【有笠山】RP!あっぱれ&へんてこりん

きい

クライミング日:2026年5月23日(土), 24日(日)

今回のクライミング

先週末、ワーキングのつもりが、予想外のRP態勢になったあっぱれ。

あわせて読みたい
【有笠山】あっぱれ:近くて遠いラスト1m
【有笠山】あっぱれ:近くて遠いラスト1m

こうなったら、なんとか梅雨入りに間に合わせたいところ。

ところが、木曜にベースキャンプ飯能に行った時、せっかく治りかけていた右手首を悪化させてしまう。最近のジムボルダーのラインセットは、グレードが上がるとホールドの持ち感というより、配置と向きが悪くなる。これが災いした感じ。

直前で頑張ったからといって、打ち込んでいるルートの成否に、それほど影響するとは思えない(むしろ休んだ方がいいかw)。長い間目標にしてきた、GWのスペインツアーが終わったばかりで、全くムリする必要はないのだが、アホなんですかねw

まぁクライマーらしいと言えばクライマーらしいか。笑

Saturday

2日前の木曜日にまとまった雨。前日金曜も少し降ったようだ。

当日土曜は曇り時々晴れの予報で、雨の心配はなさそうだったのだが、群馬に入ったあたりから小雨が降り出す。

仲間と「これは厳しいかな~」と言いながら、一応アーチへ向けてアプローチを開始するも、途中で通り過ぎる岩は超しっとり。そして森の中はガッスガス

ちなみにこの日は、中之条町の予想最高気温が16℃と、この時期としてはかなり低め。先週日曜は30℃だったので、夏から冬に戻ったような感じだ。大げさかなと思いつつ、クローゼットの奥から引っ張り出してきた冬用ダウンは、決して大げさではなかった。なかったら凍えていたと思う。笑

アプローチの土が雨で濡れても、この気温ならヒルは大丈夫かなと思っていたけど、しっかりいたw。先週は暑かったが、地面はカラカラで、まだヒルはいなかった。途中で急遽シューズにスプレー。

有笠が初めてのメンバーもいて、地面で踊るヒルにワーワー騒ぐのを聞きつつ、アーチへ到着。

岩は見た目には濡れていないように見える。雨もちょうど止んだので、とりあえず取り付いてみることに。

アーチもガッスガス

✅あっぱれ(5.13c), 2go(計5d12go)

1便目

まずはいつも通り、ヌン掛け兼アップ便(+岩の状態チェック)。

驚くべきことに、岩はなんと乾いてる。部分的にという意味ではなくて、一手たりとも濡れていない。アーチの底面はわかるが、傾斜が90°を割っている、あっぱれの終了点付近も問題なし。ここはどう考えても雨が当たるはずだが、本当に不思議。

フリクションも決して悪くない。アーチは小さな谷間にあるものの、意外に風が抜けるので、そのおかげかもしれない。

寒さもそれほどではなく、手の感覚がなくなる心配はなさそうだ。

天然記念物パートのムーヴを一部変更。ここで落ちることはもうなさそうだが、できる限り消耗を抑えたい。

2便目

朝の時点では、この日のまともなトライはほぼ諦めていたが、まさかの全然狙えるコンディションだ。気持ちを切り替えなくてはいけない。翌日もアーチの予定だが、先週の土日連登の経験からすると、このルートは1トライごとの消耗が激しく、トライ数を重ねると確率が下がる。

下部から順調で、前腕もあまり張ってこない感じ。やはりフレッシュだと違う。手が少し悴んだが、少し首を触れば問題ない程度だ。

これまでで一番余裕を持って、最後の核心前のコウモリレストへ。あっぱれ完登へのアドバイスをくれたナカタさんは、ここで4分も休んだそうだ。僕もいられるだけいたつもりだったが、あとから動画で確認したら、2分もいなかった。笑

今回はムーヴを間違えることもなく、核心の入りからいい感じ。多少余裕はあったが、気合いを入れて吠えながらビクトリーガバを止める。できた…。最後は5.8もなさそうな、傾斜の死んだガバの数手で終了点にクリップ。

これですでに完登なのだが、あっぱれは終了点からさらに少し登ると、アーチの上に立つことができる。僕は密かに、完登後のアーチの上からの景色を楽しみにしていたのだ。笑

ガッスガスのトップアウト

しかし、残念ながらこの日はルート名に反して、ガッスガスで何も見えず。アーチの上で余韻に浸ることはできなかったが、この日の一発目のトライでしっかり決められて、僕の心は晴れ渡っていた。笑

体感グレード

石灰岩のクライミングが好きということもあり、8a+は何本か登っているが、実はデシマルの5.13c完登は初めて。ということで、他の5.13cとの比較は難しいんだけど、これまで登ったルートと比べて考えてみたいと思う。

まずは、天然記念物とのグレード差について。もはや自動化され過ぎてよく分からなくなっているが、天然記念物を登った時のブログを見ると、第二ランジ止めるまでで5.12d/5.13aと感じていたようだ。

あわせて読みたい
【有笠山】天然記念物RPとあっぱれ始動
【有笠山】天然記念物RPとあっぱれ始動

天然記念物をRPするよりも、あっぱれのコウモリレストまで行く方が明確に簡単だ。ということで、核心までで5.13aくらい。で、核心が2級くらい?

