クライミング日記

【小川山】秋晴れ!満車!10月の3連休、3連登

きい

クライミング日:2024年10月12日(土)~14日(月・祝)

今回のクライミング

リードクライマーにとっては、花崗岩シーズンど真ん中、スポーツの日の3連休。その上、久しぶりに天気予報には晴れマークが並んでいる。

もちろん、小川山は多くのクライマーで大賑わい。ボルダラーも一気にシーズンイン。

都内もようやく秋らしくなり、朝晩は長袖が必要に。

湿度も急降下。コンディションバチバチ

ここ最近で3本の5.12dをRPし、満を持して高グレードを狙う。

指皮がボロボロになるまで遊んだ、小川山での3連登。

ゴジラ岩(Saturday)

三連休初日。雨の心配のない週末はいつ振りだろうか。当然、高速道路は混雑必至。

朝5時過ぎに、あきる野ICから圏央道→中央道へ。ギリギリ渋滞には引っ掛からなかった。

7時半過ぎに廻り目平に到着。天気は快晴、放射冷却で朝の気温は6℃!

当然、駐車スペースは大混雑。前日入りした人もかなり多そうだ。

なんとか林道終点付近に空きスペースを見つけて駐車。この後、間もなく満車になったらしい。

今シーズン初のゴジラ岩。車を止めてから45分くらいのアプローチ。屋根岩5峰と時間的には同じくらいだけど、半分以上は車が走れるような林道歩き。急登も少なく、体力的には割と楽。

この時期は、ほとんど一日中陽が当たる。

❌ちゃびんば(5.13b), 5go

この秋の本命ルート。本当はもっと早く来たかったんだけど、ずっと不安定な天候で、さらには例年にない残暑。遠くて日当たり抜群のエリアのため、なかなか足が向かなかった。

仲間内の何人かが、昨シーズン登っていたちゃびんば。このエリアにある3本の5.13bの中では、恐らく一番人気がある(とは言っても、このエリアに来る人自体がかなり少ないけど)。

昨シーズン、僕はというと、このエリアで無職の夏休み(5.12c)・あっこカンテⅡ(5.12a)、ヒメシャラ(5.12a)の3本を登った。

ちゃびんばは、無職の夏休みの左隣のルート。グレードは3つ離れているけど、タイプとしては似ていそう。薄被りのカチフェイス

花崗岩では、まだ5.13aが最高グレード。得意系のルートで高難度にチャレンジ

ルート解説

全部で6ピン+終了点のルート。1P目は木を使ってプリクリ。

1P目と2P目の間で早くも第一核心。通称「クレジットカード」と呼ばれる(仲間内だけ?)薄い縦カチを右手で持ち、遠いカチを左手で取りに行く。

2P目から4P目までも高い強度が続き、ほとんど休めないレストを挟んで第二核心。ハイアンダー(左手ガストンで入るムーヴもある)を右手で取り、窮屈なハイステップ。

そこから顕著なフレークガバを取るまで、どこでも落ちられる左トラバース。ここは任侠道を思い出す。

最後はフレークガバからリップへの距離出し。難しくはないけど、でも簡単過ぎないマントルを返して終了。

このグレードとしては、特別悪いホールドは出てこないけど、終盤のフレークガバまでこれといった休み所のないストレニ系

ホールドの向きは多彩だけど、基本的にずっとカチなので、同じ筋肉を使わされて次第に手が開いてくる。長いルートではないけど、1テン地獄が容易に想定される

トライ

終了点には、裏から回って歩いて行ける。モトハシさんが上からヌン掛けしてくれた。

1・2便目でとりあえずブランクパートはなくなる。

3・4便目でさらにムーヴ改善。一通り、繋げて現実味のありそうなムーヴは作れた。

5便目、一応本気でRPを狙う。

クレカホールドの第一核心は、かなり長身が活きる。4P目の小レストポイントまで、ノーミスで繋がった!

