2026GWスペインクライミングツアー:リグロス編
この記事は、2026年GWに行った、スペインクライミングツアーについて書いたものです(全5回のシリーズ)。
- 第1回:準備編
- 第2回:ロデジャー編
- 第3回:リグロス編(本記事)
- 第4回:マルガレフ編
- 第5回:ツアーの振り返り編
岩場の概要
ロデジャーに滞在中、リグロス(Riglos)で1日だけ登ってきた。
リグロスはスペイン・アラゴン州にある、マルチピッチの岩場。

岩の種類は礫岩で、「ジャガイモホールド」と呼ばれる通り、壁に埋め込まれた丸い石を掴んで登っていく。

長さ200~300m、7~10ピッチくらいのルートが多い。
車でのアクセス
ある程度規模のある街で一番近いのはウエスカ(Huesca)。車で45分くらい。バルセロナからウエスカまでは、2時間半くらいのようなので、空港からだと3時間以上かかる。
我々は今回、ロデジャー滞在中に車で日帰りで行った。ロデジャーからだと、片道1時間半強といったところ。
駐車場のGoogle Map通りに行けばOK。道幅もあり、ロデジャーなどと比べると運転しやすい。

駐車場はキャパがあるが、1日だけしか行ってないので、普段の混雑具合などは不明。今回は快晴予報の日曜日で、10:30頃に到着して、7~8割くらい埋まっていた。

駐車料金は3ユーロ。駐車場の脇に発券機があるので、そこで支払い、チケットを車のダッシュボードの上に見えるように置いておく。

宿泊
今回我々は、ロデジャー滞在中に日帰りで行ったが、リグロスの村にも泊まれるらしい。実際に泊まったことのあるりゅうげんによると、リグロスにはハイキングコースもあり、泊まって楽しむのがオススメとのこと。
ウエスカ(Huesca)に泊まる選択肢もあると思う。
岩峰へのアプローチ
駐車場からルートの取り付きまで、20分くらいだったと思う。
特に下調べはしてなかったけど、岩峰はどこからでも見えるので、自分達が登るルートに向かってテキトーに歩いて行けばOK。



シーズンと気候
今回行ったのはGWの時期だが、この時期としては気温が高めの1日だった。基本的には、岩峰の南面にルートが引かれているので、陽当たりが良い。
当日は風も雲もなく、とにかく暑かった…。もう少し涼しい時期がベストかもしれない。
しかし、同じ時期に行ったりゅうげんによると、リグロスは通常、風が強い日が多いらしい。曇りで強風だと、結構寒くなるそうなので、防寒着は持って行った方が無難。
トポとルート選び
我々は結局買わなかったが、Climb Europeで紙のトポが手に入る。現地の売店でも入手可能。
残念ながら現時点では、少なくとも日本語だと、ブログなどの情報源は限られる。
下の方で、今回僕が登ったルートと、仲間が登ったルートなどについては書いています。
クライミングギア
今回我々が登ったルートについては、すべて80mシングルロープを使用。ロープドラッグ対策のため、必要に応じて支点はスリングで伸ばした。ルートによっては、ダブルロープの方が無難かもしれない。
下降が歩きの場合、必ずしも長いロープは必要ないが、長さがあると複数ピッチ繋げられて快適。
カムを使うルートもあるそうだが、人気ルートについては基本的にオールボルト。
岩は場所によっては結構脆いので、特に上のピッチに別パーティがいるときは、ヘルメットを忘れずに。
あと、40mくらいのピッチもあるので、無線機があるとパートナーとコミュニケーションを取りやすい。
クライミングの様子
今回はロデジャーで目標ルートがあったので、パートナーのユーマさんにお願いし、アクティブレストになりそうなルートを選ばせてもらった。
まだユーマさんが日本にいた頃、毎週末一緒に登っていたが、その時の僕はまだマルチの経験がなく、シングルピッチオンリーだった。一度雨の日に、ユーマさんがマルチのロープワークなどを教えてくれたのだが、結局その後も一緒にマルチを登る機会はなかった。それがこうして、海外で一緒にマルチを登ることになるとは。感慨深い。

