国内ツアー

2026シルバーウィーク:2回目の名寄・見晴岩

きい

この記事は、2026年のシルバーウィークに行った、北海道は名寄・見晴岩でのクライミングツアーついて書いたものです。

今回のクライミング

去年のお盆休みに初めて訪れ、すっかり気に入ってしまった見晴岩。

今年はシルバーウィークが5連休ということで、この期間を利用して行ってきた。

初めてだった前回は5.12台までしか触らなかったが、今回はパジャンカ(5.13a)とビューティ・アンド・ブリリアント(5.13a/b)、この2本を登ることが目標。

どちらのルートも情報は少なかったが、前回の印象では、見晴岩は薄被りのカチルートが中心。このツアーに向けて、ジムでも岩でも保持系の課題やルートをなるべく選んでトレーニング。

春から夏にかけて手首とヒザの故障があったが、ここ最近は登っていてもほとんど気にならなくなり、調子は上々。

いざ、秋の道北へ!

参考情報

岩場の概要やアプローチなどについては、前回行った際の記事に書いてます。

あわせて読みたい
名寄・見晴岩ロックトリップ
名寄・見晴岩ロックトリップ

ここでは前回との違いや、新たな情報について記載。

大盛況だった2026年シルバーウィークの見晴岩

お盆休みに行った前回は、なんとツアー期間中、岩場でずっと誰にも会わなかった。

今年のシルバーウィークは5連休。さらには台風25号の接近により、北海道以外は大荒れの予報。直前で予定を変更し、見晴岩に行くことを決めた人もいたようだ。

ちなみに道北に位置する見晴岩は、多くの北海道クライマーにとっても遠い岩場だ。函館から来たという方は、6時間くらいかかったと言っていた。そうなると、いくら同じ道内とはいえ立派な遠征。

多い日には、10パーティー以上来ていたと思う。地元クライマーさんからは、「まるで赤岩青巌峡みたい」「10年くらい通っているけど過去一の人数かも」という声も。普段はそれほど来る人がいない岩場なのだそうだ。

ちなみに、前回の記事で7,8台分と書いた駐車場だが、実はわずか数十メートルほど離れたところに、さらに5台ほど止められそうなスペースがあった。

ということで、譲り合って止めれば、止められないということはないと思う。

写真右端がメインの駐車場で、赤丸が奥のスペース

忙しなく変わるコンディション

今回の滞在中、朝晩は10℃を下回り、最低気温は5℃という日もあった。一方の最高気温は22~26℃くらい。1日の中でかなり寒暖差があるが、岩場にいる時間帯は極端に体が冷えるということはない。

見晴岩は全体的に南面で陽当たり抜群。晴れて風がない日はかなり暑かった。一方、曇り+強風の日は肌寒く感じたが、それでも手が悴むようなことはなかった。寒がりな僕の場合でそんな感じなので、暑がりなら秋は10月がベストシーズンかもしれない。

それでも、長雨の影響でジメジメしていた関東に比べると、道北の空気はカラッとしていて、ハッキリと秋を感じた。

ちなみに、「去年はお盆の時期に来たら誰にも会わなかった」と地元のクライマーさんに話すと、「そんな暑い時期には我々も行かないよ笑」と言われたw。前回の記事に「お盆の時期でもそれほど悪くない」と書いたが、たまたま涼しい日が多かっただけかもしれない。風が強いイメージを持っていたのだが、今回は5日間のうち3日は無風に近かった。

西日に照らされる月の石(クライマー:ゆきりん)

テントウムシ大量発生

見晴岩だけでなく、北海道の他の岩場でも発生するそうだが、春・秋の気温が上がったタイミングで、テントウムシが壁を埋め尽くすことがある。

今回は5日間のうち、一番暑かった日の午後に発生。「埋め尽くす」という表現は決して大げさではなく、ホールドを持つ前にテントウムシを払い落とすというワンムーヴが必要になる。