しかし、この時点ですでに腕はパンパン!小レストは全然休めず、レストになっていない。プルプルでハイアンダーを取るも、次の左足ハイステップが全く上がらずフォール。

ハングドッグ後、ムーヴ確認のためにもう1回テンション入れて2テンでトップアウト。1テンまでは問題なくいけそうだ。

5.13bの初日としては、上々の仕上がり。

ゴジラ岩(Sunday)

前日に続きゴジラ岩。三連休の中日で、さらなる激混みが予想されるため、7時前に廻り目平着。意外に駐車スペースには空きがあった。

とはいえ、人気エリアはかなりの混雑だった模様。この日のプラズマ火球(5.13c)は8人待ちだったとか…。

一方のゴジラ岩はというと、前日が我々の他に1パーティー、この日は貸し切りだった。

主要ルートは基本的に5.12以上。アップが悩ましい。無職の夏休みの右にある岩棚をハングボード代わりにし、指を暖める。

❌ちゃびんば(5.13b), 2go(計2d7go)

ムーヴはすでに決まっているので、1便目から本気で狙う。それほど昨日の疲れは感じないが果たして…。

第一核心は問題なし。しかし、その後すぐに腕が張る。昨日の最終便で繋がったパートの前でフォール。

???…アップ不足だろうか?

落ちた後、ルート後半のムーヴを確認するが、プルプルでなんとかトップアウトという体たらく。

おまけに、左手人差し指と、右手中指から出血。右手人差し指はすでに昨日出血していたので、10本中3本の指にテーピング

ヌメり手と乾き手

僕はかなりの乾き手のようで、夏の暑い時期でも、それなりにフリクションを感じられる。ヌメり手でのクライミングがどんなものなのか、体験できる訳ではないので想像の域は出ないが、これは乾き手のメリットだろう。

一方で、湿度の低い時期には皮膚のパックリ割れを起こしやすい。特に、花崗岩の細かいカチではすぐに切れてしまい、この時期はテーピングなしで登れることの方が珍しい

この日に完登できなかった事とはそれほど関係ないけど、やはり登りながらテーピングのずれが気にならないと言ったら嘘になる。

ヌメり手と乾き手。一長一短といったところだろうか。

2便目、今度は第一核心からプルプル。なんとか1便目と同じ高度までは辿り着いたが、敢えなくフォール。

さらに、今度はバラしても上のパートが出来ない。昨日はテンションが入ればどこも問題なかったのに、トップアウトすらできない状態に。急に自分の体じゃなくなってしまったような気分だ。

しかし、実はこの現象は初めてではない。お隣の無職の夏休み(5.12c)、あとはマラ岩のブラックホール(5.12b)でも同じ経験をしている。いずれもカチカチのルートだ。

詳しい体の構造はわからないけど、恐らくカチを握る(僕はオープンが弱いので、フルクリンプすることが多い)時に使う部分は、比較的小さい筋肉なのだろう。

例えば、二子山・弓状エリアのように、ガバ主体の強傾斜ルートで使う筋肉とはまた別の部分なのだと思う。弓状は典型的なパンプとの戦いで、フォール後しばらくは前腕が張った状態になり、トライ数が増えるとやがて何時間待っても張りが抜けなくなる。

一方で、花崗岩のカチフェイスでは、そこまで前腕が張るという感じはない。しかし、トライを繰り返すことで、急にカチ筋が終わってしまう。RP目前まで仕上がっていても、時にトップアウトすら出来ない状態になってしまうのだ。

無職の夏休み・ブラックホールでも、前の便では下から繋がっていたパートが、バラシでも出来なくなった。後日、フレッシュな状態で再トライすると、全く問題なくRP。

一旦カチ筋が終わってしまうと、少なくともその日中には戻らない。この日のちゃびんばは諦め、他のルートで遊ぶことに。

ちなみに、モトハシさんはこの日の3便目(計7便目?)でRP。1,2便目も第二核心は突破していたが、任侠トラバースならぬ「ちゃびんばトラバース」でフォール。ここは繋げるとかなりキツそうだ。

フレッシュな状態で再トライしないと何とも言えないが、あと1日で出来る可能性もある気がするし、まだ何日もかかる気もする。

✅真骨頂(5.12b), 3go

アプローチ

真骨頂(5.12b)・千秋楽(5.12c)の取り付きに行くには、ちゃびんばがあるメインエリアから、20mほど恐怖のトラバースが必要。

恐怖のトラバース

FIXロープはしっかりしているので、実質的な危険はそれほどないが、セルフは2本セットして掛け替えは確実に。クライミングシューズを履いて行った方が楽。

1日にここを何回も往復するのは、かなりストレスだと思う。真骨頂・千秋楽の取り付きには、狭いながらも平らなスペース(4人以上だと窮屈)があるので、1日中トライするならザックごと持って行った方が良い。

