さそうだ。
❌Regime du Docteur Meiji(8a), 3go(計2d7go)
この日のメイジはなんと6人回し!このルートがこんなに混むのは珍しいらしい。30m近いルートだが、楽勝パートがないので、みんなどうしても探りに時間がかかる。
1便目
核心前にどう休むかが唯一の懸念だったんだけど、教えてもらったニーバーがバチ効きで、ほぼノーハンド。これはかなり大きい。
最終的に、核心までのレストは3箇所になった。
- 4P目でのステミングレスト
- 5P目でのガバアンダーレスト
- 6P目でのニーバーレスト
①と③は実質ノーハンド。②もショルダーバー?ヘッドバー?でノーハンドになるけど、体幹がヨレそうなのでやめた。
核心の右手三角形ホールド取りでテンションしたものの、かなり感触はいい。
2便目
決める気満々で2便目。
6P目のニーバーレストでかなり戻った。7P目にクリップし、核心部へ。右手乳絞りアンダーから、左手でガバサイドアンダーを取って8P目にクリップ。
ここから「白くて丸い出っ張りガバ」まで7手。最初の左手ガバサイドアンダーから、右手で三角形ホールドを取るムーヴが最大強度で、そこから1手出すごとに易しくなっていく。
8P目クリップ後、三角形ホールドが止まった!しかし、7手の内の3手目でフォール。
「1手出すごとに易しくなっていく」というのは、あくまでもバラした時の話で、繋げるとこの7手はどこでも落ちられる。
あれ、思ったよりも難しいぞこれ?
ちなみに、この日メイジ初トライのモトハシさんは、あっさりと2撃。
3便目
この日の最終便。今度はなんと、左手ガバサイドアンダーが取れず、8P目のクリップ前にフォール。ここは毎回足がテキトーだったんだけど、それが災いした…。
ようやく、甘く見過ぎていたことに気付いた。今さらだが、真剣にムーヴを探ると、楽なムーヴがいくつも出てくる。
翌日に向け、3カ所ほどムーヴを修正。これでさすがに登れると思うんだけど…。
Day2(Sunday)
昨日の夜は小雨。この日も曇り予報だったんだけど、今度は良い方?に外れ、一日中秋晴れ。この時期としては異常な高温だった。
御前岩は自宅から下道で、1時間もかからない。さらにこの時期は日が短いので、帰りにご飯を食べて帰っても、19時前には家に着いてしまう。夏の瑞牆・小川山とは大違いだ。
もちろん体力的には楽なんだけど、この日はなんだか寝不足な感じ。昨日は早めにベッドに入ったのに、あまり寝付けなかった。
いつでもどこでも寝られることが履歴書に書けるくらいの特技だと自負していたのに、最近はクライミング前日に限って、なぜかあまり寝られない日がある。
✅Regime du Docteur Meiji(8a), 3go(計3d10go)
結果的に昨日よりずっと天気は良かったけど、岩場は割と空いていた。Dr.メイジは僕を入れて3人。これくらいなら自分のタイミングでトライできて快適。
1便目
いつものハートブレイクは探り便の方がいたので、アップでメイジの6P目まで。昨日の疲れが抜けていない…。
めちゃくちゃ晴れていて大汗かいた。笑
2便目
核心の入りでややもたついてしまう。三角形ホールドを止めたものの、次の1手でフォール。
あれ、もしかしてこれ、今週末登れないのでは?