特に細いクラック状のところにはビッシリと詰まっていて、自然と限定ホールドができてしまうことも。

1匹だけなら可愛いんだけどね

見晴岩でよく見かける他の虫としては、マダラナガカメムシ(Googleレンズ調べ)。テントウムシと同様、細いクラック状のところにいがち。こいつは言われなければ、カメムシだとは思わないかもしれない。テントウムシのような赤と黒の斑模様で、普通のカメムシと違って臭いを発することもなく、個人的には特に不快感はない。

そういえば今回は抜け殻だけだったが、前回のツアーでは岩の隙間にヘビ(アオダイショウ?)も見かけた。毒がある種類を見たという話は聞かないので、その点は特に心配ないと思う。

あとは岩場ではなく名寄の街中での話だが、街灯などに木の葉っぱのような見た目をした蛾が大量に集まっていた。地元のクライマーさんに聞いたところ、「あぁ、クスサンだね。北海道ではたまに大量発生するよ」「カラスやキツネが胴体だけ食べるから、羽が落ち葉みたいにそこら辺に散らばってるんだよ」と教えてくれた。

まぁ北海道らしく自然が豊かということで…。

ヒグマについて

前回は帰りの車の中で、舗装路を横切る熊を見かけた。今回、我々は目撃しなかったが、別のパーティが同じく帰りの車の中で見たそうだ。

10年ほど見晴岩に通っているという地元のクライマーさんは、「自分では見たことないのに、なぜか遠征組からは見たという話を聞くんだよね」と言っていた。今回、その理由がわかった気がする。

見晴岩の周辺は、猟師さんの狩猟エリアになっているそうだ。しかし、誤射を防ぐ目的で、日中以外の狩猟は禁止されている。地元のクライマーさんいわく、熊は日中に動き回ると撃たれるということを知っていて、日の出と同時に身を隠し、また日没後に出てくるらしい。

地元の方は朝ゆっくり来て、暗くなる前に帰る。下山でヘッデンが必要になる時間まで登っているのは、決まって遠征組だ。

今回ヒグマを目撃したというパーティも、暗くなってから一番最後に岩場を後にした方々だった。

ということで、極端な早朝や帰りが遅くなった日は要注意。

ただし、地元の人からすると、ヒグマは本州のツキノワグマに比べ、基本的には臆病な性格という認識らしい。実際、見晴岩の周辺で目撃情報はいくつもあるが、襲われたという話は聞かない。

昨今のニュースを見ていると、熊鈴があるから安心とは言いがたいが、やはり出会いがしらの遭遇を避けるのが一番大事だと思う。

今回は念のため、熊撃退スプレーを持参することにした。問題は、飛行機では持ち込み・預け荷物いずれもNGということ。レンタルサービスもあるが、調べてみると結構高い。僕はまだ持っていなかったこともあり、Amazonで注文し、配送先を宿泊予定のゲストハウスにして、宿の方に事前の受け取りをお願いした。帰りはコンビニから宅急便で自宅に返送。

ツアーの様子とルート紹介

Day 1

2026年9月18日(金)、長い間楽しみにしてきた2回目の見晴岩ツアーへの出発日。カレンダー上は翌日から5連休で、この日は平日だが、前日入りするため午後半休。

17:15羽田発→18:50旭川着

羽田でゆきりん・マイティーと合流し、北海道の翼であっという間に旭川へ。今年の9月の東京は気温こそ低めだが、秋雨前線が長く停滞し、ジメジメした日が続いている。勝手知ったる旭川空港を出ると、さわやかな空気が気持ちいい。