ロケーションが良く、狭いながらもそれなりに快適。ただし、トラバース中も含めて浮石が多いので、滑落にはくれぐれも注意。

真骨頂・千秋楽の取り付き

ルート解説

どっ被りのボルダーからスタート。ここがルート中の最大強度。

出だしの核心ムーヴを探るかいてぃー

ドガバでのレストを挟み、中強度の中間部を抜け、再びレスト。そこからガバtoガバの距離出しとなる第二核心。ここは滑りそうで滑らないスメア足で、思い切りが必要。

第二核心

最後は少しランナウトするけど、基本的にはホールドのしっかりしたご褒美スラブ。

あまり花崗岩らしくはないけど、大きなホールドで大きく動く、ダイナミックなルート。核心と休みどころがハッキリしているが、繋げる難しさもあり、良い意味でメリハリが効いている。

ただでさえ、廻り目平からのアプローチが遠いゴジラ岩。そこからさらに恐怖のトラバース。でも、十分その価値があるオススメルート。

瑞牆本には、「終了点は立木から下降」と書かれているが、現在はボルトの終了点が設置されている。割と最近リボルトされたようで、中間支点も綺麗なケミカル。

トライ

僕が最初にマスターでトライ。チョーク跡は皆無。

まずはどっ被りの第一核心で行き詰る。時間が掛かりそうなので、一旦スキップして上へ。

第二核心もムーヴが解決できず。仕方なく一旦下りる。

モトハシさんは、あっさりとムーヴを解決。最後にライン取りを間違えたが、あと一歩で一撃という惜しいトライだった。

2便目。モトハシさんのムーヴを真似して、2つの核心を解決。僕は教えてもらって何とか出来たけど、これが初見でいきなり出来るのは本当にすごい。

3便目。ちゃびんばですでにカチ筋は終わっている。幸い、真骨頂ではそれほど保持力の要るカチは出てこないけど、さすがに全身の疲れを感じる。前の便で一通りムーヴは作れたけど、分は悪そうだ。

しかし、会心のトライでRP。カチ以外を持つ力は、まだ残っていたようだ。

残念ながら、ちゃびんばは登れなかったけど、期せずして素晴らしいルートに出会うことができた。

ローリングストーン周辺 & 兄岩(Monday)

予報通り、三連休最終日も快晴。しかし、廻り目平の駐車場は、昨日までの2日間に比べるとかなり空いている。特に最近は、1日くらい家でゆっくりしたいという人が多いのだろう。日曜の中央道は、深夜まで大渋滞だったようだ。

2日間、長いアプローチをこなしたので、この日は近めのエリアで遊ぶことに。

✅睦月誕生(5.12b), 2go(計2d5go)

2週間前、途中から雨が降り出したこともあり、RPを逃してしまったルート(以下の記事参照)。

あわせて読みたい
【瑞牆・小川山】オール・オア・ナッシング(Day2)と睦月誕生(Day1)
【瑞牆・小川山】オール・オア・ナッシング(Day2)と睦月誕生(Day1)

快晴が続いていたにも関わらず、この日は核心部の左側に水が流れていた。話には聞いていたが、このルートは完全に乾いていることの方が珍しいようだ。

とはいえ、使うホールドで影響があるのは、核心のトラバース前に左手で持つ水平カチのみ。それなりに悪いホールドなんだけど、なぜか濡れていても割と持てる。それ以外のホールドは、霧雨だった前回に比べるとフリクション抜群だ。