つまり、5.13a→レスト→2級という構成。レストでかなり戻せないと核心で落ちるので、最後の2級で2グレード上がると思う。レストでかなり戻すためには、天然記念物なら何回でも登れる、それくらいの余裕が必要

そう考えると、天然記念物とは1グレード差だと小さくて、1.5グレード差の5.13cは妥当という気がする。

ちなみに、ルート構成としては、城ヶ崎のシンデレラボーイ(5.13a/b)とよく似ている。シンデレラボーイは、完登した時のブログで5.12d→レスト→2級、体感5.13bと書いている。

あわせて読みたい
【城ヶ崎】サンセットRP!シンデレラボーイ
【城ヶ崎】サンセットRP!シンデレラボーイ

どちらも核心前にレストがあるものの、そこまでが難しくて、レストに到達した時点でヨレていると回復し切れず、核心で落とされ続けるルートだ。

あっぱれのレストはトゥフックばち効きだが、さすがに傾斜180°なので、休める度合いはシンデレラと同じくらいだろうか。核心はどちらも2級だけど、核心の中でも明確な落ちどころの一手があるシンデレラに対し、あっぱれの核心はそこだけ切り取ると、10手ほどのショートエンデュランス。より持久要素が強い。

レストまでがあっぱれの方が削られるので、シンデレラよりも1グレード難しい気がする

それでも、高グレードにありがちなランナウトがなく、天然記念物をRPしてからトライする人が多いと思うので、取り組みやすい5.13cだと思う。

ルートのクオリティ

天然記念物の第三ランジは秀逸で、奇跡的なホールド配置が生み出す名ムーヴだと思っている。

あっぱれは、その第三ランジ前に分岐する訳だが、少なくとも国内では超貴重な足先行ダウンクライムが楽しめる。

核心は天然記念物の第三ランジのような独自性はないが、ホールドが色々選べて、自分なりの最適ムーヴを作るのが楽しい。

何より、終了点後にトップアウトしてアーチの上に立つことが出来るのは、天然記念物にはない要素だ。

あっぱれも五つ星でしょう。

❌へんてこりん(5.13a), 1go

ルート解説

天然記念物と終了点が同じで、アーチの反対側から登るルート。

天然記念物を登るはるかさん(右)とへんてこりんを登るきい(左)

ボルダリーな核心がありながらも、基本的には持久系の天然記念物に対し、へんてこりんは実質短しい系。というのも、アーチの最も傾斜が強いトラバース区間に入る前に、棚の上で完全レストできてしまう。

トラバース区間はフットホールドの選択肢が極めて少なく、ムーヴというより純粋な保持やパワーがものを言うルートだ。

トライ

棚レストまでは腸捻転(5.11c)と共通で、すでに登ったことがある(以下の記事参照)。

あわせて読みたい
【有笠山】天然記念物RPとあっぱれ始動
【有笠山】天然記念物RPとあっぱれ始動

その先で横綱(5.11d)と分岐し、ようやく「へんてこりん」のオリジナルパートへ。

ルートのライン取り(天然記念物の終了点からぶら下がって撮影)

トラバース区間は岩の高さが50cmくらいしかない。手で使うホールドは、この岩の上端(小ハングの下)に集中している。

トラバースの最初は、下端に踏めるホールドがあるが、手で使うホールドと縦に50cmくらいしか離れていないので、体を横にする必要がある。手からいくのか、足からいくのか悩ましい。結局、足先行ムーヴを試したら良い感じに。

しかし、トラバース後半は、本当にフットホールドがなくなる。まさかのキャンパ!?

特別ランナウトしている訳ではないが、トラバースした先に見えるガバまでいかないと、とてもクリップできそうにない。恐らく大丈夫だが、落ちたらかなり振られそうで怖い。とりあえずエイドで抜けて先へ進む。

最後の数ムーヴは距離出しが必要なところもあるが、特に難しくない。ただし、ほとんどトライされていないようで、終了点近くのホールドは土が流れ込んで埋まっていた。ブラシで頑張って掃除し、初日はこの1便のみで終了。

Sunday

土曜の夕方から夜にかけても、また予報にない雨が降っていた。今週末は天気予報大外れ

本日日曜もあまり気温は上がらない予報だが、中之条町の予想最高気温は20℃で、前日に比べると+4℃。それほど寒くはなく、過ごしやすい一日だった。

ゆきりんに加え、久しぶりに一緒に登る岳さんと一緒にアーチへ。あとからkj・かおりさん夫婦も合流。

昨日のあっぱれRPで気をよくしていたので、午前中はロープにぶら下がって天然記念物を登る仲間を撮影し、午後から自分のクライミング。

✅へんてこりん(5.13a), 2go(計2d3go)