今ツアー最初の北海道グルメ

旭川の「麺屋秘蔵」でラーメンを食べ、名寄のセイコーマートで買い出しを済ませてから宿泊先へ。今回も宿は「ゲストハウス日進」。

翌日からのクライミングに備え、シャワーを浴びて就寝。

Day 2

前回のツアーでは雨の日もあったが、今回は見事に晴れマークが並んでいる。しかし、早朝の名寄の街は決まって霧が出る。そういう地形のようだ。

朝の名寄

朝は宿でコーヒーをいただいてから出発。1年ぶりに会う看板犬のクルムは、相変わらずでかくてカワイイ。

今回はマイティーがお気に入りだったクルム

パン屋に寄って昼食の買い出し。特にメロンパンが美味しかった。朝は8時からやってます。

ベーカリーイシダ

前回は暑い時期で岩場では誰にも会わなかったが、今回はシルバーウィーク。それなのに、なぜか我々が駐車場へ一番乗り。

熊スプレー吹く練習

この日の朝に移動というクライマーが多かったようで、幸い後からどんどん人が増えて一安心。

Q
❌パジャンカ(5.13a), 4go

早速1本目の目標に取り掛かる。おそらく見晴岩で最もポピュラーな5.13。初登者の滝本倫生さんという名前はどこかで見たことあるなと思ったら、白馬のバックカントリーガイドツアーでお世話になったことのある、ブルークリフの代表のようだ。

下部のアプローチはサンピラーと同じだが、ボルトはすべて独立している。相変わらず1本目のボルト位置が高い。ルート長25mに対し、終了点を除いて7クリップ。50mロープでピッタリ地面まで。

実質の出だしから、すぐにホールドが細かくなる。とりあえずテンテンでヌン掛け。4-5ピン間の左トラバースのムーヴが悩ましい。やや振られ落ちになるので恐怖心もある。なんとか片手を放せる体勢を見つけ、5ピン目にクリップ。

5-6ピン間で行き詰る。マントルを返すようなムーヴになりそうだが、乗っ越した先にホールドが見当たらない。100岩の「怖いリップトラバース」とは、ここを右回りという意味なのだろうか?とりあえず一旦下りる。

2便目でようやくマントルを突破。クリップしたボルトがリップの下になるので結構怖い。6ピン目までくるとようやくガバでレストでき、それより上はわかれば難しくなさそうだ。

一応狙うつもりで3便目。しかし、2-3ピン間であっさりフォール。右の方に2本指ポケットがあることに気づく。このホールドを使った方がムーヴが安定しそうだ。

この日の最終4便目。17時を過ぎ、ルートが日陰になってからしばらく経った。ホールドにはまだ暖かさが残っているが、暑さは多少マシ。

下部から順調に高度を上げるが、マントルの前の5ピン目クリップでもたついてしまい、あえなくテンション。翌日に向けてここのムーヴを修正し、ヌンチャクの向きも調整した。

初日からガッツリ登ってヘッデン下山。この日に岩場で知り合った、関西から遠征で来ていた4人組とは、たまたま泊まっていた宿も同じで、ツアー中によくお話させていただいた。

廻転すし きらら

夕飯は前回のツアーでは閉まっていて行けなかった「きらら」。トリトンのようにネタが大きく、それでいてそこまで高くない。

我々は土曜の18:30頃に到着し、30分くらい待ったけど、これもトリトンに比べると全然マシ。

マグロ3点盛り

お風呂はなよろ温泉サンピラー。相変わらずお湯が熱い。笑

ツアー中もプランクを欠かさないストイックなマイティー

Day 3

クライミング2日目。この日もモーニングコーヒーをいただき、パン屋に寄ってから岩場へ。

グルメイベントで不在のオーナーに代わり、その旦那さんが淹れてくれた
Q
✔️モグラの穴(5.11a), Re

パジャンカのムーヴは決まっているので、まずは軽くアップ。やはり人気ルートのようで、今回のツアー中にトライしている人をよく見かけた。

相変わらず登っていて楽しいルート。アップにも良い。前回のツアーで登った時はちょうど5.11aに感じたけど、ちょっと難しめかも。

Q
✅パジャンカ(5.13a), 1go(計2d5go)