ほとんど陽が当たらないエリアなので、ゴジラ岩に比べるとかなり寒い。今シーズン初の焼き石使用。

1便目はヌン掛け&思い出し便。前回のトライはたった2週間前なのに、加齢が心配になるほどムーヴを忘れていたが(笑)、徐々に思い出した。

この日の2便目(計5便目)でRP。実質はウイニングランのパートで足が抜けて落ちそうになり、肝を冷やした。笑

❌もみネコ(5.11d), 2go

睦月誕生と同じ岩に引かれた2本のイレブンの内の1本。ハム&ムック(5.11c)とほとんどの部分は共通で、終了点前の1ピンだけライン取りが異なる。

瑞牆本には、「苔むしていて登るには掃除が必要」と書かれているが、この日は特に問題なかった。

ハム&ムックとの分岐までは難しくない。実質は終盤の数手にグレードが付いていると言ってもいいだろう(背が低いとそこまでも簡単じゃないかも)。

核心部の傾斜は垂直よりやや寝ている。ホールドはこのグレードとしては激悪で、恐らくフットワークが鍵。

僕は何度やっても解決できずにド敗退。ちなみに、モトハシさんとかいてぃーも登れなかった。

そんな中、この日唯一の女性メンバー、イイヅカさんは割とあっさりRP。

リーチクライマー殺し、5.13クライマー返しで有名?な、本気のライン(5.12a)を思い出した。このルートも、苦しむ男性陣を尻目に、女性はあっさり登ってしまうことが多々ある。

花崗岩のグレーディングは、色々なルートを登れば登るほど分からなくなってくる…。

参考情報:金メダル(5.13b)

先日、岩場で顔を合わせたクライマーさんからオススメされたルート。

この日も残念ながら、ルートの後半はびっしょり。ダメ元でモトハシさんがヌン掛けしていたけど、サビているボルトが多く、さらにはシッカーだらけとのこと。

パッと見は良いラインなので惜しいけど、グレードを考えると、色々とハードルが高そうだ。

残念だが、一旦ティックリストからは外すことにした。

兄岩下部スラブ

14時頃から移動し、川の反対側にある兄岩へ。

僕は今年の4月、アルパイン少女マミ(5.12a)をトライして以来2回目。ちなみに、マミは完全に苦手系で、トップアウトすら出来なかった。笑

思ったよりも水量が多く、少し下流側まで歩いてから、丸太が架かっている部分を渡る。

渡渉したポイント

連休最終日の午後、早めに引き上げるパーティも多かったようだが、さすが人気エリアで何組か先客が。

夏の花崗岩修行の成果を試すべく、マミに再トライしようかと思ったけど、このルートも他のクライマーが取り付いている。

時間もあまりないので、登って来た急登を川の方に下り、登攀のすべて(5.12a)というルートをやってみることに。

このルートは取り付きまで行くのが、すでにちょっとしたクライミング。しかも、パッと見た限りでは、ルート中のボルトもかなりランナウトしている。すっかりビビッてしまい、他のルートにトライすることに。

アプローチをクライムダウンするのは少し危険に思えたので、帰りは懸垂で。

懸垂のロープをセットしてくれたかいてぃー。感謝。

せっかくエリアを移動したのに、なんやかんやで日没までそれほど時間がなくなってしまった。

ということで、滅多にやらないスラブでエンクラ?することに。

✅タジヤンⅣ(5.10a), FL

傾斜としては、フェイスに近いスラブといった感じ。スメアリングは必要なく、ホールドも明確だ。

とはいえ、ピン間隔はそれなりに遠め。この傾斜としては信じられないくらいのガバも出てくるが、しっかり緊張させられるパートも。ライン取りも悩ましい。

かいてぃーのmOS後に、3回くらいテンションて言いそうになりながら何とかフラッシュ。

❌三日月のピン・クリップ(5.10b), 1go

タジヤンⅣの右隣りのルート。上半分は共通。

タジヤンと同じで1P目が高いけど、三日月は出だしがそこまで簡単じゃないので慎重に。

2~3P間で、このグレードとしてはかなり難しい核心。実質はここの数手が全て。左手でサイドピンチ、右手は結晶のガチャピンチ。これぞ花崗岩といったスメア足でムーヴを起こす。

かいてぃーのmOS後、しっかりとムーヴを聞いてトライ。とにかく足が悪いと。そしたら足に集中し過ぎたのか、右手の結晶ピンチが抜けて痛恨のフォール!笑

足は確かに悪いけど、シンプルに保持力も求められる気がする。

ふりかえり

久しぶりに雨の心配がないクライミング。上手く混雑を避けることができ、快適に遊べた。

ちゃびんばは、あわよくばこの連休で狙っていたので悔しいけど、実力相応の結果。寒がりな自分にとって、残りシーズンは短いけど、フレッシュな状態でリベンジしたい。

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きい
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登ったり滑ったりする人
1988年生まれ、愛媛県出身
東京の北西部に住み、週末は専らさらに北や西に出かける
仕事は電機メーカーのエンジニア
クライミング:2021年からリード&外岩を始めて本格的に
スキー:2017年からバックカントリーにハマる
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