トライ

まずは未解決部分の探りから。怖いので、エイドでトラバースした先にあるヌンチャクにロープ掛けて練習。

昨日の夜、宿でへんてこりんの完登動画を探したら、YouTubeで1件だけ見つかり、やはりキャンパしていた。半信半疑だったが、自分以外にも同じムーヴを考えた人がいたことがわかると、途端に安心する。笑

キャンパで使う手は、薄被りの壁にあったらガバカチと言っていいと思う。決してガバとは言い難く、これを使ってのキャンパは簡単ではないが、試したら一発で出来た。

昨日掘り出した終了点付近のホールドは、昨晩の雨の影響はないようで、しっかり使える状態だ。

空中懸垂での撮影で、かなり体幹を消耗してしまった気がするが、決める気満々の2便目(計3便目)。

まずは足先行の3手。そこからキャンパの3手。その最後の一手で、トラバースした先、ヌンチャクの向こう側にあるガバを取るところが一番難しい。落ちたらどれだけ振られるんだろう?とかは考えない。度胸で突っ込む。

完全に足ブラ状態

左手がガバを捉えた!クリップにやや手間取ったが、なんとかビナにロープを収めて一安心。ここから先も楽勝ではないが、核心を抜けてきてもパンプはほぼなし。余力十分のRPだった。

体感グレード

核心のトラバースがほぼ全てで、なおかつ足先行+キャンパという特殊ルートなので、他の5.13aとの比較は非常に難しい。たぶん出来る人はすぐできるし、出来ない人はできない

キャンパに関して苦手意識はないが、かといって得意でもない。

核心だけ比べても、城山のケレンジ(5.13a)よりも簡単に感じた。ケレンジはもちろん繋げる難しさもあるが、へんてこりんは持久要素はほとんどない。

5.12dくらいかなと思うけど、ジムで普段から頻繁にキャンパをやってる人なら、さらに易しく感じるかも。

核心前に完全レストできてしまうので、ルートの質としては天然記念物より下がるけど、核心に関してはアーチならではのムーヴが楽しめる。

ルート名の由来はわからないが、開拓された当時、キャンパというムーヴはまだ一般的ではなかったのではないだろうか。それで「へんてこりんなムーヴ」と感じたのでは?なんて想像をした(初登ムーヴもキャンパだったとは限らないけど)。

おまけ(撮影)

あと5.11台を3本登ればアーチのルートは全登だが、また今度にして、再び天然記念物を登る仲間を撮影。ホントはもっとたくさん写真も撮りたいんだけど、自分が登るので精一杯なことが多い。

アーチの上まで歩いて行けるので(特に濡れている時は慎重に)、懸垂しながらカメラを構える。

ドローンは楽で便利だけど、やはりロープにぶら下がっての撮影は楽しいし、より撮りたい写真が撮れる。

懸垂してる時、手や足が届く範囲に岩がある時は問題ないんだけど、空中懸垂だと被写体に向かって体を固定するのが難しい。というか、勝手にクルクル回ってコントロールできない。誰か良い方法知ってたら教えてください。

ゆきりん(第一ランジ)
ゆきりん(第二ランジ)
ゆきりん(第三ランジ前)
ゆきりん(第三ランジ)
岳さん
岳さん(第一ランジ)
kj
kj
kj(第一ランジ)
kj(第二ランジ)
kj(第三ランジ)

ふりかえり

予想外の雨で登れないかと思ったけど、思っていた以上に雨に強かったジ・アーチ。

決めるべきトライでビシッと決めることができて、撮影も楽しめた大満足の週末。

目指せ、登れて撮れるクライマー。目指せジミー・チンw。

とりあえず、梅雨までの目標としていたあっぱれも登れたので、今度はちゃんと右手首をいたわりたい。ジムでもボルダートレはしばらくお休みかな。この夏は花崗岩でクラックを頑張りたいと思っているんだけど、今の手首の状態だと逆手のジャミングが痛い。しっかり治さないとな。

とはいえ、夏の花崗岩シーズンは結構長い(ヌメリ手の人からは、すでに花崗岩もシーズンアウトというも聞こえてくるがw)。

まだしばらく、もう少し標高の低い岩場でも登れるので、このタイミングで普段あまり行かない岩場にも行きたいなと思う。

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

ABOUT ME
きい
きい
登ったり滑ったりする人
1988年生まれ、愛媛県出身
東京の北西部に住み、週末は専らさらに北や西に出かける
仕事は電機メーカーのエンジニア
クライミング:2021年からリード&外岩を始めて本格的に
スキー:2017年からバックカントリーにハマる
記事URLをコピーしました