この日は1日を通して曇りの予報だったのに、予想外の雨が降った。弱い雨だったので、ルートへの影響はなさそうだったが、一応止んでからトライ。

昨日の最終便に続き、マントル前の5ピン目まで到達。左トラバースにやや手間取ったものの、大きなミスはなかったが、それでもすでに前腕は張っている。このルートは一旦スタートすると、マントルを返すまで文句なしにガバと言えるホールドは一切なく、とにかく休めない。

声を出しながらリップのガバカチを止める。すでにギリギリ。そこから左足を手に足ヒールして体を上げ、踏みに変えてからフェイス面にある2つのカチを左手・右手でそれぞれ取るのだが、このカチがどちらもかなり悪い。

何度も叫びながらカチを握り、左足で立ち上がる。落ちたと思ったけど何とか持ちこたえ、スリット状のガバを捉えて6ピン目にクリップ。助かった。

あとはしっかり休めば、上部は問題ない。ところが、再び雨が降り出す。しかも今度は本降り。終了点直下は傾斜がないため、濡れないか心配だ。本当は念には念を入れて、もう少し休みたかったが、ややパンプを引きずって再出発。

幸い終了点まで岩は濡れておらずRP。会心のトライだった。

見晴岩の5.12台は甘めのグレードが多いと感じるが、パジャンカはちゃんと5.13aあると思う。

正直、ラインの見た目としては、当初それほどこのルートに魅力は感じていなかった。B&Bの存在もあるし、すぐ隣はサンピラーが引かれた非常に見栄えの良いカンテ。

しかし、実際に登ってみると内容は素晴らしい。やや登りが単調になりがちな見晴岩だが、パジャンカはムーヴが豊富で、エンデュランスパートの最後に明確な核心。シッカーで補強されたホールドもあるが、それを差し引いても三ツ星ルート。

Q
❌ビューティ・アンド・ブリリアント(5.13a/b), 2go

順調に目標のうちの1本を登り、もう1本のルートへ。初登者はレジェンド・吉田和正さん。通称B&B(ビービー)。

恐らく、誰もが一目見てカッコイイと感じるライン。迫力抜群、そしてランナウト具合も抜群。威圧感を感じる壁で、それでいて美しい。

下部はグレープフルーツ(5.10d)を登った。凹角のクラックに沿って引かれたスポートルートで、ステミングで体重を殺せるものの、要所要所でパワフルな動きが要求される。上部は右のクラックも使った。100岩では左隣のニューサマーオレンジ(5.12a)と終了点が共通だが、右に抜けるとB&Bが引かれた壁に終了点がある(地元のクライマーさんが教えてくれたが、ここの2本のボルトは両方緩んでいるので要注意)。

かなり長そうに見えるが、意外に50mロープで結び変えなしで取り付きまで下りられる。

完全レスト後に右トラバースでカンテに出るのだが、ここが早速難しい。一旦カンテに出ると、3ピン目までは基本ガバ。

下部のカンテパート

カンテからフェースに戻る部分が第一核心だろうか。細かいホールドと高い足位置。大きな穴がいくつか開いているが、ガバに見えて実はどれもそれほど良くない。4ピン目に到達すると、一旦ガバ棚でレストできる。

100岩には「途中からフェイスに出て直上」と書かれているが、地元のクライマーさんによると限定などはないらしく、再びカンテに出てまたフェイスに戻るというラインもあるらしい。僕は4-5ピン間は直上した。上を見上げると、終了点前最終クリップとなる6ピン目までが再び難しそうだ。ここまで時間がかかってしまったので、そこから先はやらずに一旦下りる。

2便目。この日一緒にB&Bをトライしていた、地元の女性クライマーさんのムーヴを参考にさせてもらい、5ピン目までのムーヴはすべて解決。

B&Bはシェ・マリアへの取り付きとなるテラスから良く見えるが、ここから見るととんでもなくランナウトしているように感じる。実際ピン間隔は遠いのだが、5ピン目にぶら下がって見上げる6ピン目は思っていたよりは近い。ラインも真っ直ぐで落ちてもクリーンフォールだし、そういう意味ではパジャンカの方が怖いかも。

