表銀座ハーフトラバース:中房温泉~大天井岳ピストン
山行日:2026年8月7日(金), 8日(土)
今回の登山
ロッククライミングに夢中になってからは、もはや年一行事になってしまった夏山登山。
今回の行き先に選んだのは表銀座。
登山にハマっていた時も基本マイカーだったので、面倒くさがりな僕は、なるべく周回コースやピストンを選んでいた。そのこともあり、表銀座は歩いたことがない。
もともとは2泊3日の行程で、中房温泉から槍ヶ岳を経由し、上高地まで歩く計画を立てていた。しかし、日程が近づくにつれて天気予報が悪化。2日目の午後は、早ければお昼過ぎから雷雨の可能性がありそうだ。
そこで、計画を1泊2日に変更。1日目に中房温泉から入山し、大天荘のテン場に幕営。2日目は常念岳を経由し、三股に下りることも考えたのだが、2日目のコースタイムが約8時間。予報通りだと、下山間際にビショ濡れになるかもしれない。
結局のところ、2日目は入山口と同じ中房温泉へ下山(コースタイム約6時間)することにした。
Day1:中房温泉→大天荘
ルートと所要時間の記録
最高点の標高: 2876 m
最低点の標高: 1448 m
累積標高(上り): 1792 m
累積標高(下り): -367 m
総所要時間: 07:34:20
- 05:55 スタート・中房温泉
- 08:19 合戦小屋(08:34)
- 09:35 燕山荘(10:33)
- 11:22 大下りの頭(11:41)
- 13:29 ゴール・大天荘
山行詳細
都内北西部の自宅を深夜2時に出発。
中房温泉の駐車場は、とにかく競争が激しいというイメージだ。晴れ予報の週末などは、前日の夜時点ですでに満車ということもあるらしい。
この日は金曜日で、夏山トップシーズンとはいえ、一応平日だ。安曇野ICで高速を下り、コンビニで買い出しを済ませ、ネットで駐車場の混雑状況をチェック。ライブカメラではほぼ埋まっているように見えるが、空き状況は「空車」の表示になっている。
有明山神社の掲示板を通過する時も、中房温泉の駐車場は「空車」のまま。おっ、これはもしかして止められちゃう?
有明山神社から細い山道を30分ほど走り、朝5時前にようやく中房温泉の駐車場へ。最初は完全に埋まっているように見えて焦ったが、奥の方に数台分だけ空きを見つけて一安心。ここまで来て満車だと、また30分かけて有明山神社まで戻らなきゃいけない訳だよね?それはキツイ…。

ギリギリまで2泊3日のつもりだったので、ここで食料や衣類を1泊分に調整。駐車場の仮設トイレで用を足し、15分くらいの舗装路歩きで登山口へ。

第一駐車場は、今は予約制の有料駐車場になっている。¥3,300/日という中々のお値段だが、それでも今回の日程前後は満車だったようだ。

平日にも関わらず、登山口は多くの人で賑わっている。ここで朝食を済ませ、のんびりと歩き出す。空は快晴だが、いつまで持つだろうか。
最近はフリークライミングの岩場でも、マニアックなエリアに行くことが少なくなく、そうした場所は得てして踏み跡不明瞭な急坂だ。合戦尾根は北アルプス三大急登の一つとされているが、クライマー道に比べるとなんと歩きやすいことか。笑

順調に合戦小屋まで上がって来た。名物のスイカを美味しそうに食べている人を横目に見つつ、とりあえずここは我慢。
翌日土曜から、山の日の火曜まで連休という人が多いのだろう。それを見越してか、荷揚げのヘリが何度も往復している。

残念ながら花の名前はわからないんだけど(笑)、燕山荘のすぐ下がお花畑になっていて綺麗だった。

だいぶ雲が上がってきたけど、稜線上も思ったより視界があった。燕岳はこれが2回目。前回は約10年前のGW前だった。

燕山荘から燕岳山頂までは、片道30分ほど。前回来た時に往復しているし、あまりピークにこだわりないタイプなので、今回はパス。
そうなると時間的には余裕なので、ケーキセットを注文。

噂には聞いてたけども、ホントに山の上でこんなの出てくるのか!しかもケーキもドリンクも、色々と種類があってまさにカフェ。これは山ガールに人気な訳だね。笑
1時間ほどのんびりしてから再出発。

ここから先ははじめて歩くルート。なだらかな縦走路の奥に槍が見える。良い風景だ。

大下りの頭から標高を下げ、また登っていくが、ほどなくして平坦基調に戻る。とても歩きやすいトレイルだ。
お昼を過ぎても、周辺に広がる北アルプスの稜線は概ね見えている。翌日の天気があまり期待できないので、これは嬉しい。来て良かった。
大天井ヒュッテと大天荘の分岐あたりからの、最後の登りがややキツかったが、バテることなく大天荘に到着。年一登山でも一応歩けるものだ。片道30分程度でも、毎週フリークライミングのアプローチで歩いているのが大きいのだろう。

