【御前岩】DAIJA捕獲・南面のショートハードで遊んだ日
クライミング日:2024年11月21日(木)
今回のクライミング
今シーズン初の平日カード。夏の間、溜めに溜めた有休を放出する時が来た。
しかし、前日は夜までしっかり雨。せっかく平日登りに行くなら、コンディションが良い時に行きたいけど、結果的に有休を大量に余らせるのはもったいない。
先週末に続いて御前岩へ。お目当ての誉(8a+)は残念ながら濡れていて、まともなトライはできなかったけど、普段はあまりやらない南面のショートハードで楽しく遊べた。
染み出しの状況
前日夜には止むという予報が外れ、水曜の朝から降り出した雨は、当日木曜の出発時点でまだ止んでいない。かなり厳しそうだが、ダメ元で行ってみることに。
奥多摩に入ってようやく雨は止んだが、道路はビッショビショ。駐車場に到着し、岩を見上げると、遠くから見てもわかるくらい濡れている。
そのまま帰ろうかとも思ったけど、一応空身で様子だけ見に行ってみる。
ドラゴンロックの他のルートが染み出していても、グレイハウンド(7c)だけ乾いているということは多々あるんだけど、この日は逆に流れ込みでビショ濡れ。
染み出しはかなり収まってきた。
エレファント東面も、Dr.メイジやWENDEなどの上部が濡れている。北面も同じような感じ。パチンコや誉も上部がアウト。岩の途中で終了となる、GYA-GYAなどは大丈夫そうだった。
あまり期待せずに南面へ行ってみると、なんとほぼ全ルート乾いている!
せっかく御前岩へ行くなら、長いルートやりたいなと思っているので、南面のルートはほとんど登ったことがない。せっかくの機会なので、今日は南面で遊ぶことに。
ちなみに、日中も全く予報にない雨が降ったが、傾斜の強い南面は直接雨が当たることはなかった。ビレイヤーも全然濡れない。
DAIJAの周辺は地面も平らで、雨の平日で貸し切りだったこともあり、とても快適だった。
✅ハートブレイク(6c+), Re
アップだけは東面でいつものやつ。最終クリップから終了点までの間は、ライン取りが2種類あるんだけど、いつも使う右のクラックがビショ濡れ。
初めて左回りで登ってみたけど、わかればこっちの方がやや楽かな。
調子は結構いい感じ。
✅DAIJA(7c+), 2go
ルート解説
顕著なコルネがルート名の由来になっている。見た目抜群で、前からやってみたかったルートだ。
終了点を除いて3クリップ(ビレイヤーとのごっつんこ防止用?のボルトを入れると4ピン)。1P目はプリクリが一般的だと思うので、実質2クリップの短しい系。
下部はコルネが非常に細く、ピンチというより、コルネに付いている細かいカチなどを使う。繊細なホールディングが求められ、フットワークも悩ましい。
2P目のクリップホールドとなるガバまで、僕の場合で出だしから6手くらい。この間はどこでも落ちられる感じで、地面が近いので度胸も必要。
上部は下部に比べると易しいけど、一転して太いコルネピンチで、ダイナミックなムーヴが続くパワークライミング。
中間部にガバはあるけど、傾斜が強く、スタンスも悪いのであまり休めない。繋げる難しさもある。
とてもムーヴが面白くて、超オススメのルート。
トライ
モトハシさんとのセッション効果(ほぼ一方的にムーヴパクっただけ)もあり、やや苦労しつつも1便目でバラシは完了。
下部はかなり強度があるけど、得意のヒールフックを使える場面が多い。
2便目で下部が繋がる。ガバでは左右ワンシェイクずつで上部へ。上はあまりムーヴ覚えてなくて、迷ってるうちに腕が張ってきて危なかったけど、なんとか2撃。
グレード感
核心は同じ7c+のアスリーツよりやや難しいかな?