5-6ピン間

しかし、何度やっても6ピン目にヌンチャクが掛けられない。下引きのカチがいくつかあるが、いずれも甘い持ち感で、僕の保持力だと反対側の手が放せないのだ。ボルトの目の前まで来ているのに、クリップできずに落ちる。さすがに怖い。笑

この日は結局、上まで抜けることができなかった。

昼過ぎまで予報にない雨が降ったが、夕方には晴れた。昨日に続いて風もなくて、西向きのB&Bのワーキングはとにかく暑かった…。

名寄で人気のスープカレー

夕食は去年も行ったキングベア。相変わらず絶品。我々が到着したタイミングで満席となり、その後は何組か待ちが発生していた。都市部にあったら相当並ぶだろうな。

Day 4

クライミング3日目。この日の予想最高気温は26℃。かなり暑くなりそうだ。

今日も朝から元気なクルム
Q
✅ビューティ・アンド・ブリリアント(5.13/b), 2go(計2d4go)

B&Bは、地元のクライマーさんも滅多にトライしないようだ。「B&Bにヌンチャクが掛かっている!」と驚かれた。

問題の6ピン目のクリップ。チョーク跡がほとんどなくて分かりづらいが、右上の方にサイドカチがあるように見える。両手で下引きのカチを持ち、ライダーキック気味に右足を棚まで上げると、このサイドカチに手が届いた。

しかし、これだけだと左手が放せずまた大フォール。さらに体を上げることになるが、恐らく左足ハイステップしないとバランスが取れなそうだ。精神が擦り減るルート。笑

長めのハングドッグ後に意を決して再出発。今度こそ掛ける。ライダーキックしサイドカチを取り、思い切って左足を上げる。ようやく左手が放せて、6ピン目にクリップ。この時は、正直RPした時よりも嬉しかった。笑

さて、最後のパートのワーキングに取り掛かる。特にライン取りにはこだわってなかったのだが、3ピン目でカンテからフェイスに戻ってからは、自然とフェイス直上になった。ここまで来たら、せっかくなので終了点まで直上すると綺麗なラインになりそうだったが、かなり悪そうだ。

再びカンテに出てやや距離のある一手を止めると、残りの終了点までの左上は概ねガバ。このライン取りでいくことにした。

この日の2便目(計4便目)。RPを狙ってやる気満々だが、ここで思わぬ障害が。それがテントウムシの大群。朝はいなかったのに、どこにこんなに隠れていたのだろうか。気温が上がったことで出てきたらしい。

この日はかなりの数のクライマーで賑わっていたが、この時間はテントウムシと暑さで、ほとんどの人が登らずに休んでいた。

僕はというと、ようやくトップアウトでき、繋げトライに向けてワクワク状態だった。下部のグレープフルーツのクラックには、特にテントウムシがギッシリだったが、構うことなくトライ。幸い、B&Bパートのテントウムシの数はそれほどでもなく、あまり気にならなかった。

上で書いたような状況なので、手持ちぶさたになったクライマー達に見守られながらのトライ。まるで二子山・弓状のような大ギャラリーだ。

応援されると緊張して力が出ないという人もいるが、僕は注目されればされるほど燃えるタイプ。

後で知ったのだが、バックは素敵な雲だった

出だしの右トラバースとガバのカンテ沿いを順調に抜けて第一核心。ここのカチマッチが保持の負荷としては一番高い。なんとか抜けて、4ピン目のガバ棚でのレスト。スパッと切れたような面になっていて、見た目ほど休めないが、体勢を工夫しながらシェイクを繰り返す。

