2026GWスペインクライミングツアー:マルガレフ編
この記事は、2026年GWに行った、スペインクライミングツアーについて書いたものです(全5回のシリーズ)。
- 第1回:準備編
- 第2回:ロデジャー編
- 第3回:リグロス編
- 第4回:マルガレフ編(本記事)
- 第5回:ツアーの振り返り編
Day10:ロデジャーからマルガレフへ
出国から数えて、今日で10日目。ロデジャーでの怒涛の7連登を終え、マルガレフに移動する。
朝はゆっくり起き、のんびりと12時前に宿をチェックアウト。これまでまとまった雨はなかったが、移動日の今日だけしっかり降っている。素晴らしい。今日こそは登らない。笑

スペイン初日、バルセロナ空港からロデジャーへ行く途中にも寄った、ジェイダ(Lleida)のメルカドーナ(MERCADONA)で買い出しと昼食。この日は土曜日だからか、結構混んでいた。
メルカドーナブランドのチーズバーガーはめちゃ美味い。おすすめ。

マルガレフの村に到着し、ゆきりんがAirbnbで予約してくれていた宿へ。
街の中の道は非常に狭いので、基本的には街の一番端にある、共同駐車場に車を止める。
ただし、坂道が多くて大きな荷物は運ぶのが大変なので、一時的に宿の前に車を止め、みんなの荷物を降ろしていた。それほど車が通っている様子はないので、大丈夫だろうと高を括っていたのだが、このタイミングに限って対向車が。
1分間ほど睨み合いが続いたが、相手は1mmも下がる気配がない。仕方なく、慣れない左ハンドルで、車1台がようやく通れる幅の道を、200mほどバックイライラ棒した。笑

少し時間があったので、みんなで街を散策。

まだ1本も登ってないのだが、定番スポットでとりあえず集合写真を。ユーマさんが一眼を三脚にセットしてくれて、スマホでリモートシャッターを切る。ユーマさんは標識にぶら下がっていたので、ニキが代わりにスマホを操作したのだが、アナログ人間なので画面を見たまま写真に収まっていた。笑

先にマルガレフ入りしていた、FraとDenisと合流。Fraとは約2年、Denisとは半年ぶりの再会だ。色々と話は尽きなかった。
Day11:混雑を避けて奥地へ
この日はスペインの連休最終日。駐車スペースも混雑しそうだ。昨日の夜、Fraからは「明日はジャパンタイムで行動した方がいい」と言われていた。

ということで、P11に早めの10時(日本にいる時の感覚でいうとこれでも遅いけど、すでにスペインタイムに慣れていた我々には早く感じたw)に到着。
La Catedral
P11から、25分ほどのところにあるセクター。まずはここでアップを。

- ❌Cumpanyer, 7a, 1go
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仲間は2本ある6cでそれぞれアップしていたが、人数が多くて時間がかかるので、7aにトライ。
積んである石の上からスタート。ずっと一定強度が続く持久系。mOSを狙ったが、残念ながら途中でヨレて、クリップが出来ずにテンション。久しぶりに味わうマルガレフポケット。やはり腕が張る。
上部は傾斜がやや寝て易しくなるが、そこまでが頑張りどころ。登れなかったが、素直なルートでアップ向きではある。
MQZ
お昼近くになり、Catedralにはクライマーが増えてきた。さすが連休だ。混雑を避けるため、さらに奥地へ。

トポではP11から30分になっているが、たぶん40分くらいかかると思う。スペインのトポは、アプローチ時間の設定が厳しめだ。笑

MQZは比較的新しく開拓されたセクターのようだ。アプローチの遠さもあってか、我々の狙い通り、他には2人組の1パーティーのみだった。
マルガレフの中では、岩の前が広くてフラット。北向きのため、ほぼ陽も当たらない。壁はあまり高さはないが傾斜があり、持久系で質の高いルートが並んでいる。遠いアプローチをこなす価値十分にあり。
雨が降る時間もあったが、特に影響なく登れた。
- ✅Dame canto y dime tonto(7b), 2go
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最初と最後に、ガバ取りの大きな動き。それ以外、特別難しいところはないが、ホールディングとムーヴが多彩で面白い。
オンサイトだと、中間部の手順が左右逆になりやすい。さやてぃーは上手くマッチしてオンサイト。Denisは登りながら手順を教えてもらってフラッシュ。
僕はその中間部でフォールし、オンサイトならず。2便目でRPした時は、かなり余裕があったので、易しめの7bかもしれない。
- ❌PPL(7c), 5go
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太くて薄いコルネに沿って引かれた、見た目抜群のライン。トポでは「TOP 10」の評価になっている。
グレード的にちょうどいいかなと思っていたEnemic intim(7b+)が、スペインの2人組がトライしていて順番待ちがあったということもあるが、PPLのあまりのカッコ良さに、こちらをトライしてみたくなった。
1ピンごとに核心があるような感じで、それでいて休みどころがなく、短いのにヨレるショートエンデュランス。
3便目はかなり惜しくて、左手ピンチを止め、左手をサイドガバに送るところでフォール。4,5便目はヨレていてダメだった。

PPLを登るきい
夜はDenisも我々の宿に招いて、みんなで食事。ちなみにDenisはベルギー出身だが、今はフランスのアルプス近くに住み、プロのアルパインガイドをしている。フリーもめちゃくちゃ強くて、日本での短期ツアーでも、プラズマ火球など登っている。
ヨーロッパのクライミング事情など、色々と興味深い話を聞かせてくれた。