大天荘のテン場は広くて平らでとても快適。電波は一応入るといった感じ(ドコモで確認)。

テントを張ってから空身で山頂へ。10分かからないくらい。

眺望の良さそうな山頂だったが、15時頃だったのでさすがにガスが多かった。
着替えたり昼寝したりしていると、あっという間に17時。小屋横のテーブルで、アルファ米とレトルト食品の夕食。
同じテーブルで食事していた台湾出身の若者は、七倉から裏銀座を通ってここまで歩いてきたとのこと。今日で4日目とか5日目で、ようやく明日中房に下山て言ってたな。そういう長距離縦走も感慨深そう。
ちょうど食べ終わる頃、雷の音が近づいてきた。たまたまこの日、松本にいた友人も、「アルプスの方で光っているのが見えた」と言っていた。
テントに戻るとほどなくして、雨が降り始める。もっと早い時間から降り始めてもおかしくない予報だったので、行動中は天気が持ってくれてよかった。
NETFLIXでダウンロードしてきた、「ラクパ・シェルパ:エベレストの女王」というドキュメンタリーをスマホで観て20時頃就寝。
Day2:大天荘→中房温泉
ルートと所要時間の記録
最高点の標高: 2874 m
最低点の標高: 1456 m
累積標高(上り): 341 m
累積標高(下り): -1758 m
総所要時間: 05:19:34
- 05:59 スタート・大天荘
- 07:26 大下りの頭(07:28)
- 08:28 燕山荘(08:46)
- 09:19 合戦小屋(09:35)
- 11:16 ゴール・中房温泉
山行詳細
翌朝は4時過ぎに目が覚めた。昨晩は雨が降ったためか、思ったよりも寒かったがよく寝られた。

ある程度予想はしていたが、この日は朝からガスに覆われている。予定通り、そのまま中房へ戻ることに。
コーヒーを飲んだりしながらのんびりして、6時くらいに出発。

景色はほとんど見えないが、止まっていると寒いくらいで、歩くのには曇りがありがたい。大下りの頭への登り返しまでは、フリースを着ていた。
この日は午後の早い時間から雷雨の可能性があり、翌日の予報も良くない。それでも、槍方面に縦走する人が結構いて、すれ違いが多かった。

燕山荘に着く頃、少しだけガスが晴れた。今日はこれで十分。

昨日が燕山荘のケーキセットだったので、今日は合戦小屋のスイカ。半分グルメ旅。笑
今日から連休という人が多いためか、この先の予報が悪いにも関わらず、かなりの人数が登って来る。すれ違いが大変で時間がかかった。
11時15分ごろに下山。中房温泉にも興味があったんだけど、着替えを車に置いてきたのでここはパス。駐車場までの舗装路歩きが地味に辛かった。笑

有明荘の温泉で汗を流す。広い露天風呂があり、これで¥750は最近だと良心的な値段。シャンプー・ボディーソープ類もあり。

同じく有明荘で昼食。当初の2泊3日の計画では、マイカー回収のためのバス・電車代がかかる予定だったけど、それが丸々浮いたこともあり、一番高いメニューを注文。笑
奥の野沢菜の横は「円揚げ(つぶらあげ)」といって、ニジマスを背開きにして丸ごと油で揚げ、甘辛ダレで味付けしたもの。安曇野の名物料理らしい。これが美味かった。
昼食を食べていると、強い雨が降り出した。一旦すぐに止んだが、やはり大気の状態は不安定なようだ。しかしこの後、あんなことになるとは…(後述)。
ロングドライブに備え、少し昼寝してから自宅に向けて出発。途中、何度か激しい雨が降った。
普段の土曜に比べると中央道は混んでいた。夕方ごろに帰宅し、濡れたテントなどを乾かす。久しぶりの作業だが、やはり面倒くさい。笑
土砂崩れ
翌日、筋肉痛のなか自宅でテレビを見ていると、中房温泉に向かう林道で土砂崩れがあったというニュースが。
昨日の午後、かなりの量の雨が降ったようだ。安曇野市内と中房温泉を結ぶ、唯一の県道の橋が流され、登山者や宿泊者が麓に下りられなくなっているという。昨日、あれだけ多くの人が登っていたことを考えると、かなりの人数が足止めになっているだろう。
幸い仮の橋が架けられ、人はその日のうちに下りられたが、車は2週間くらい置きっ放しになるようだ。1日ずれていたら、完全に巻き込まれていた。死者やケガ人が出なかったのが不幸中の幸い。
この道路は、昨年も路肩崩落があり、長期間に渡って通行止めになった。今回も夏山トップシーズン中の災害。山小屋関係者のことを考えると、いたたまれない気持ちになる。
ちなみに僕自身、山での自然災害とのニアミスは、これが2回目だ。1回目は2021年9月に、槍ヶ岳・北鎌尾根を縦走した時のこと。
僕のパーティはお昼頃に槍ヶ岳に登頂し、上高地に向けて梓川沿いの遊歩道を歩いていたのだが、夕方に大きな地震が発生。北鎌尾根にいた登山者から複数の救助要請が入り、これも全国ニュースになった。
今回の土砂崩れでも、改めて自然の猛威の恐ろしさを感じさせられた。

ふりかえり
久しぶりの登山。久しぶりのソロテント泊(登山にハマっていた頃は、基本このスタイルだった)。
クライミングも楽しいが、やはり山歩きも楽しい。
本当は槍経由で上高地まで歩きたかったが、ムリしなくて正解だった。燕山荘から大天井の間だけでも、表銀座の雰囲気は味わえる。天気に関わらず、マイカーの回収が面倒くさいという人にも、中房~大天井のピストンはオススメだ。
それにしても、最近は山でも街でも、ゲリラ豪雨が日常茶飯事になった。一方で、登山者が山小屋に到着する時間は、僕が登山をはじめた10数年前に比べると、遅くなったような気がする(僕も朝はのんびり派なので、決して人のことは言えないが)。
山の上では落雷のリスクもあるし、夏山はやはり早出早着が基本だね。