4-5ピン間はリーチがあれば難しくない。ステミングで体重を殺して再びレスト。ここからは甘いカチが続くエンデュランスだ。

ステミングレスト

繋げるとライダーキックとサイドカチ取りが辛かったが、なんとか堪える!左足を上げ、怖い6ピン目のクリップをこなす。下からのガンバの声が聞こえる。

カンテに出て、叫びながら距離のある一手を出す。止まった!あとは大丈夫。やや余力を残して終了点へ。

途中で結構休めるので、僕にはパジャンカの方がやや難しく感じた。しかし、B&Bはかなりリーチ差が出ると思うので、人によると思う。

ムーヴの多彩さという点ではパジャンカに劣るが、悪いところとレストポイントが交互に出てくるといった感じの構成で、休むにも技術が要求される。何より、観る者を魅了するギャラリールート。

地元のクライマーさんにも「良いもの見れた!」と言ってもらえた。はじめての繋げトライで決められたことも嬉しかった。

Q
❌スーパーフール(5.12c/d), 1go

5日間かけてパジャンカとB&Bを登る目標だったが、思ったよりも上手くいって2日半で登れたので、ここからは気分的にエクストラステージ。

サイレント・サバイバーという5.13aが気になったが、下部が錆びたハーケン(カムがあれば使える)、上部はカットアンカーでのランナウト。遠征先でもしケガをすると大変そうなので、無難に別のルートをチョイス。

あまり誰も行かないエリア最奥に行ってみると、この辺りは少し岩の様子が異なる。どちらかというと、ポケットが中心のようだ。周囲を木々に覆われていて日陰が多く、テントウムシもあまりいなかった。

闘魂ロード(5.12c)をやりたかったのだが、1ピン目(ゼロピン的な位置にもボルトあり)が高く、それでいて自信を持ってクリップできそうにない。その上、ハングを越えた先の上部フェイスは下からだと良く見えず、様子がわからない(ラインによってはコケがありそうだった)。

スーパーフールは、短いながらもスッキリとした見た目のカンテライン。ボルトもケミカルで安心感がある。100岩では三ツ星のルートだ。

ただこちらも1ピン目が高く、それでいてクリップホールドが悪い。左隣のクラックを登ってヌン掛けし、以降はプリクリで登った。

パッと見たところ、下部はホールド足りてます?と言いたくなるような見た目。本当に必要最低限しかホールドがない。しかもどれも外傾していて、さらには足も悪い。

それでも何度かワーキングを繰り返すと、ムーヴがわかってきた。テラスに立って両手で2つのポケットを持ち、距離出しムーヴで左手カチを止める。狙いがピンポイントで難しい。このファーストムーヴが一番悪いと思う。

ファーストムーヴ

右手をカンテ右側のカチに寄せ、再び距離出しムーヴで右手カチ。このカチが2ピン目のクリップホールドとなるのだが、ホールド自体も良くない上に足位置が悪く、かなり緊張する。

2ピン目までのワーキングで時間がかかってしまったので、そこから上はとりあえず抜けたが、3ピン目まで来れればあとは大丈夫そうだ。4ピン目から終了点はコケだらけだが、ここはウイニングランといった感じでまぁ問題ない。

無事に目標達成して心にゆとりができたので、この日からは仲間の撮影も。

月の石を登るゆきりん

夜は鳥長という居酒屋へ。名寄の郷土料理に「煮込みジンギスカン」というものがある。はじめて食べたが、とても美味しかった。

鳥長の煮込みジンギスカン

Day 5

クライミング4日目。毎日それほど便数は出していないので、疲労はほとんど感じない。

この日の予想最高気温は21℃。今回のツアー中では一番涼しい日になりそうだ。せっかくなので、モーニングコーヒーをスキップして早めに岩場へ。

Q
✅スーパーフール(5.12c/d), 4go(計2d5go)

まずはアップも兼ねてムーヴ確認。昨日とはフリクションが全然違う。外傾しているホールドが多いので、岩のコンディションによって持ち感が大きく変わる。まだやっていなかった3-4ピン間のムーヴも決まり、これであとは決めるだけだ。