リグロスの岩峰群には、それぞれ名前が付いている。今回登ったのは、Frechinという岩峰に引かれた、CURRUCUCLILLO(6a+, 230m)というルート。参考にしたサイトによると、全部で9ピッチ。
ちなみに、ハナダテ姉妹が同じタイミングで、同じFrechinのJose Antonio Sanz(6b)を登った。
すぐ隣のルートだったので、お互い写真を撮り合いながら登った。マルチに不慣れな僕は、あまり撮影する余裕がなく、枚数少なめで申し訳なかったが、みんなが撮ってくれた写真を使わせてもらいます。笑

上の方に、2パーティーほど登っている人の姿が見える。すでに暑いので、日陰で準備してからクライミング開始。11:55、僕がリードで1ピッチ目に取り付く。見た目よりも難しく、油断し過ぎると落ちられる感じ。


2ピッチ目はガバで快適。3ピッチ目の核心が全ピッチを通して一番難しく、結構細かいホールドを握った。なお、こういったところはボルトが連打されていて、エイドでも抜けられるようになっている。
全体的には、小ハングから小テラスへ乗っ越すムーヴが多い。ジャガイモホールドは、見た目は完全に浮石だが、ルートを外さない限りは意外に丈夫。マルガレフと同じ礫岩だが、マルガレフのようなポケットはほぼ出てこない。
3ピッチ目の終了点だが、ここだけ右隣のルートと共通のようで、そのルートを登る先行パーティに追いついた。一声かけて、同じ支点でフォローのユーマさんのビレイをさせてもらう。

4ピッチ目は難しくないが、ここの左トラバースは高度感があって楽しい。


上部のピッチは、それほど難しくなかった。ただし、8ピッチ目あたりは少し岩が脆い感じなので要注意(僕とユーマさんで1回ずつ落石発生)。
7ピッチ目が12mと短く、終了点を見逃してしまったようで、意図せず8ピッチ目とリンク。頂上はすぐそこに見え、傾斜も段々寝てきたが、ヌンチャク弾切れにより、一応ピッチを切った。
9ピッチ目は最初だけ一応クライミングだが、あとはほぼ階段。

14:25に登頂。ちょうど登り始めてから、2時間半だった。ユーマさんは登攀スピードも速いが、支点構築やロープ捌きが超スピーディ。仮に僕ではなく、ユーマさん2人のペアだったら、2時間かからずに登れたと思う。
どのピッチも簡単過ぎることなく、終始ちゃんとクライミングで楽しめた。傾斜があまりないので、それほどパンプはしないが、核心といえる部分もあり、ガバじゃないホールドも出てきます。
下降は頂上からフィックスロープ伝いに下り、また登って行く。途中の木陰でハナダテ姉妹を待ち、4人揃ったところで下山開始。


ケルンと踏み跡を追いかけつつ、ルンゼ状の急坂を下りた。下降は1時間くらい。

思った以上の暑さで、完全に水分不足。売店で飲み物とアイスを購入。リグロスTシャツも売ってます。

その他のルート
他の日に仲間が登ったり、気になったルートについて。
Normal(6b, 240m)

Pisonの左端にある、El Puro(リグロスのマスコット的存在らしい)という鉛筆のような岩峰を登るルート。下降はもちろん懸垂。

La Fiesta de los Biceps(7a, 270m)

リグロスを代表するルート。リグロスの岩峰群は、ほとんどが垂直からやや寝ているが、Viseraはしっかり被っており、そのオーバーハングをまともに登るのがFiestaだ。
その人気を示すように、チョークの道が下から上まで続いている。ロングフォールして、宙ぶらりんになった時のために、脱出技術が必要だろう。グレードも比較的高い。
Mosquitos(6b, 250m)
Fiestaと同じく、Viseraに引かれたルートだが、Mosquitosはこの壁の弱点をついている。こちらも人気ルート。
