クライミング日記

【小川山】ノーモアレインとブラックホール

きい

クライミング日:2024年6月9日(日)

アプローチなど

今回のクライミング

妹岩・マラ岩は、2022年10月にイエロークラッシュを登って以来。恐らく通算3回目だ。

メンバーはモトハシさん、僕の2人。

まずはノーモアレイン(5.12b)、できればブラックホール(5.12b)も狙いたい。

アプローチ

廻り目平のダートを走って車止め付近に駐車し、沢に向かって下りて行く。

少し見回したが、濡れずに渡渉できる場所はなさそう。仕方なく靴を脱ぎ、堰堤の上を渡る。

川の水はすぐに足の感覚がなくなるほど冷たかった…

ちなみに、帰りによく探したら、石が繋がっている場所があって普通に渡れた。笑

天気とコンディション

この日の予報は概ね曇り。ただし午後からは雨の可能性もありそうだ。気温はこの時期としては割と低め。

マラ岩・妹岩には8:30くらいに到着。クラックの講習?をやっていたようで賑わっていたが、ノーモアレインとブラックホールは我々以外にやる人がいなくて快適だった。

午前中は日差しもあり、暑くもなく寒くもなく。15時頃から霧雨と強風で極寒

みんな早々に退散してしまったが、結局1日中登れた。

18時頃に車に戻り、外気温の表示を見ると13℃だった。

ノーモアレイン(5.12b)

ルート解説

知り合いの強者達が揃って苦戦しているノーモアレイン(5.12b)。

被ったクラックのレイバックからスタート。

中間部でレストし、小ハング越えからストレニュアスな核心部。

素直に下引きできるホールドがほとんどなく、ムーヴを見つけるのが難しい。さらにカンテ沿いのルートであることがスタンスを限定し、とてもバランシーで面白いルートになっている。

小ハングを越えてフェイスパートに入り、腕が張ってきたところで純粋な保持力、 足でのかき込みが求められるデッド。

最後にはちょっとしたスラブもあり、まさに全部入り。 四つ星にふさわしいルート。

成果と進捗

1便目
アップ兼ヌン掛け

オンサイトはほぼ可能性なしと判断し、アップなしでいきなり取り付く。マスター便だと2P目のヌン掛けがかなり怖い。下部のムーヴは問題ないが、中間部からの核心が全くできない。とりあえずA0しながら終了点まで抜ける。

2便目
ムーヴ作り

モトハシさんの1便目を参考に、なんとか核心部をこなす(結局モトハシさんとは全然違うムーヴになったけど)。一応ブランクパートはなくなったものの、繋げるとまだキツそう。上部は苦手なスラブだが、まぁなんとかなるか。モトハシさんは珍しくスリップ落ちしたが、次は決めてきそうだ。

3便目
あわよくば便兼ムーヴ固め

一応RPを狙う。前半の被ったレイバックパートはほぼノーダメージ。中間部のガバアンダーでほぼ全戻しするも、核心部であっさりフォール。まだムーヴが固めきれてなかった。細かい足位置などをしっかり確認。モトハシさんがお先にRP。

4便目
RP

核心の序盤で足が抜けて若干焦ったけど、決めたシーケンスをトレースして小ハングを越える。フェイスパートのデッドはやはり繋げるとキツかったけど、ギリギリ止まった。棚に乗り込む時、余裕がなくロープに足が入ってしまったが、ここはまず落ちない自信があったので突っ込んじゃった。棚に立って大レストし、上部のスラブを慎重にこなして無事RP。

グレード感

最初は難しく感じたけど、登れてしまうと5.12bなのかなという感じ。基本的な考え方として、グレードとは最適なムーヴで登った時の難易度であるという話を聞いたことがる。そういう意味では、ノーモアレインはムーヴの構築が難しいルートだと思う。小ハング越え部分のホールドは向きも掛かりも悪いんだけど、キョンやステミングが使えるので、はまれば劇的に負荷が減る。ちなみに小川山本では、ノーモアレインが5.12bのグレーディングの基準になっている。