2便目。一番難しいファーストムーヴがいきなり止まった!シビアな2ピン目のクリップをなんとかこなし、ここから左手をカチ経由で溝の入ったポケットに送るのだが、わずかに届かずフォール。右手はずっとクリップホールドのままなのだが、クリップで消耗してしまった感じ。

ほとんどヨレてはいないので、そのまま下りて5分後に3便目。今回もファーストムーヴは止まったが、先ほどのトライに比べると余裕がない。2ピン目のクリップホールドから右手が抜けてくる感じがして、ヌンチャクを掴んでしまった。ちょっと失敗できない高さでのクリップなので無理はできない。

しっかり休んでから4便目(計5便目)。少しでもフリクションを稼ぐため、アルコールティッシュで手を拭き、液体チョークをつけてからトライ。

出だしからいい感じ。再び2ピン目のクリップに成功し、2便目で落ちたポケットも止まった!ここからビクトリーガバまでの数手はややパンプを感じたか、落ちる気はしなかった。

せっかく見晴岩に行くのなら、まずは高さがあって開けたロケーションの定番ルートをオススメしたいけど、時間があったらこのルートもぜひ。

ゆきりんが上から撮ってくれたやつも関連動画に貼ってます。

Q
✅アンジェラ(5.11c), FL

暖めに暖めておいた、アンジェラのフラッシュトライ。しっかり指に刺激が入ったところでいざ。

ゆきりんが僕のトライ前にマスターで登ったんだけど、あえてヌンチャクを回収してもらって僕もマスターでw。

アンジェラ

美しい縦クラックが目を引く見栄えの良いライン。見晴岩で人気の5.11だ。

終了点を除いて確か7クリップ。5ピン目まではガバガバのアプローチで、完全レストからの上部が実質すべて。

ガバガバから一転、スローピーなカチや1.5本指ポケットなど、急にホールドが悪くなる。力を使う6ピン目のクリップをこなすと、今度は縦ホールドの連続。スタンスが限られていて、保持力だけでは登れない。

実質2クリップのルートだが、ランナウトしているので意外に手数が多く、持久力も重要だ。「人工壁クライマー返し」かどうかは?だが、ムーヴが豊富で人気なのも頷ける。

このルートはトライしているクライマーが多く、色々な人のムーヴを見てから登ったので、余力を残してフラッシュ。

この日はゆきりんが月の石を完登!マイティーもあと少しのところまで来ている。

月の石を登るマイティー

昨日まではヘッデン下山だったけど、キリが良いので早めの撤収。

夕焼けに染まる名寄の街

夕食は宿のオーナーさんがやっている韓国料理。

チヂミが特にお気に入り

ちなみに宿と韓国料理屋は最寄り駅から徒歩10秒。北海道らしいプラットフォーム。

日進駅

Day 6

いよいよ最終日。お世話になった宿のオーナーさんとクルムに別れを告げて岩場へ。

なぜか足にしがみつくクルムw

この日の僕はエンクラだったが、曇り+爆風で、何でも持てそうな気がするフリクションだった。休憩中は薄手のダウンを着ていても少し寒いくらい。

Q
✅ラッキーSOハピー(5.11b), mOS

モモンガのカンテの左側の壁を登るルート。例によって1ピン目が高く、そこまでの岩が脆そうなので慎重に。

手がかじかむほどではないが、寒かったのでフリース着たままトライ。

下半分は凹角ガバのアプローチ。後半はやや甘いホールドが続くエンデュランスといった感じ。

上部はチョーク跡を追いかけて左回り(横の壁は使わず)したが、恐らく直登も可能で、そちらの方が難しそう。

ラッキーSOハピー

傾斜がないため、ほとんど腕は張らなかった。5.11bは甘めかな。草が生えていたり、ややアルパインチックな雰囲気だが、長さがあって岩自体の見た目は悪くない。

Q
✅ギャンゴ(5.11c), FL

前日に地元のクライマーさんがトライしていて気になったのでやってみた。

終了点を除いて5クリップ。テラスに立つと、核心の3-4ピン間を目の前でオブザベできるが、近距離でもパッと見ブランクに感じる。

ギャンゴの核心部

左にトラバースしてガバで3ピン目にクリップし、右手ポケット、そして左手カチ(上の写真)。この左手カチをぜひ触ってみてほしい。5.11台で出てくるカチとしてはかなりの薄さだが、理想的なインカットで、まるでカチラーのために作られたかのような自然の造形。