Day12:クライミング最終日
2026GWスペインツアーも、登れるのはこの日が最後。
連休明けの月曜で、急に静かになったマルガレフ。しかし、今日はFraが引き連れるイタリアチームとも合流し、ワイワイと登る予定だ。
午後から雨予報だったので、Fraが選んでくれた雨に強そうなセクターへ。
El Cami de L’Ermita
駐車スペースはP22(マルガレフには20個以上も駐車スペースあったのか笑)。曲がりくねった道を、車でかなり上がっていく。
アプローチは15分くらい。P22から見上げた先に壁は見えているが、意外とわかりづらい。直線距離で左上に行こうとしたらダメで、最初はやや右上に上がり、最後に左にトラバース。
岩の前のテラスはやや傾斜していて広くもないが、マルガレフの中では高い場所にあるので、下の方が見渡せて景色は良い。南西面で、お昼頃から陽が当たるが、この日は狙い通り途中から雲が多くなって快適で、雨が降っても登れた。
出だしの傾斜が強く、最初に核心があって後は持久、といったルートが多かった印象。


- ✅Madalenes(6b+), FL
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イタリアチームから、出だしでモノポケットが出てくるから、絶対アップ向きじゃない!と言われたけど、Denisがやるというので僕もトライ。
聞いていた通り、最初がボルダー核心。モノポケットを取るまでも辛いし、足が悪いので、モノポケットをまともに引く必要がある。
あとは簡単だけど簡単過ぎず、スローピーな小ケイブをステミングで登る感じで楽しい。
僕はDenisに全部ムーヴ聞いて、なんとかフラッシュしたが、モノポケットでパキるかと思ったw。強々ハナダテ姉妹も苦戦していた。これまで登った中で、最もアップに向かない6台。笑

いきなりフル保持
- ✅Palestina(7b+), 3go
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出だしでボルダー核心。あとは掛かりが良いホールドが続き、レストポイントもあるが、繋げると後半もキツイ。
出だしのムーヴ解決に苦労したが、僕の場合はキョンが効いた。
2便目で核心を越えるも、中盤でヨレ落ち。3便目も落ちかけたが、何度か声を出しながら、超ギリギリでRP。
Denisは核心抜けたら、あとは全然問題なさそうだった。
- ❌Pastelina(7c), 1go
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Palestinaと最後で分岐し、分岐後から終了点までの短い間に上部核心。大レストのあと、アンダーからやや細かいホールドが続く。序盤核心のような強度はないが、繋げ核心といった感じ。
ヨレヨレで2便出す体力がなさそうだったので、先に登ってRPしたDenisに、ムーヴを全部聞いてからフラッシュトライ。再び序盤核心は抜けたものの、下部からヘロヘロで、分岐までたどり着く前に力尽きた。笑
もう当分ポケットはいいかな、と思うぐらいにヨレ切った。笑
Denisと同じく、Fraもまだスキーシーズン明けということだったが、この日も7cを2本RP。さすがの強さ。


最後の夕食にはDenisに加え、Fraも来てくれた。日本組は翌日フライトのため、早朝に出発する必要があったが、深夜までみんなで話していた。
ちなみにDenisもFraも、日本の岩場だと瑞牆・小川山が好きとのこと。ヨーロッパには、マルチピッチの花崗岩の岩場はあっても、シングルピッチは珍しいらしい。
僕たちもマルガレフで、日本ではできないクライミングが楽しめた。
あまり働かない頭で、面倒なパッキングを済ませて就寝w。
Day13:さよならスペイン
最終日は帰るだけ。まだ暗い時間に起きて、ゴミを出し、車に荷物を積み込む。すっかりスペインタイムに慣れてしまったので、余計に早朝に感じる。笑
マルガレフからバルセロナ空港まで、車で約2時間。昨年のツアーでは、最終日に空港へ向かう途中、仲間が運転するもう1台の車が、なんと高速道路上でパンクするというトラブル。嫌でも最後まで気が引き締まる。笑
ちなみに、スペイン到着初日のレンタカー予約トラブルを除き、最終日までこれといった問題は起きなかった今回のツアーだが、昨晩プチトラブルが。
初日、急遽レンタカーを申し込んでくれていたモトハシさんに、レンタカー会社からメールが。その内容が、「レンタル期限を過ぎているので、ただちに返却するように」というもの。
我々の帰りのフライトは5月5日。その日まで借りたつもりだったのだが、契約書のコピーを見ると、返却日は5月4日になっている。日本で事前に予約していた方も確認してみるが、こちらは問題なく5月5日だ。
記憶を思い起こしてみる。急遽申し込んだレンタカーのレンタル期間を訊かれた際、帰りのフライト日をハッキリとは覚えてなくて、「えーと、5月4日だったかな?とにかく、予約できてたもう1台と同じにして」と言ったのだ。そう、我々は「もう1台と同じ」と伝え、確かに向こうは「わかった、もう1台と同じにしておく」と応えた。
契約書を確認しなかった我々にも落ち度はあるが、明らかに向こうのミスだ。
空港の少し手前で給油を済ませ、とにかく事故なく空港に到着。レンタル期限の件も、モトハシさんがカウンターで事情を説明し、交渉してくれた。車を借りた時のスタッフとは別の人だったが、「確かにそれはうちのミスだね」と言ってくれて、幸い追加料金はなしで済んだ。
一人だけ夜のフライトで、それまでバルセロナ観光してからパリに帰る予定のユーマさんとは、ここでお別れ。ちなみに、日系企業ではなく現地の会社で働くユーマさんは、この後もさらに1ヵ月ほど休暇があり、また別の国で違う仲間とロックトリップを続けるそうだ。なんとも羨ましい…。
入国時のイミグレーションで、長い列の原因になっていた自動電子ゲート。出国ゲートにも導入されていて、やはりエラー続出。再び長い待ち時間になった。笑
やり切った気持ちと、もっと長く登りたい気持ち、両方を抱えて帰国の途についた。