撮影アドバイス

このルートの動画撮影のグレードは、5.13cくらいあると思う。

周辺に木が多く、ルート全体を上手く収められる三脚設置場所が見当たらない。

その証拠に、人気ルートであるにも関わらず、youtubeにも動画はほとんどないようだ。

核心部だけでも撮影しようと、ビレイポイントの少し下に三脚を設置。望遠レンズを使用した。

ブラックホール(5.12b)

ルート解説

激カチで有名?なルート。指皮を湯水のように消耗する。

出だしから強烈。3P目まで高強度が続き、そこから少しずつ易しくなっていく。

ホールドはエッジが立ったインカットカチだけではなく、スパッと切れたような水平カチ、垂れた外傾カチなど様々。

フルクリンプ、セミアーケ(ハーフクリンプ)、オープン、どれも使う。

縦向きのホールドもあるけど、基本的には下引きの悪いホールドを保持り、悪い足で距離を出せるかが勝負。

保持力だけでなく、引き付け力、足でのかき込み力も問われる。

最後は死ぬほどランナウトしたスラブ。恐らく、ここだけ切り取ったら5.6くらいなんだろうけど、落ちた時のことは想像したくない。笑

小川山本に「暑い日には勝負にならない」と書かれている通り、コンディションに左右されそうなルートではある。

成果と進捗

1便目
ムーヴ作り

モトハシさんがヌンチャクを掛けてくれた。出だしの距離出しが止まらなかったけど、ここはなんとかなりそう。探り過ぎると、あっという間に指皮がなくなりそうなので、とりあえず上へ。2~3P目がブランク。そこから上はなんとか出来た。最後の超絶ランナウトスラブもまぁ落ちないだろう。

2便目
あわよくば便→体が終わる

モトハシさんは一通りムーヴ作り完了。僕もこの便は捨ててムーヴを探り、次の便にかけたいところだが、ノーモアレインのダメージが想像以上に大きい。まだブランクパートがあるものの、一応RPを狙うが、出だしであっさりフォール。その後はヨレて全くカチを引けなくなり、お先に敗退宣言。モトハシさんは3便目でRP。強いね~。

フレッシュな状態で再度やってみないとなんとも言えないが、あと1日あれば登れそうな気もする。

とにかく、カチ好きを公言している僕としては、リベンジしなければならない。

グレード感

カチカチなので、人によって得意不得意の差はかなり出そう。僕はカチは得意だけど、高めで窮屈なスタンスが多いと感じたので、もう少し小柄な人の方が簡単に感じるのかもしれない。終盤までガバらしいガバは出てこないけど、大きくオーバーハングしている訳ではないので、意外と持久要素は小さそう。総合的に考えると、難しめだとは思うけど5.12bなのかなぁ。働け!ロッククライマーも難しかったけど5.12bだし。ノーモアレインも含め、花崗岩の5.12bは甘くないね。

(2024/6/23 追記) 2週間後の6/22に再びトライして、この日の2便目で登れた。通算2d4go。これで一応明日からも「カチ得意です」って言えます。笑

撮影アドバイス

ブラックホールはルートのほぼ正面、ビレイポイントよりやや高い位置に三脚をセットできる。

ただし、壁から距離を離すことが難しい。一台のカメラでルート全体を収めることは難しいけど、二台のカメラのうち片方で下部、もう片方で上部を撮影するという手もある。

僕はこの日は登れなかったけど、モトハシさんの動画を撮ってあげた。1:40あたりでカメラが切り替わります。

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ABOUT ME
きい
きい
登ったり滑ったりする人
1988年生まれ、愛媛県出身
東京の北西部に住み、週末は専らさらに北や西に出かける
仕事は電機メーカーのエンジニア
クライミング:2021年からリード&外岩を始めて本格的に
スキー:2017年からバックカントリーにハマる
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