その後は気持ちの良いガバカチが続いているが、最後まで適度な緊張感がある。

あまりにフリクションが良かったのと、僕の得意系だったので自信はないが、アンジェラより易しくて登りやすい5.11cだと思う。上で書いた薄カチが持てるかどうかだろうか。

カチ以外にもポケットのホールディングが面白くて、長さはないが良いルート。

マイティーはこのツアーが久々の外岩だったが、徐々に感覚を取り戻し、最終日に月の石を完登!

さらにはゆきりんと2人でシェ・マリアもRPし、素晴らしいツアーの締め括りとなった。

岩場で知り合った中一の男の子が、集合写真を撮ってくれた。

B&Bをバックに

15時頃に岩場を後にして空港へ向かう。

道の駅に寄ってソフトクリーム

途中のセブンイレブンで自宅に熊スプレーを返送し、最後は空港の旭川ラーメンでシメ。やりきった。

ふりかえり

この時期の見晴岩は暑かったり寒かったり、そしてテントウムシの大群が壁を埋め尽くしたり、忙しなくコンディションが変化する。しかし、前回のツアーと違って今回はほとんど雨に降られることもなく、素晴らしいルート(と北海道の美味しいもの)を堪能できた。

また、去年はツアー中に岩場で誰とも会わなかったが、今回は遠征組(赤岩青巌峡や層雲峡と組み合わせている人が多い)はもちろん、地元のクライマーさんとも色々お話ができ、とても楽しい時間だった。

5日間かけてパジャンカとB&Bを落とすつもりでいたが、2.5日ほどで目標を達成し、他の5.12や5.11も楽しめた。大満足。どのルートも必要最低限の便数で登れたと思う。

5.13の2本は運良くヌンチャクが掛かっていなかったので、自分でなんとかヌン掛けしてトップアウトして、そして最適化してRPまで持っていくというプロセスをフルで楽しめた。

B&Bは地元クライマーさんとのセッション効果(一方的にムーヴパクっただけw)もあったが、どちらのルートも地方の岩場なので情報が少なく、ピン間隔も広くて最初はトップアウトするのに苦労した。しかし、そのおかげでトップアウトできた事自体が嬉しかったし、RPした時の喜びも大きくなった。

僕は基本的に成果主義なので、例えば「ツアー中に5.12以上が何本登れたか」とか結果を気にするんだけど、プロセスも大事にして楽しめるクライマーでありたい。

それにしても、ツアーでの目標を決めてそれに向けてトレーニングして、限られた日数で決めるというのは、自分の性格に合っていると思う。今後も積極的にツアーで色々な岩場に行ってみたい。

前回と今回の2回のツアーで、見晴岩の主要ルートは一通り登った感がある。5.13a以下でまだ気になるルートもなくはないが、また見晴岩に来る機会があれば、見張り塔からずっと(5.14a/b)を触ってみたい。

僕の今の実力だと、グレード的には少なくとも短期ツアーで狙うのは現実的ではないが、まずはトライすることに意味があると思う。

北海道に住んでたら通ってみたいんだけどな~。でもハードラック・トゥ・ミー(5.14a)を登るため、東京から週末に通っていたクライマーもいたとか…。

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ABOUT ME
きい
きい
登ったり滑ったりする人
1988年生まれ、愛媛県出身
東京の北西部に住み、週末は専らさらに北や西に出かける
仕事は電機メーカーのエンジニア
クライミング:2021年からリード&外岩を始めて本格的に
スキー:2017年からバックカントリーにハマる
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