3便目
午後に入り、エレファント東面は日陰になった。だからといって何が変わる訳でもないけど、涼しいのはありがたい。
今度は下部からノーミス。今までで一番余裕を持って三角形ホールドを止める。
前の便で落ちた2手目、昨日落ちた3手目も問題なし。それほど危なげなく、白くて丸い出っ張りガバに到達。
ここは水平に切れた棚ガバで、足もそれほど悪くない。レストの途中で一旦少し上がり、終了点を除いて最後の9P目にクリップし、クライムダウンして再びシェイク。
繋げた時の想定として、このレストでほぼ全戻しする自信があったんだけど、なかなかパンプが抜けない。「これ以上いると逆にヨレていくのでは?」と怖くなってきたところで出発。
終了点まで残り10手。基本ガバだけど、7手目が少し嫌らしい。しかし、ここも昨日の最終便で楽なムーヴを見つけ、まず落ちない自信があった。
やや余力を残して終了点へ。
思いのほか苦戦したけど、なんとか登れて一安心。
✅ハートブレイク(6c+), Re
「Dr.メイジを登ったあとは何をやろうか?」なんて考えていた週末。そんなことは、今度から登れたあとに考えよう。笑
今から誉(8a+)という感じでもないので、ハートブレイクで締め。何度登っても気持ちのいいルート。
グレード感
反省点の多いDr.メイジのトライだったが、登れた便ではやや余裕もあった。よく言われるように、8aというのはかなり甘めだろう。
二子山のおいしいよー(5.12c)と同じくらいだろうか。おいしいよーを登ったのは2年前なので、純粋な比較は難しいけれど。
おいしいよーはフレンチだとちょうど7c+くらいという話なので、Dr.メイジも7c+が妥当という気がする。
初日の印象でいうと、7cくらいかなと思ったけど、やはり繋げてみるまでわからない。
メイジの核心は、特別悪いホールドはなく、ムーヴもシンプルだ。しかし、引き付けやデッドでの遠い距離出しが連続する。繋げてくると、距離が出せなくなって落ちる。レストポイントは多いけど、核心までのダメージを最小限にしないと登れない。
おいしいよーも同じく持久系だが、メイジと違ってとにかく休めない。明確な核心もあり、そこだけやっても楽勝という感じではないんだけど、ヨレていても押し切りやすいタイプの核心なのかもしれない。
メイジとよく比較されるのは、お隣のアスリーツボディ(7c+)だが、僕はメイジの方が難しく感じた(アスリーツのトライに関しては以下の記事参照)。
アスリーツの方が難しいという声も少なくないので、僕は余程アスリーツがハマったのだと思う。
おまけ:Soul Mate(9b)第二登の男
日曜の朝、岩場に到着すると、韓国語を話す若い男女の二人組が。
100岩を片手に迷っているようだったので声をかけると、「ミートテック(6b)はどれですか?」と言うので、案内してあげた。
特に男性の方は、細身ながら手足が長くて結構強そうに見えたので、この時は「アップだろうけど、意外に控え目なルートチョイスだな」と思った。
Dr.メイジが登れたあと、またその彼と少しおしゃべり。御前岩は2回目で、前年の2023年12月にも来たことがあるという。
「その時は何を登ったの?」と聞くと、「え~と、前回はSoul Mateを登りました」。
・・・・・・・・・・・・・・・・・!?ソウルメイト!?
そういえば、ちょうど1年ほど前、Soul Mateの第二登が出たと聞いた。名前までは覚えてなかったけど、確かに韓国のクライマーということだった。
おい!モトハシさん!彼、Soul Mate第二登の人らしいよ!
え!?それイ・ミニョンくんじゃん!
あ、はい。そうです。
そういえば先ほど、ビショ濡れのドラゴンロックから、めっちゃブロアーの音が聞こえていた。イくんは今回、Maturity(9a+)にトライしていたのだ。
他の岩場には行かないの?二子山のフラットマウンテン(5.14d/15a)とかは?
行ってみたいんですけど、車の運転に自信がなくて…。韓国と違って左側通行ですし…。御前岩は電車とバスで来れるからいいんですけど…。
トップクライマーなんだから、そんなの誰かに連れて行ってもらえばいいじゃん!笑
Soul Mate第二登の男は、とっても謙虚な好青年でした。
ふりかえり
Dr.メイジに思わぬ大苦戦。やはりリードクライミングは、より楽なムーヴを探し続ける姿勢が大切。
最近、マグレのようなアスリーツ2撃とかもあり、調子に乗ってたな~。やはりまだまだ。Soul Mate登った人でさえ、あんなに謙虚なのだ。もう一度初心に帰りたい。
とりあえず、なんとか登れてよかった~。