持久要素はアスリーツの方が高いので、トータルではDAIJAの方が少し易しい気がする。
自分の文章を見返すと、アスリーツは「ソフトめの7cくらい(以下の記事参照)」と書いているけど、あんまり自信がなくなってきた…。
本格的にクライミングを始めてから、まだ3年半くらい。シーズン毎にハッキリと実感できるくらい、まだ実力は伸びている。
以前は5.12台でも、1つグレードが上がるごとにトライ数が多くなったので、グレードの違いが分かりやすかった。
しかし、最近は便数でいうと、5.12a~5.13aまでハマれば2撃・3撃も少なくない。1年前に苦労してRPしたルートでも、今やれば全く違った感想になるだろう。
ある程度、成長曲線が飽和してこないと、グレードの比較というのは難しいのかもしれない。
✅ぬかよろこび(7c), 2go
ルート解説
DAIJAの右隣りのルート。DAIJAよりやや長さがあるが、それでも3クリップのショートルート。しかし、こちらの方がリードクライミングらしいかもしれない。
ボルト位置を見れば、どこが難しいかは明白。中間部のレストを挟み、上下に2つの核心があり、下の核心の方が強度がある。
第一核心は、細かいアンダーでの苦しい足上げ、そして距離出し。第二核心は、フリクションのないハイアンダーの処理。その他、スローピーなカチのホールディングもポイント。
中間部と終了点前は、手は悪くないものの、スタンスがあまりなくてスメアリングになる。
2つの核心の間にあるレストは、ニーバーを使うことでほぼノーハンドになるが、ここで休めないと第二核心が苦しい。
ムーヴの面白さの面で、DAIJAに比べると星が減りそうだけど、ルート構成が良くてこちらもオススメ。
トライ
1便目でバラシは完了したが、第一核心の強度が高い。第二核心もヨレてるとキツそうだけど、その前のニーバーで結構休めそうだ。
モトハシさんはニーバー出来てないのにあっさり2撃。
僕の2便目。久しぶりにニーパッド装着。第一核心をなんとか止め、ニーバーで大レスト。第二核心のスタンスでやや迷ったけど、安定の2撃。
いくつか出てくる外傾したカチは、以前なら苦労していたと思うけど、トレーニングの成果が出ている。
グレード感
DAIJAに比べるとやや易しい。核心だけ比べてもDAIJAの方が難しく、さらにDAIJAの方が休めない。
一方で、これまでに御前岩で登った7b+(Cerveza、アレジオン、見返り美人)に比べると、ハッキリと難しい。
ということで、しっかり7cあると思う。そうなると、アスリーツが体感ソフト7cというのは、完全に矛盾してしまうんだけど。笑
✅お尚(7a+), 2go
ルート解説
終了点を除いて6クリップだが、実質は下部3ピンのルートといった感じだろうか。上部も傾斜はあるけど、ガバなので恐らく落ちない。
下部はダイナミックに遠いガバを取りに行くか、悪いホールドを繋ぐか。いずれにしても、強傾斜の中での強度のあるムーヴ。
3P目付近での左トラバースも、スタンスが悩ましい。
トライ
以前からオンサイトを狙っていたルートなので、結構ちゃんとオブザベしてから1便目。
しかし、2P目のクリップが思ってたより悪いー!
なんとかヌンチャクは掛けたものの、ロープを手繰る寸前にヌンチャクへA0。そこから先も簡単じゃなかった。
2便目でRPしたけど、結構難しかったな。
グレード感
ルートタイプは違うけど、同じ7a+の蒙古タンメンと同じくらいの難易度だろうか。
蒙古タンメンは難し目の7a+に感じたので、お尚もHard 7a+といったところか。
❌誉(8a+), 1go
下から見ると、朝より乾いていたのでやってみた。が、終了点前の核心部に辿り着くと、まだしっかり濡れていて敗退。
ルート解説などはまた次回。
ふりかえり
朝到着した時には、どうなることかと思ったけど、期せずして成果が多い日になった。
二子山・弓状エリアが、前日や当日の雨に強いのはよく知っているけど、御前岩・エレファント南面も意外に登れる。
普段はあまりやらないショートハード。長いルートでも、「5.13後半からはまずボルダー力」と聞くので、最近は自分なりにジムボルダーも頑張っている。その成果が出たようで嬉しい。
今回は雨だったけど、ようやく天気予報には晴れマークが増えてきた。エレファント北面は寒くなると辛そうだが、その前に誉(8a+)、GYA-GYA(8a)あたりが登れると理想。
あとはいつか登りたいと思っているパチンコ。今シーズンRPを狙うという感じではないけど、まずは触って自分に足りないものを探ってみたい。